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クエリ検索: "和泉大輔"
28件中 1-20の結果を表示しています
  • 小村 悟, 池主 雅臣, 佐藤 光希, 岡田 槙輔, 和泉 大輔, 岡村 和気, 山下 文男, 田辺 靖貴, 古嶋 博司, 相澤 義房
    心臓
    2006年 38 巻 Supplement3 号 91
    発行日: 2006/08/30
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    症例は76歳,女性.1995年,陳旧性心筋梗塞後(左室駆出率:23%)の心室頻拍(VT)に対して植込み型除細動器(ICD)治療を行った.その後,数年に1回の適切作動を認めたが,不適切作動は認めていなかった.2004年,自転車運転中にICDが作動し,降りたところで意識消失した.救急隊到着時,呼吸停止,モニター上心室細動(VF)を認め体外除細動後に搬送された.ICD記録では,洞性頻脈(心拍数:141/分)に対して抗頻拍ペーシング(治療(1))ショック通電(治療(2),(3))が行われ,その後の治療(4)のショックがVT(心拍数195/分)を誘発した.治療(5)のショック通電でVTはいったん停止したが,継続する洞性頻脈に治療(6)のショック通電が行われ,再度VTが誘発されて以後VFに移行した.ICD治療例では経過中の同頻拍レートの上昇が致死的なICD不適切作動を生じる危険があり注意を要する.
  • 飯嶋 賢一, 池主 雅臣, 長谷川 奏恵, 八木原 伸江, 佐藤 光希, 和泉 大輔, 渡部 裕, 古嶋 博司, 相澤 義房
    心臓
    2011年 43 巻 SUPPL.2 号 S2_197
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/12/05
    ジャーナル フリー
    症例: 49歳, 男性. 嘔気を主訴に救急外来受診中に心室細動(VF)をきたした. 心電図では下壁·側壁誘導にJ波を認めたがST-T部分に異常は見られず, 心エコーも正常であった. 入院後も繰り返しVFを生じ, 除細動通電不応性に陥った. 静脈麻酔下に人工呼吸管理としたがVFは抑制されなかった. β遮断薬(ランジオロール)は無効であったが, イソプロテレノール静注でJ波の減高とともにVFが抑制され, J波関連特発性VFと考えた. 回復後のコントロール状態のプログラム刺激でVFが誘発されたが, キニジン内服後は, 側壁誘導のJ波が減高して有効不応期が20ms延長し, VFも誘発されなくなった. 植込み型除細動器(ICD)の除細動試験で誘発されたVFは, コントロール(閾値25J, 周波数6.8Hz), イソプロテレノール点滴中(10J, 6.4Hz), キニジン内服中(10J, 5.2Hz)であった.
  • 勝海 悟郎, 池主 雅臣, 飯嶋 賢一, 佐藤 光希, 和泉 大輔, 渡部 裕, 古嶋 博司, 南野 徹
    心臓
    2013年 45 巻 SUPPL.2 号 S2_19
    発行日: 2013年
    公開日: 2015/01/08
    ジャーナル フリー
     流出路起源の 2種類の心室期外収縮 (PVC-1・2, LBBB型+下方型, 連結期440.480ms) を契機に発症する多形性心室頻拍 (p-NSVT) で紹介された60歳, 男性. 失神の既往があったが, 器質的心疾患はみられなかった. Ⅰ誘導の極性はPVC-1が陰性, PVC-2は陽性であった. p-NSVT開始様式には同波形のPVCが連発するものと, 2種類のPVCが交互に生じるものが含まれていた. 心内膜マッピングで低電位領域はみられなかったが, 心室早期刺激で心室細動が誘発された. PVC-1の心内膜最早期興奮部位 (EAS : .30ms) は大動脈弁直下の左室流出路前壁であった. 冠静脈洞内のEAS (.35ms) は心内膜EASの対側で, 同部のpace mappingはVPC-1に一致したが冠動脈・冠静脈の損傷を考慮して通電は行わなかった. 心内膜EASに対して通電 (30.40W) を行うとPVC-2の消失とともに, PVC-1の著減と連結期延長 (500ms) がみられた. その後, 失神の再発・ICD作動は認めていない. 本例はLV summit領域からのp-NSVTで, 2種類のPVCはともに不整脈基盤に関与していたことが示唆された.
