湯浅年子(1909~1980)は日本初の女性物理学者であるのみならず,あまたの随筆や講演,日仏文化交流などにより,国内だけではあるが,本人が憧れたマリー・キュリー(1867~1934)同様,科学を超えた名声を得た最初の日本人女性科学者となった。この,明治生まれの女性は,いかにしてフランスに赴き,「日本のキュリー夫人」と称えられるまでの科学者となったのか。それを探ることは同時に,20世紀初頭に生まれた日本女性が科学者になることの意味を問うことでもある。
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