本研究では高等学校家庭科の献立作成の授業において, 高校生が作成した一汁三菜 (三菜) と一汁一菜 (一菜) の献立の特徴について, 食品群の取りいれ状況, 栄養価, 料理から明らかにすることを目的とする. 分析対象者は高校1年生118名であった. 得られた結果は次の通りであった.
(1) 一菜は豆・豆製品, 野菜, いも, 果物を三菜よりも献立に取り入れづらく, 三菜は魚介・肉を一菜よりも取り入れすぎることが明らかにされた. しかし, 三菜, 一菜ともに, 乳・乳製品, いも, 果物, 油脂, 砂糖は少なく, 卵や魚介・肉は多くなる傾向があった.
(2) 献立に食品群を全体的に取り入れることができた場合, 食品群評価, 栄養価評価ともに三菜と一菜には大きな差が認められなかった. 栄養価については, 三菜, 一菜ともに鉄や食物繊維, ビタミンB1, B2が非常に少なかった.
(3) 一菜は, 1つの献立内容に使用した食品数の平均値が三菜より高かった.
(4) 献立作成後の感想より, 一菜は品数が少ないため, 栄養バランスを整えることの難しさが多くあげられた.
以上より, 一菜の献立は, 三菜より少なくなる食品群が多いが, 留意点を考慮することで, 実生活に活かされる授業題材として献立作成に用いることができると考えられた.
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