  • 飯嶋 賢一, 池主 雅臣, 有田 匡孝, 長谷川 奏恵, 園田 桂子, 八木原 伸江, 佐藤 光希, 和泉 大輔, 渡部 裕, 古嶋 博司, 相澤 義房
    心臓
    2012年 44 巻 SUPPL.3 号 S3_55
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/25
    ジャーナル フリー
    62歳,男性.narrow QRS頻拍の治療目的に入院.臨床的頻拍は通常型房室結節リエントリー性頻拍(AVNRT)で遅伝導路の焼灼により消失したが,その後の心房期外刺激で新たなlong RP’頻拍が再現性を持って誘発された.誘発時にjump up現象は伴わず,期外刺激の連結期と刺激後のreturn cycleは逆相関を示し頻拍機序としてリエントリーが疑われた.同頻拍は右室期外刺激でも室房伝導を介してVAAVパターンにより誘発されたが,頻拍中の右室単発刺激ではリセット現象は見られなかった.この頻拍はATP 3mg静注でAH間隔は不変のままAA間隔が徐々に延長した後停止した.心房最早期興奮部位は冠静脈洞入口部近傍であったが,通電による頻拍停止を繰り返しながら,徐々に冠静脈洞遠位へ移動した.最終的に入口部から約2cm遠位のfragmentationを伴う電位(-40ms)への通電で頻拍は停止し,以後誘発不能となった.AVNRTとアデノシン感受性左心房頻拍が合併した稀な例と考え報告する.
  • 和泉 大輔, 池主 雅臣, 飯嶋 賢一, 古嶋 博司, 佐藤 光希, 渡部 裕, 八木原 伸江, 長谷川 奏恵, 鈴木 友泰, 相澤 義房
    心臓
    2011年 43 巻 SUPPL.3 号 S3_205
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/12/05
    ジャーナル フリー
    ファロー四徴症根治術後に2種類の心室頻拍(VT)が生じた症例. 根治手術は肺動脈弁輪周囲をパッチ(non-transannular patch)で拡張し, 心室中隔欠損症にパッチ縫合が行われていた. VT1は右脚ブロック型(心拍数180bpm), VT2は左脚ブロック型(心拍数180bpm)であった. Substrate mappingでは右室流出路と心室中隔に広範な低電位領域がみられた. VT1のマッピングでは2つの興奮波が8の字様に旋回しており, 1つは三尖弁と心室中隔パッチの間を伝導狭部として三尖弁周囲を旋回し, もう1つは右室流出路のパッチ周囲を旋回していた. 各々の伝導狭部からエントレイメントペーシングを行うとPPI(post pacing interval)はVT周期に一致した. さらにVT2は同様のリエントリー回路を興奮が逆旋回することによって生じた波形と考えられた. 心室中隔の狭部への高周波通電でVT1が停止し, その後はいずれのVTも誘発されなくなった. 2つの興奮波が8の字様に旋回するファロー四徴症根治術後のマクロリエントリーVTは稀と考え報告する.
  • 佐藤 光希, 園田 桂子, 飯嶋 賢一, 八木原 伸江, 和泉 大輔, 渡部 裕, 古嶋 博司, 南野 徹, 阿部 晃, 池主 雅臣
    心臓
    2013年 45 巻 SUPPL.3 号 S3_135
    発行日: 2013年
    公開日: 2015/01/09
    ジャーナル フリー
     症例は失神が主訴の57歳の女性. 心電図上QT/QTc間隔は正常で (410/430ms) , 頻発する左脚ブロック型・下方軸の心室期外収縮 (PVC) を認めた. 各種画像検査で器質的心疾患は認めなかった. ホルター心電図で, 総心拍数の25%を占める単形性PVCと同PVCをトリガーとする非持続性多形性心室頻拍 (PVT) を認めた (この時のQTcは400 ms) . しかし, 心臓電気生理検査時にはPVCは稀発で, プログラム刺激では心室性不整脈は誘発されなかった. 右室流出路 (RVOT) の前壁中隔で良好なペースマッピングが得られ計 5回の高周波通電を施行した. その後, RVOT起源のPVCおよびPVTは認めなくなった. 母親が後天性QT延長症候群による心室細動の既往を持つことより, 本例にエピネフリン負荷試験を施行した. T波は低電位の二相性に変化しQTcは655msに延長した. 遺伝子検査で KCNH2に点変異が検出され, 潜在性type2-QT延長症候群と診断した. RVOT起源のPVCとPVTを合併する潜在性QT延長症候群は非常に稀であり, 病態機序の考察を加えて報告する.
