トリアルキルアルミニウムと分子内エチレン結合をもつアルデヒドとの 1:1 複合体を低温で調製し,璽それを徐々に昇温していくさい,顕著な溶媒および温度効果が観測された。その結果,反応条件を制御することにより各種の生成物が高度の選択性で得られることを見いだした。たとえば,
トリメチルアルミニウム
とシトロネラールの 1:1 複合体を -78℃ で形成したのち徐々に室温まで昇温した場合,ヘキサン中ではメチル化された化合物がおもに生成した。同様の反応を -20℃,1,2-ジクロロエタン中で複合体を調製したのち徐々に室温ま志昇温すると,環化一脱プロトン化体であるイソプレゴールのみ,が選択的に得られた。ところがトルエンやジクロロメタン溶媒を用いると,新たに環化一メチル化体が生成することを見いだした。さらに過剰の
トリメチルアルミニウム
を用いてジクロロメタン中 -78℃で反応を完結させると,環化-メチル化体がもっとも高い選択率で生成した。また他のトリアルキルアルミニウムとの反応では,還元体であるシトロネロールが主生成物として得られた。その他のアルデヒドを用いても,シトロネラールの場合と同様の結果が得られた。
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