【背景・目的】 造血肝細胞移植を受けた患者が退院後に遭遇する困難と移植を受けたことで変化した生活を再構築できる要因を明らかにすることを目的とした.
【対象と方法】 G病院血液内科にて移植を受けた患者で順調に経過し, 重篤な移植片対症候群や免疫不全がない13名に半構成的面接を行った. 面接内容を逐語録に起こし, 質的帰納的方法を参考に, 患者の言動から造血幹細胞移植患者が退院後に遭遇する困難と移植後の生活を再構築できる要因に関する言動をコード化し類似性に従いサブカテゴリー, カテゴリーと抽象化を行った.
【結果】 退院後に遭遇する困難は『病気の不確実性』『変化した生活が辛く哀しい』『今までと違う体力』『身体的変化』『周囲への気兼ね』のカテゴリーが抽出された. 移植後の生活を再構築できる要因としては『前向きに生きる決意』『夫婦の価値観の変化』『自分のペースで生活』『経済生活の基盤の変化』『苦悩を支えられた体験』のカテゴリーが抽出された.
【結語】 移植看護において移植を受けた患者が退院後の生活を再構築するためには, 患者を支えるサポートが重要であることが示唆された.
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