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クエリ検索: "保存修復学"
856件中 1-20の結果を表示しています
  • 望月 有希子, 江前 敏晴
    日本印刷学会誌
    2015年 52 巻 1 号 069-077
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/15
    ジャーナル オープンアクセス
    Bakusho (airing) is a conventional method of preserving Chinese books and has been widely recognized as a method for removing humidity and pests. We hypothesized that there is another important purpose for this method: to volatilize organic acids that deteriorate the paper in books by surrounding the books with free airflow. This study investigated that possibility. First, the deacidification effect of bakusho was investigated. Bamboo paper, paper-mulberry paper, coated paper, and uncoated printing paper were subjected to moist heat treatment at 80°C and 65% RH for up to 16 weeks to accelerate aging. Lightness, tensile strength, folding endurance, and pH decreased most remarkably with bamboo paper that was moist heat-treated in an open state; however, it decreased less than equivalent paper treated in a sealed state, suggesting that exposure to air prevented paper deterioration. Next, after dry heat treatment at 105°C for 72 hours, a mock-up book made of bamboo paper was subjected to bakusho. Bakusho increased pH with exposure time. A shorter cycle of repeated heat treatment and bakusho maintained a higher pH. Bakusho performed in flowing air seemed more effective at recovering pH; the bamboo paper recovered pH earlier than when bakusho was performed in stationary air. However, bakusho treatment did not recover folding endurance that decreased during dry heat treatment.
  • 貴田 啓子, 岡 泰央, 稲葉 政満, 早川 典子
    マテリアルライフ学会誌
    2016年 28 巻 2 号 41-48
    発行日: 2016/05/24
    公開日: 2018/10/31
    ジャーナル フリー

    紙や絹を基底材とする絵画などにおいて,銅含有彩色材の緑青が使用されている文化財資料では,緑青により基底材の劣化が進行し,褐色に変色する「緑青焼け」と呼ばれる劣化現象が観察される.本研究では,室町時代制作の仏画であり,「緑青焼け」が顕著にみられる絹本絵画について,修理にあたり取り除かれた2層の旧裏打紙を分析の対象とし,セルロースの分子量分布に着目し,劣化の状態を調べた.紙のセルロース分子量については,2層の裏打紙ともに,「緑青焼け」の箇所において,無着色部分よりも分子量が低下していることがわかった.さらに,「緑青焼け」の影響がみられる裏打紙中において,無着色部分の裏打紙よりも銅Cuを多く検出した.顔料に由来するCuは,2層の裏打紙に移動し,これらが,裏打紙の分子量低下をも促進していることが示唆された.また,絹本絵画の水洗浄に用いた吸取紙においてもCuを検出したことから,Cu成分の一部が水溶性であることがわかった.

  • 早川 典子
    高分子
    2005年 54 巻 4 号 240-241
    発行日: 2005/04/01
    公開日: 2011/10/14
    解説誌・一般情報誌 フリー
  • 早川 典子
    化学と教育
    2017年 65 巻 10 号 492-493
    発行日: 2017/10/20
    公開日: 2018/04/01
    解説誌・一般情報誌 フリー

    文化財の保存修復と化学の関わりについて述べる。文化財科学という分野についての紹介と,その中での仕事の内容を通じて,高校時代における進路選択で念頭に置いておいてほしい視点について記載する。