  • 加藤 勲, 岩 亨, 鈴木 靖司, 伊藤 良隆, 伊藤 隆之
    心臓
    2011年 43 巻 SUPPL.2 号 S2_27-S2_32
    発行日: 2011年
    公開日: 2012/12/05
    ジャーナル フリー
    症例は, 83歳, 男性. 身長160cm体重48kg. 2010年4月19日両白内障, 両緑内障で当院眼科病棟入院.
    病歴: 2007年5月に発作性心房細動があり, その後, 近医よりピルジカイニド150mg/日処方. また便秘のため酸化マグネシウム900mg/日も処方されている. 入院時の心電図は正常であった. 4月23日ふらつきしゃがみこんでいるのを同室者が発見. 心電図は心室内伝導障害~促進心室固有調律であった. ピルジカイニドによる影響と考えwashoutを開始した. 心電図はV1, 2の著明なブルガダ型ST上昇とT波の交互脈を認め, 後日正常化した. その際の採血はK 4.5, BUN 19.8, Cre 1.25, CK 66, トロポニンT 0.1未満, Mg 2.7mg/dL, ピルジカイニド血中濃度3.34µgであった. ピルジカイニド血中濃度の上昇が薬剤性ブルガダ症候群様の変化をきたしたと考えられた.
  • 佐藤 光希, 渡部 裕, 池主 雅臣, 和泉 大輔, 小澤 拓也, 伊藤 英一, 田辺 恭彦, 相澤 義房, 南野 徹
    心電図
    2014年 34 巻 2 号 118-126
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/07/27
    ジャーナル フリー
    近年,心室細動(VF)に関連する疾患として,J波症候群という新しい疾患群が提唱された.虚血性心疾患においてもJ波の存在やその変化は,心筋虚血とVF発生との関係を解析するうえで非常に重要である.われわれは,心筋虚血による超急性期のJ波の変化とVF発生の関係を明らかにするため,冠攣縮誘発試験施行例のうち虚血が誘発された67例において,J波とVF発生の関係を検討した.その結果,67例中14例において安静時心電図にJ波が存在していた.冠攣縮誘発による虚血に伴って,安静時心電図のJ波は14例中7例で増悪を示し,そのうち4例でVFに至った.一方で,安静時心電図でJ波が見られなかった53例のうち,4例で虚血に伴って新たなJ波が出現したが,VFは生じなかった.J波に変化がみられなかった49例のうち1例でのみ,VFを生じた.冠攣縮誘発試験前のJ波の存在は,冠攣縮誘発時のVF発生に関係した(OR 20.8,p=0.006).また,冠攣縮誘発時のJ波の増悪・出現もVF発生に関与した(OR 31.4,p=0.002).このことから,J波は冠攣縮誘発時の心筋虚血の超急性期において,VFに関係していることが示された.心筋虚血の超急性期におけるJ波を含めた特異な心電図変化を解析することは,虚血性VFや虚血性心疾患の突然死のリスク階層化にも有用と考えられる.さらに研究を進めていくことで,虚血性VFの機序や病態が解明し,治療に貢献していくことが期待される.
