1) 酒粕液(酒粕と焼酎の混合液),清酒では,チャノコカクモンハマキ,チャハマキの雌雄両成虫が誘引されたが,焼酎,エチルアルコール,蒸留水では誘引性は認められなかった。
2) 酒粕液に誘引される両種の雌雄比は調査時期,調査方法により異なった。酒粕液の誘
引数
は,性フェロモン剤による誘
引数
に比べ同等以下であった。
3) 酒粕液への誘引時刻は,チャノコカクモンハマキでは雌成虫が19時から20時の間に多く,雄成虫は午前2時から5時にかけて多く誘引された。しかし,チャハマキでは誘
引数
が少なくて明確な傾向はつかめなかった。
4) 両種の性フェロモンの共通成分である(
Z)-11-tetradecenyl acetateを用いて交信攪乱処理を行っている茶園と無処理園に酒粕液トラップを設置したところ,両種の雌雄両成虫が誘引され,雌雄の比率は交信攪乱処理に無関係であった。
5) 酒粕液には,未交尾雌成虫は誘引されにくく,誘引された個体の大部分は交尾済みであった。また,誘引された大部分の雌成虫は卵を持っていた。
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