I 加齢ラット(53週齢)において,
14C-L-DOPS(10mg/kg)経口投与後の血清中
14C濃度の推移,尿・糞中
14C排泄率および尿中代謝比率は7週齢ラットと差がなく,L-DOPSの体内動態に加齢の影響は認められなかった。
II 近位尿細管障害による急性腎不全のモデルとして知られている,HgC1
2を皮下投与(2mg/kg)したラットにおいて,
14C-L-DOPS(10mg/kg)投与時の体内動態を検討した.
1.腎障害ラットにおいて血清中
14C濃度は,投与直後から投与後8時間目まで徐々に上昇し,以後半減期16時間で低下した.腎障害ラットの血清中
14C濃度のAUCは,対照群の約10倍であった.
2.腎障害ラットにおいて投与後72時問目までに,投与した
14C量の70%が尿中に,10%が糞中に,15%が呼気中に排泄された.
3.腎障害ラットにおける全身オートラジオグラム上での
14C分布のパターンは,正常雄ラットと大差なかった.
4.腎障害ラットにおいて正常雄ラットと比較して,投与後72時間目までに尿中に排泄されたL-DOPSおよび主要な代謝体である3-OM-DOPSの比率が低下し,VAの抱合体の比率が上昇した.
III L-DOPAまたはL-DOPA/benserazideとともに,
14C-L-DOPSをラットに経口投与(10mg/kg)し,L-DOPSの体内動態について検討した.
1.血清中
14C濃度の推移,体内
14C分布および尿・糞・呼気中
14C排泄率に,併用による大きな影響は認められなかった.
2.L-DOPA併用による,L-DOPSの体内動態への影響は認められなかった.
3.L-DOPA/benserazide併用時では,benserazideを併用しない場合と比較して,血清中の未変化体濃度が上昇し,NEおよびHMPG濃度(いずれも抱合体を含む)が低下した.
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