ケシヨウ
ヨモギ
(Artemisia araneosa KITAMURA). 朝鮮金剛山の温井里より萬物相に行く途中この
ヨモギ
が群落しているのを見つけた.丈は1.5-2米あって,茎や葉の両面には蜘蛛毛が著しく,表面には白い点が密にある.ヤブ
ヨモギ
(Artemisia rubripes NAKAI)が菌にでもやられたかと思ったが,よく見ると菌ではなく特徴であり,且つ頭花の著しく蜘蛛毛をかぶる事,葉の切れ方なども異なるので,新種とし,全株白いのを名にとり化粧
ヨモギ
とする.リユウキユウ
ヨモギ
(Artemisia liukinensis KITAMURA). 琉球大島の産で,カハラ
ヨモギ
(Artemisia capillaris THUNB.)に,毛が殆どなく,頭花が大きく,標品では2.5-3糎,幅2.5糎長のものを想像すれば,本種に近い形態が得られる.沖縄にも分布し新種である.オホ
ヨモギ
(Artemisia gigantea KITAMURA). イタリヤのパンパニ氏は東亜
ヨモギ
属を研究し(1927-1930)特に従来
ヨモギ
,Artemisia vulgaris L. なる名称で,ごまかしていた群に,新見解を発表し,東亜の菊科学(Synantherology)に貢献をしたが,パンパニ氏はオホ
ヨモギ
にArtemisia montana PAMP. なる名称をつけたが,既にArtemisia montana SCHLECHTEND (1845-46)というものがあって,Index Kewensisに載っている.故にまぎらわしいので,新名を選び日本名をラテン語に訳し,上記の新学名を作った.本州では山地に北海道,千島,樺太では平地に分布する.ヒロハヒトツバ
ヨモギ
(Artemisia stolonifera KOM.).又の名をヒロハヤマ
ヨモギ
とも呼ぶ.パンパニ氏はAr. integrifolia L. の変種と考えるが,反対である.種であると思う.アムールより満州,朝鮮を経て九州,中国にまで及ぶ.テリハノギク(Aster lucens KITAMURA).琉球西表島の産,台湾のツルギバノギク(Aster taiwanensis KITAMURA)に近いものであるが,葉が特に幅廣く,且つ表面に光沢があるので別とする.丈は30-60糎,葉は9-12糎3.5-5.5糎幅,楕円形-倒卯形,先端鋭頭基脚へ次第に狭まり無柄,頭花は15-20粍幅,総苞は鉦形.
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