牛由来の
Salmonella Dublinおよび
Salmonella Typhimuriumのorbifloxacin (OBFX), oxolinic acid (OA), kanamycin (KM), gentamicin (GM), oxytetracycline (OTC), ampicillin (ABPC), sulfamethoxazole (SMX), trimethoprim (TMP), fosfomycin (FOM) およびbicozamycin (BCM) に対する薬剤感受性を調べた. OBFXのMIC90 (供試菌株の90%の株の発育を阻止する最小発育阻止濃度) は
S. Dublinおよび
S. Typhimuriumではそれぞれ1.56および0.2μg/m
lであった. 供試薬剤の
in vitro抗菌力は
S. Typhimuriumに対してはOBFXが最も強力で,
S. Dublinに対してはOBFX, GMおよびTMPが強力であった. OBFXおよびFOMに対してはS.DublinおよびS. Typhimuriumのほとんどの株が感受性であった. 次に,
S. Dublinおよび
S. Typhimuriumの野外分離株を用いて作用機序の異なるOBFXとFOMとの併用効果を
in vitroチェッカーボード法により検討した.
S.Dublin 4株および
S. Typhimurium 1株の各菌株についてOBFXとFOMの濃度の組み合わせ6~8通りについて求めたfractional inhibitory concentration (FIC) indexはいずれも0.313~1.03の範囲内の値を示した. 2剤の濃度の組み合わせの34通りについて求められたFIC indexの88.2%は0~≦1.0の範囲内の値であり, 2剤が相乗あるいは相加作用を持つことを示唆していた. さらに, time-killing曲線による殺菌作用の検討では, OBFXとFOMの併用において
S.Dublin 2株に対して著明な殺菌作用を示し, 両剤のMIC濃度を同時に添加した後, 24時間で生菌は死滅し, 両剤の併用で効果の増強が認められた.
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