本研究は,動機づけ調整方略の使用量,また,動機づけ調整方略と
学習行動
との関連について,「困難」と「退屈/面白くない」という2つの学習意欲の低下理由ごとに検討を行った.具体的な
学習行動
としては,認知的方略の使用,学習の持続性,学習の取り組みを取り上げた.困難さによる学習意欲低下場面を想定させる質問紙と,退屈/面白くなさによる学習意欲低下場面を想定させる質問紙の2パターンを作成し,4つの大学の学生にランダムに配布した.そして,計327名の大学生のデータが分析された.まず,t検定の結果,学習意欲の低下理由によって動機づけ調整方略の使用量には差がないことが示された.次に,重回帰分析の結果,退屈/面白くないという学習意欲の低下理由において,動機づけ調整方略と
学習行動
とのより強い関連が示された.特に,自律的調整方略と全ての
学習行動
との強い正の関連が示された.以上の結果に基づき,動機づけ調整方略と
学習行動
との関連について議論が行われた.
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