与えられた問題の答えを求めると数学学習は終わると考えられている.しかし,数学学習の本質は自ら考えることにある.考えることの例を特殊な因数分解の例を示すことによって,その中に隠れた数学学習の楽しさを見ることができる.考える過程の時間的な流れは連続的ではない.問題が解けて,その問題から派生した事柄を一般化できたときに,数学を考えることは一段落する.興味深いことは同じような問題に再度であったとき,より一層飛躍する.このような過程の中で,数学を学ぶことの本質は何かを問う.
現在の数学教育はTechnologyを用いない。GIGAスクール構想やプログラミング授業によって、授業環境は大きく変わろうとしている。このTechnology活用の時代になったときに、数学問題は大きく変わる。この変化を具体的に因数分解を例にとって、どのような問題が消え去るかを述べる。またTechnology活用によって数学の問題はどのように変わるかを具体的に示す。数学は考えることによって、楽しい学問であることを示すとともに、Technologyによって新しい数学の世界を見ることを可能にし、数学の世界が広がることを見たい。Technologyは考える道具であって、考えることを補助してくれる。Technologyが答えだけを求めるものではない。数学は技能習得が中心課題ではなく、考えることによって楽しい学問であることを誰もが理解できるようにしたい。
本研究では,ルール命題の変換操作に着目し,大数の法則の変換操作をシミュレーションさせ,その正しさを確認させる教授プランを策定した。その結果,学習者に大数の法則の原命題を裏命題へ変換操作させる教授は,この法則を適用した適切判断を促す効果があるということが推測された。
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