  • 岡嶋 克則, 嶋根 章, 水谷 和郎, 吉田 雅美, 今村 公威, 林 孝俊, 谷口 泰代, 山田 慎一郎, 岩田 幸代, 松本 賢亮, 月城 泰栄, 熊田 全裕, 銕 佑介, 漁 恵子, 井上 琢海, 上月 周, 田代 雅裕, 梶谷 定志
    心電図
    2009年 29 巻 1 号 70-77
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/12/28
    ジャーナル フリー
    器質的心疾患に伴う中隔起源心室頻拍(VT)を有する2症例について検討した.【症例1】56歳男性.2003年9月に冠動脈バイパス術,左室形成術を施行.2006年11月に持続性VTを繰り返した.左室substrate mapでは左室形成縫合部の中隔側は広範に低電位だった.VT中に記録された左室中隔の拡張期電位(DP:0.09mV)での通電は無効で,対側の右室中隔で大きなDP(0.37mV)を認め,通電によりVTは停止した.【症例2】71歳男性.拡張相肥大型心筋症で加療中,2007年2月に持続性VTで入院.臨床的VTは中隔が最早期で,左室中隔のDP(0.06mV)での通電は無効.右室中隔のDP(0.51mV)での通電によりVTは停止した.以上より,虚血性,非虚血性心筋症における中隔起源VTでは左室側で小さなDP(<0.1mV)しか記録できないが,右室側で大きなDPが記録できる例があるため,両室マッピングが重要と考えられる.
  • 相澤 義房
    心電図
    2015年 35 巻 2 号 156-160
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/03/25
    ジャーナル フリー
  • 長谷川 祐紀, 和泉 大輔, 大槻 総, 飯嶋 賢一, 八木原 伸江, 佐藤 光希, 池主 雅臣, 南野 徹
    心臓
    2016年 48 巻 SUPPL.2 号 S2_179-S2_186
    発行日: 2016/12/30
    公開日: 2018/08/15
    ジャーナル フリー

    CRT-D植込み後,左室リード断線による心不全悪化をきたし,冠静脈狭窄のため異なる部位への再留置を余儀なくされた3症例を経験した.3例とも左室リードは単純牽引で用手的抜去可能であった.

    症例1:68歳女性.拡張型心筋症(DCM,EF=37%,QRS=132ms,NYHAⅢ),徐脈性心房細動,心室頻拍のためCRT-Dを植込み,NYHAⅡに改善した.植込み8年2月後に左室リード断線をきたした.後側壁側から側壁側への再留置となり,その後初回留置後より利尿剤の減量が可能となった.

    症例2:71歳男性.DCM(EF=32%,QRS=180ms,NYHAⅢ)のためCRT-Dを植込み,NYHAⅡに改善した.2年3か月後に左室リード断線をきたした.心室刺激閾値高値や横隔神経捕捉のため目標領域への留置が困難であり,中心静脈経由で後側壁側に再留置したが,心不全は改善せず術後54日目に死亡した.

    症例3:57歳女性.DCM(EF=17%,QRS=190ms,NYHAⅢ)のためCRT-Dを植込みNYHAⅡに改善した.4年7か月後に左室リード断線をきたした.前側壁側から前壁側への再留置となり,その後心不全が悪化した(NYHAⅢ).

    結語:左室リードの再留置時には,同部位への留置が困難となる可能性,他部位への留置によりCRTの効果が異なる可能性を考慮する必要がある.

  • 真田 明子, 池主 雅臣, 渡邉 達, 飯嶋 賢一, 八木原 伸江, 和泉 大輔, 渡部 裕, 保坂 幸男, 古嶋 博司, 相澤 義房
    心臓
    2010年 42 巻 SUPPL.2 号 S2_95-S2_99
    発行日: 2010年
    公開日: 2012/08/21
    ジャーナル フリー
    症例は72歳, 女性. 失神の既往, 突然死の家族歴はない. レクリエーションダンス中に心室細動(VF)をきたし, 自動体外式除細動器(AED)により停止し, 当院に緊急搬送された. 来院時検査では電解質を含め明らかな異常所見は認めず, 心電図は洞調律, QTc 450msであった. 運動負荷試験ではQT延長(QTc 442ms→453ms)はなかったが, 非持続性多形性心室頻拍(poly VT)が出現した. 心臓カテーテル検査では左室壁運動は正常で, 冠動脈造影では優位狭窄を認めなかった. 冠攣縮除外のためアセチルコリン(Ach)を左冠動脈内に100µg注入したところ, 冠攣縮は認めなかったがQTcが511msと延長しpoly VTが出現した. エピネフリン負荷試験でもQTcが630msと著明に延長し, poly VTも認められた. QT延長症候群と診断し, 心停止に対し植込み型除細動器(ICD)の植え込みとβ遮断薬を投与した.