  • 早川 典子
    化学と教育
    2007年 55 巻 2 号 60-63
    発行日: 2007/02/20
    公開日: 2017/06/30
    解説誌・一般情報誌 フリー
    文化財の修復では,古くから使われ,使用方法や使用後の変化について多くの経験が重ねられている材料が「伝統的な材料」として多くの場面で使用されている。このような材料は,勘や経験に基づいて安定して使用されているため,意外にもその化学組成が明確になっていない場合もある。中でも,古糊(ふるのり)と言われる糊は,甕に入れたデンプン糊を十年ほど保存して作られるもので,汎用性の高い他の糊とは異なり,書画の修復においてのみ用いられる特殊な材料である。この古糊の特徴について,近年明らかにできた化学的知見と,それをもとにした類似材料の調製について報告する。
  • 木川 りか
    情報の科学と技術
    2010年 60 巻 2 号 55-60
    発行日: 2010/02/01
    公開日: 2017/04/25
    ジャーナル フリー
    わが国では,2004年末に臭化メチルの使用が全廃されるまで,数十年間にわたって臭化メチルと酸化エチレンの混合ガスが図書館・文書館などでの書籍の殺虫・殺菌に使用されていた。しかし,そのような処理による青焼き文書などの異臭の問題や,酸化エチレンの発ガン性の問題などによって,書庫全体の大規模燻蒸という選択は現在では困難となってきている。一方,近年では資料保存の全般にわたり,Preventive conservation,予防的保存の考え方によって,さまざまな要因による資料の被害を事前に予測し,被害を未然に防ぐ方向へシフトしつつある。デジタルメディアの媒体の保存については他稿に譲り,本稿では,あくまでも「主に紙媒体の資料の生物被害の対策」という点に的を絞り,保存環境とIPM(総合的有害生物管理)について述べる。
  • 北野 信彦
    日本考古学
    2000年 7 巻 9 号 71-96
    発行日: 2000/05/15
    公開日: 2009/02/16
    ジャーナル フリー
    本稿では近世初頭~江戸時代にかけての近世期(17世紀初頭~19世紀中期)の出土漆器資料を題材として取り上げる。近年,江戸遺跡をはじめとする近世消費地遺跡の発掘調査では,漆器資料が大量に一括で出土することがある。出土漆器は,木胎・下地・漆塗膜面という異なる素材からなる脆弱な複合遺物であるため,個々の残存状況は土中の埋没環境によって大きく異なり,発掘調査時の検出・実測図作成等の遺物観察・保管管理・保存処理等の取り扱いにも苦慮する場合が多い。加えて漆器は,陶磁器類の古窯跡に対応するような生産地遺跡もほとんど検出されない。そのため,当該分野ではこれまで代表的な一部の資料の表面記載にとどまる場合が多かった。
    本稿では,これら漆器資料を生産技術面(材質・技法)から調査することを目的として,全国135遺跡,総点数16,578点の近世出土漆器資料(一部箱書き等により年代観がある程度確定される伝世の民具資料も含む)を用いて,(1)樹種,(2)木取り方法,(3)漆塗り技法,(4)色漆の使用顔料や蒔絵材料,の項目に分けた機器分析調査を網羅的におこなった。
    また文献史料や口承資料を用いて江戸時代の漆器生産技術の復元調査を並行しておこない,機器分析による出土漆器資料の材質・製法の分析結果を正当に評価できるような基礎資料を作成した。
    その結果,生産技術面から近世出土漆器を調査することは,個々の資料の品質を正当に評価して,渾然とした一括資料を組成別にグルーピングする上で有効な方法であることがわかった。また,これらは(1)トチノキ材やブナ材を用い,(2)炭粉下地に1~2層の簡易な塗り構造を施し,(3)赤色系漆にはベンガラ,(4)蒔絵材料には金を用いず銀・錫・石黄などを使用する,等の日常生活に極めて密着した量産型漆器が大半であることも確認された。その生産技術は,少なくとも4つの画期があり,北海道・東北・日本海側・大平洋および瀬戸内側に大分類される地域的特徴が同時に存在することがわかった。
    本稿では,以上の分析調査の結果をふまえて,生産技術面からみた近世漆器の生産・流通・消費の諸問題についても概観し,今後当該分野研究の基礎資料となるよう努めた。
  • 大島 任, 木下 潤一朗, 鈴木 信之, 木村 裕一, 松本 光吉
    昭和歯学会雑誌
    1998年 18 巻 4 号 360-365
    発行日: 1998/12/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    齲蝕象牙質を溶解すると報告されている齲蝕溶解剤CarisolvTMは, スウェーデンで開発され臨床応用が公認され実際に使用されている.今回, 我々はこのCarisolvTMの齲蝕象牙質除去能力を調べるため, 有機質溶解剤である次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)と比較し, 又, 更に無機質溶解剤であるRoot Canal Preparation Cream(RC-PrepTM)を併用した場合と比較する実験を行った.本研究では, 慢性齲蝕のある30本の新鮮ヒト抜去歯を用いた.CarisolvTMの使用法は, アミノ酸を主成分としたジェル溶液AとNaOClを主成分とした溶液Bを使用時に混合し, それを齲蝕象牙質に塗布し, 20-30秒後に付属の刃の付いていない専用のインスツルメントで除去するという操作を2回繰り返した.実験は2つの方法で行い, 実験1, 2とした.実験1ではNaOClとCarisolvTMの齲蝕溶解能力を比較する実験を行い, 実験2ではRC-PrepTMとCarisolvTMを交互に作用させ, RC-PrepTMを先に作用させる方法を(A), CarisolvTMを先に作用させる方法を(B)とした.齲蝕除去効果を2%アシッドレッドプロピレングリコール溶液を用いて実体顕微鏡と走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した.実験1では, CarisolvTMがNaOClと比較してかなり高い効率で齲蝕象牙質を除去することが認められた.実験2では, (A)と(B)では相違は認められなかったが, CarisolvTM単独の場合と比較するとRC-PrepTMを併用した場合の方が, 窩洞表面が滑沢になっており, 除去効果が高いことを示唆する結果が得られた.これらの結果より, Carisolvの齲蝕象牙質の除去効果については確認出来たが, 齲蝕象牙質を完全に除去出来たか否かについては確認出来なかった.
  • 木村 悟朗, 田中 和之, 齋木 淳, 小林 集, 佐々木 真, 遠山 千春, 芝 宏
    日本応用動物昆虫学会誌
    2025年 69 巻 2 号 65-68
    発行日: 2025/05/25
    公開日: 2025/05/24
    ジャーナル フリー

