2021年春から実施されている新学習指導要領では科学的な探究の過程について,自然現象に対する気付き,課題の設定,仮説の設定,検証計画の立案を経てやっと実験に至ると示されている。しかし,従前,多くの高校の生徒実験では生徒がいきなり実験室に入って指示されるがままに手を動かすことが多く,その準備を十分に行わせていることが少なかった。そこで,今回は探究の事始めにおいて,既存の実験に下調べについての適当な誘導を加えることで,実験の目的を焦点化した事例を報告し,その設計方針を提案する。
今春から実施される学習指導要領では実験の授業の扱い方について非常にたくさんの示唆がなされている。しかし,この4年間,学校現場では次々と課題が湧き,腰を据えて新しい学習指導要領の準備をできた現場は少ないのではないだろうか。そこで,本稿では(恐れ多くも)カリキュラム整理術と題して,新しい学習指導要領の掲げるカリキュラムに迫るために,実験を「実施のタイミング」「検証型・探究型」の二軸で分類したり,各実験について育みたいスキルを列挙することを通じて,カリキュラムの整理を行うことを提案したい。
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