    QT延長が明らかではなく, 失神歴や家族歴のない場合でもQT延長症候群が運動負荷や薬剤負荷により顕在化する例があり注意を要すると考えられた.
  • 南場 一美, 柏村 健, 大野 由香子, 藤木 伸也, 渡邊 達, 林 由香, 田中 孔明, 小幡 裕明, 佐藤 光希, 和泉 大輔, 塙 晴雄, 南野 徹
    心臓
    2017年 49 巻 4 号 405-410
    発行日: 2017/04/15
    公開日: 2018/04/17
    ジャーナル フリー

     症例は26歳女性.7歳時に先天性ミオパチーと診断された.5年前より心拍数40/分台の洞徐脈を指摘されていた.入院5カ月前より心不全症状,前失神症状が出現し,ペースメーカ植込みが施行された.その際LVDd/Ds=5.4/3.7 cm,EF=58%と心機能は保たれていたが,3カ月後にはLVDd/Ds=5.3/4.1 cm,EF=36%と急激に心機能は悪化し,心不全も徐々に増悪した.遺伝子検査にてLMNA遺伝子変異を認め,ラミン関連心筋症と診断した.また,幼児期より緩徐進行性の筋力低下や関節拘縮を呈し,心伝導障害・心筋症の出現とLMNA遺伝子異常を認め,既存のミオパチーをEmery-Dreifuss型筋ジストロフィと診断した.2カ月後には安静時呼吸苦が出現し,救急搬送された.LVDd/Ds=4.9/4.2 cm,EF=28%と心機能はさらに悪化を認めた.ドブタミン併用下に,静注利尿薬,トルバプタン,ミルリノンを使用し,CRT-Dへのupgradeを施行し,徐々に心不全症状は改善した.カルベジロールを10 mgまで漸増したが,低心拍出による全身倦怠感,腎機能増悪が出現し,静注強心薬からの離脱に難渋した.経口強心薬を併用しつつ,静注強心薬から離脱し,入院6カ月後に退院した.Emery-Dreifuss型筋ジストロフィに合併し,急激な心機能低下を認めたラミン関連心筋症の1例を経験したので報告する.

  • 真田 明子, 池主 雅臣, 田邊 繁世, 小村 悟, 飯嶋 賢一, 岡田 慎輔, 和泉 大輔, 田辺 靖貴, 古嶋 博司, 相澤 義房
    心臓
    2007年 39 巻 Supplement3 号 129-133
    発行日: 2007/08/30
    公開日: 2013/05/24
    ジャーナル フリー
    61歳,女性.失神歴・家族歴なし.2006年5月意識消失発作にて発症し,発作時に多形性心室頻拍(TdP)・心室細動(VF)を認めた.胸部誘導で著明なQT延長を伴う巨大陰性T波と,冠動脈造影に有意狭窄は認めないが,左室造影上特徴的な壁運動異常を示しておりたこつぼ型心筋症と診断された.その後,左室壁運動異常,陰性T波,QT間隔は徐々に改善したが,7月24日,再びストレス下にTdP/VFをきたした.同日に行われた電気生理学検査(EPS)ではVFは誘発されなかった.植込み型除細動器(ICD)植え込みを行い,その後作動は認めていない.
    たこつぼ型心筋症は約9%にVT/VFが発症すると報告されているが,いずれも急性期に発症するものであり,また,多くの症例で巨大陰性T波を認め,QT延長を認めるものの,TdPのような重篤な不整脈の合併を報告した例は少ない.本症例のように壁運動の改善が認められた回復期にもTdP/VFを合併した報告例はなく,重要であると考えられた.