    This study evaluated the effectiveness of carbon dioxide fumigant against bed bug adults and eggs. The test was conducted in a room populated by bed bugs. Bed bugs placed in test containers were exposed for two weeks in a test chamber with a carbon dioxide concentration of approximately 70% and a room temperature of approximately 25°C. Furniture inhabited by bed bugs was also treated in this chamber. The results demonstrated a 100% mortality rate for bed bugs after this treatment. Dead bed bugs that had fallen from the furniture were also found inside the chamber.

  • 佐々木 良子, 佐々木 健
    マテリアルライフ学会誌
    2021年 33 巻 1 号 1-5
    発行日: 2021/02/28
    公開日: 2025/03/26
    ジャーナル フリー
  • 松田 泰典
    マテリアルライフ学会誌
    2002年 14 巻 1 号 1-11
    発行日: 2002/01/31
    公開日: 2011/04/19
    ジャーナル フリー
  • 成瀬 正和
    化学と教育
    2007年 55 巻 2 号 68-71
    発行日: 2007/02/20
    公開日: 2017/06/30
    解説誌・一般情報誌 フリー
    正倉院宝物の保存のため,用いられた素材についてX線分析などによる調査が進められているが,無機顔料についても,これまで約150点の宝物から20種近い顔料が認された。これに伴い,わが国では奈良時代に独自の鉛系白色顔料が製造されていたことや,炭酸カルシウム顔料の原料に貝殻が用いられていることなど,素材の歴史から見て興味ある事実も明らかになっている。
  • 山口 孝子, 龍頭 克典, 柴 史之, 大川 祐輔
    日本写真学会誌
    2005年 68 巻 Suppliment1 号 86-87
    発行日: 2005年
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    There is a report from the research that the aged deteriorated paper would generate organic acids. Photographic enclosure that is made of paper, and an experiment was conducted to confirm the possibility of influence on photographic image in accordance with deterioration of the enclosure for long preservation and to specify the type and amount of the organic acid generated from accelerated aging of enclosure. The organic acid detected by the experiment was extremely small amount (several ppm), and a significant increase in organic acid due to the deterioration of paper could not be identified. At least the organic acid generated from the enclosure would not be the main factor for deterioration of the photographic image.
  • 荒木 臣紀
    精密工学会誌
    2020年 86 巻 5 号 323-327
    発行日: 2020/05/05
    公開日: 2020/05/05
    ジャーナル フリー
  • 田上 順次
    高分子
    2007年 56 巻 9 号 765
    発行日: 2007/09/01
    公開日: 2011/10/14
    解説誌・一般情報誌 フリー
  • 犬塚 将英, 滝下 俊彦, 小林 秀樹, 高妻 洋成, 杉岡 奈穂子, 福永 香, 建石 徹
    映像情報メディア学会誌
    2017年 71 巻 3 号 235-239
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/04/18
    ジャーナル フリー
  • 早川 典子
    オレオサイエンス
    2018年 18 巻 10 号 483-489
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/09/02
    ジャーナル フリー

