2021 年 77 巻 6 号 p. II_89-II_98
本研究では都市部の保全緑地を対象に植物画像の収集調査を行って,植物種の分類を効率的に行う手法として深層学習法による高精度な学習モデルの開発に取り組んだ.植物調査を3年間継続実施して植物画像データを拡充し学習モデルの改良を行った.また,画像単位の分類ではなく,俯瞰画像から植物の分布を求める手法の構築を行った.2020年春までに調査した103種の分類試験ではヨモギの正答率が前モデルより低下したため,葉画像と花画像での正答率の違いなど画像要素との相関関係を調べた.さらに,Explainable AI技術を用いて画像の判断部分の解析を行った.結果は2020年秋までに調査した121種の学習時正答率は98.3%であった.また,俯瞰画像をスーパーピクセル分割して得た画像を分類し,同一分類のスーパーピクセルを連結することで植物の分布を求めることが出来た.