  • 長谷川 祐紀, 坂口 裕太, 大槻 総, 飯嶋 賢一, 八木原 伸江, 佐藤 光希, 和泉 大輔, 池主 雅臣, 南野 徹
    心臓
    2017年 49 巻 SUPPL.1 号 S1_43-S1_49
    発行日: 2017/08/28
    公開日: 2018/08/28
    ジャーナル フリー

    27歳時に片側睾丸摘出の既往がある61歳男性.母親とその姉妹2人が20歳頃に突然死している.失神や多形性心室頻拍(TdP)の既往はなかったが,50歳頃より検診でQT延長を指摘されていた.今回,運転中に初めて失神し搬送された.この際,著明なQT延長(QTc=666ms)とTdP頻発を認めた.器質的心疾患は認めず,家族歴から先天性QT延長症候群と考えられたが,本例では60歳代での心原性失神の初発であった.検診心電図では,QT延長は段階的に顕性化していた.

    本例では数日前からエフェドリン含む感冒薬の内服歴がありTdP発症の要因となったと考えられた.さらに本例では明らかなテストステロン低値を認めており,QT延長症候群の高齢での顕性化に寄与したと考えられた.

    QT延長例や潜在的素因を持つ例に内分泌的異常や薬剤など幅広い修飾因子が加わることで,高齢で初回発作をきたす例があり注意を要する.

  • 高山 亜美, 池主 雅臣, 有田 匡孝, 園田 桂子, 飯嶋 賢一, 佐藤 光希, 柏村 健, 和泉 大輔, 渡部 裕, 古嶋 博司, 小玉 誠, 相澤 義房
    心臓
    2012年 44 巻 SUPPL.2 号 S2_87-S2_91
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/09/18
    ジャーナル フリー
    症例はエルゴノビン負荷試験にて冠攣縮性狭心症(VSA)と診断された72歳,男性.カルシウム拮抗薬と硝酸薬の内服治療を受けていた.内服治療開始から20年後,夜間に突然の心肺停止をきたした.救急隊により自動体外式除細動器(AED)治療が試みられたが作動が保留され,記録では無脈性電気活動(PEA)を認めた.救急外来に搬送され心肺蘇生にて心拍は再開した.入院後,再び徐脈性心房細動からPEAとなった.心肺蘇生後の12誘導心電図ではII,III,aVF誘導にてST上昇を認めたが,冠動脈造影では狭窄はなく,薬剤抵抗性冠攣縮性狭心症(VSA)としてカルシウム拮抗薬を増量し,本人・家族の同意のうえで植込み型除細動器(ICD)による治療を行った.心室細動ではなくPEAをきたすVSAは稀であり,ICD治療についての議論も含めて貴重な症例と思われ,若干の考察を加え報告する.
  • 鷲塚 隆, 池主 雅臣, 広野 崇, 杉浦 広隆, 小村 悟, 渡部 裕, 保坂 幸男, 太刀川 仁, 田邊 靖貴, 古嶋 博司, 藤田 聡, 岡村 和気, 和泉 大輔, 小玉 誠, 相澤 義房
    心電図
    2005年 25 巻 1 号 87-93
    発行日: 2005/01/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    【背景】拡張相肥大型心筋症 (DHCM) に伴う持続性心室頻拍 (VT) 例の臨床象について検討を行い報告する.【対象】DHCMに伴う持続性心室性不整脈例5例 (平均年齢60±9歳, 男性5例) .DHCMの定義はHCMから進行性に左室駆出率50%未満に低下した症例とした.【結果】左室拡張終期径 (6.1±0.7cm) は拡大し, 左室駆出率は0.36±0.09と低下していた, 安静時心電図上の胸部誘導V50rV6での最大R波高は1.1±0.4mVと減高していた, いずれの症例もDHCMに移行後初めて持続性VTが記録された.臨床的には5例とも単形性持続性VTであり, 計7波形が認められたが, 心臓電気生理検査 (EPS) では3例で誘発されず, 誘発された2例では多形性VTが誘発された, 全例で植込み型除細動器 (ICD) 植込みを行い, うち3例では経過中, 単形性心室頻拍に対してICD作動を認めた.【結語】VTは, 拡張相に移行後初めて出現し, 全例単形性VT例であった.しかし, EPSでの評価が困難であることは通常のHCM例と類似し, 二次予防にはICD治療が第一選択と考えられた.
