少子高齢化や医師の都市部偏在, 地域医療の崩壊などの保健医療状況の変化に伴い, 社会での健康格差が顕在化しており, 新しい時代の保健医療人材には, 「健康の社会的決定要因 (SDH) 」を理解することが求められている. 三重大学医学部では, 大学の特色ある教育として取り組んできたアジア・アフリカ諸国での「海外臨床実習」と三重県下全域で実施する「地域基盤型保健医療教育実習」, これら二つの要素を取り込んだ講義「国際保健と地域医療」において, "SDHの理解" を学修の到達目標としている. 国際保健と地域医療には, 多くの共通点があり, 相互の学修課題を学ぶことからSDHの理解を深めることができると考えている. 本稿では, 三重大学医学部でのこれらの授業の取り組みを紹介する.
抄録全体を表示