    伝統的な日本の絵画は,絹や紙などを基底材とし,顔料が表面を覆われずに膠で接着されているなど,脆弱な材料で構成されている。従来の修理技術者はこれらを経験と勘を元に選択した伝統的な材料と手法で処置してきている。本報告では,伝統的接着剤の一つで,可逆性のある接着剤の特性解析について最初に報告する。「古糊」と呼ばれ,それぞれの修理工房で10年程度保存することで調製されるこの接着剤は,高い柔軟性や再剥離性,カビが生えにくいなどの特徴的な性質を持っている。近年の研究では,この化学的性質と生成機構について明らかにし,この結果に基づいて古糊様多糖の調製に成功した。一方,第二次大戦後にポリビニルアルコールやアクリル樹脂などの合成樹脂が剥落止め材料として日本絵画の修復に広く使用されていた。これらのうちいくつかの事例において,PVAが劣化し,絵画上から除去不可能な状態に変質している場合がある。本報告では,PVA分解酵素を使用することで,劣化したPVAの除去が可能になったことについても報告する。このように,この分野における科学的なアプローチは伝統的な手法だけでなく近年の事例も含めて遂行され,絵画の修復に役立てられている。

  • 柴谷 貴子, 畠中 能子, 花谷 早希子, 中山 真理, 大岡 知子, 濱元 一美, 細見 環
    日本歯科保存学雑誌
    2009年 52 巻 3 号 264-271
    発行日: 2009/06/30
    公開日: 2018/03/30
    ジャーナル フリー
    アマルガム修復は,19世紀末以来比較的信頼できる修復法として主として臼歯咬合面に適用されてきた.しかし,水銀による環境汚染への懸念と生体への影響の懸念から,アマルガムの使用は減少していった.アマルガムの代替材料として,審美性・歯質への接着等の長所を有する臼歯用コンポジットレジンが開発され,コンポジットレジン修復の頻度が高くなってきているのは,臨床上実感するところである.そこで,アマルガム修復から臼歯用コンポジットレジン修復への置換の推移と現況を知るために,1997年から2006年までのK女子短期大学歯科衛生学科新入生1,159名における歯科検診結果から,智歯を除く臼歯咬合面におけるコンポジットレジン修復率とアマルガム修復率の経年的変化を調べた.その結果,臼歯咬合面におけるコンポジットレジン修復率とアマルガム修復率は,1997年からの3年間はほぼ同率であり,1997年にはすでに臼歯のコンポジットレジン修復率はアマルガム修復率と同じレベルであることがわかった.しかし,2002年以降コンポジットレジン修復率は経年的に増加し,アマルガム修復率は経年的に減少して,2006年ではコンポジットレジン修復率はアマルガム修復率の約14倍になった.つまり,1990年以降に修復したと推定される臼歯咬合面では,コンポジットレジン修復がアマルガム修復より多いことが明らかになった.さらに,臼歯咬合面を,大臼歯・小臼歯・上顎臼歯・下顎臼歯に分割した場合のそれぞれのコンポジットレジン修復率とアマルガム修復率を比較検討した結果,大臼歯・上顎臼歯・下顎臼歯におけるコンポジットレジン修復率とアマルガム修復率の1997年から2006年の経年的変化は,臼歯全体と同様の傾向を示した.しかし,小臼歯のコンポジットレジン修復率は10年間で変化はなく,臼歯咬合面のコンポジットレジン修復率の増加は,大臼歯のコンポジットレジン修復率の増加を反映していることが示唆された.
  • 齊藤 昌子
    繊維学会誌
    1999年 55 巻 7 号 P222-P225
    発行日: 1999/07/10
    公開日: 2008/11/28
    ジャーナル フリー
  • 増田 竜司
    日本写真学会誌
    2014年 77 巻 1 号 6-9
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/02/26
    ジャーナル フリー
    博物館等では,資料の保存や展示場所の空気質を適切に保つため,ケミカルフィルタを用いて環境管理を行っている.一方,三酢酸セルロースフィルムは劣化の進行に伴い酢酸を放散して自己分解することが知られている.本報では,博物館での管理手法をもとに,フィルム保存のためのケミカル対策について提案する.
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