  • 麻喜 幹博, 田中 博之, 森 大, 笹川 佳苗, 斉藤 千紘, 三ツ橋 佑哉, 蟹沢 充, 永田 健一郎, 小暮 智仁, 磯貝 俊明, 二川 圭介, 上田 哲郎
    心臓
    2013年 45 巻 5 号 568-574
    発行日: 2013年
    公開日: 2014/09/14
    ジャーナル フリー
     症例は, 24歳, 男性. 入院4日前から39°C台の発熱を自覚し, 次第に咳嗽と胸痛および呼吸困難の増悪を認め当院救急外来受診した. 低血圧と著明な低酸素血症を認め, 心電図上広範囲の誘導でのST上昇と胸部X線で両肺のうっ血所見を認めた. 心臓超音波検査で左室駆出率 (ejection fraction ; EF) 20%とび漫性左室壁運動低下が認められ, 入院当日施行した冠動脈造影で冠動脈に有意狭窄はなく, 経過より心原性ショックを併発した劇症型心筋炎と診断した. 大動脈内バルーンパンピング (intraaortic balloon pumping ; IABP) 挿入下でのスワン・ガンツカテーテルデータでもForrester IV型 (心係数1.8L/分/m2, 肺動脈楔入圧23mmHg) であったため, 経皮的心肺補助装置 (percutaneous cardiopulmonary support ; PCPS) を導入し人工呼吸管理を開始した. 第1~2病日に大量γグロブリン療法 (献血グロベニンI® 2g/kg/48時間) を行い, 補助循環管理における出血傾向や感染症などの合併症に対して対症的に管理した. 第6病日より心機能の回復 (心係数3.5L/分/m2以上) を認め, PCPSを離脱した. その後IAPBも離脱でき, 第9病日には人工呼吸管理からも離脱し一般病棟へ転床となった. 第13病日に左室造影と心筋生検を施行した. EFは46%に回復しており, 心筋生検では心筋細胞にリンパ球浸潤と心筋細胞の変性・消失を認め, ウイルス性心筋炎に矛盾しない所見であった. 後遺症なく第18病日に独歩退院した. 致死的疾患である劇症型心筋炎に対して早期に体外補助循環装置を導入し, 大量γグロブリン療法を行ったことが早期の生存退院と心機能の回復に寄与したと考えられた.
  • 池主 雅臣, 和泉 大輔, 古嶋 博司, 相澤 義房
    心電図
    2007年 27 巻 1 号 53-60
    発行日: 2007/01/25
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    心室性不整脈に対するベプリジルの薬効を臨床例と実験モデルで検討した, 【臨床例の検討】複数の抗不整脈薬に難治性の持続性心室頻拍例に対するベプリジルの効果を検討した.対象は器質的心疾患に伴う持続性心室頻拍の16症例 (57±13歳, LVEF=40±16%) で, ベプリジルの内服量は156±40mg/日であった.以下に主な結果を示す. (1) ベプリジル内服後に, QT (QTc) 間隔は延長したがQRS幅に有意な変化はみられなかった. (2) ベプリジル治療後に6例で心室頻拍が抑制され, 発作回数の減少が3例で認められた.全体での有効率は56%であった.ベプリジル使用に関連した有害事象はみられなかった. (3) ベプリジルが有効であった症例は無効であった症例に比べて, NYHA心機能分類が良好で, 心室頻拍の波形が少なく, QT間隔の延長程度が大きかった.電気生理検査による薬効判定の結果はべプリジルの臨床的有用性と相関した, 【実験モデルでの検討】ベプリジルは徐脈依存性に心室再分極時間を延長したが, 心室貫壁性の不応期分布の不均一性の増大は軽度であった.ベプリジルは交感神経刺激によって誘発される心室性不整脈に対して抑制効果を示した.
  • 一般演題抄録
    心電図
    2005年 25 巻 5 号 385-440
    発行日: 2005/09/08
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
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