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197件中 1-20の結果を表示しています
  • 中村 賢人, 中原 亮, 米山 慎吾, 茂田 駿介, 伊藤 拓哉, 奥崎 大地, 千葉 悠真, 鳥井 喬也
    理学療法学Supplement
    2019年 46S1 巻 1-P-F-1-6
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/08/20
    会議録・要旨集 フリー

    【はじめに、目的】

    先行研究において大腿骨近位部骨折術後の患側下肢荷重率は,歩行能力を規定する重要な因子であると報告されている.本研究では大腿骨近位部骨折術後患者の患側下肢荷重率に関与する因子を明確にし,術後急性期の大腿骨近位部骨折に対する理学療法の再考の一助とすることを目的とする.

    【方法】

    当院に大腿骨転子部骨折・大腿骨頚部骨折で入院し,リハビリテーション依頼のあった症例31名(女性20例/男性11例,平均年齢70.48歳,転子部骨折15例/頚部骨折16例)を対象とした.麻痺などの神経症状や重篤な合併症が認められる患者,急変によりリハビリテーションの継続が困難になった患者,重度の認知症(MMSE 24点以下)患者は除外とした.

     診療記録より性別,年齢,既往歴,受傷前歩行能力,骨折型,手術法を調査した.また,測定項目は患側下肢荷重量を体重で除した値(以下,患側下肢荷重率),荷重時の疼痛(最大荷重時,50%荷重時,80%荷重時),股関節周囲筋力(屈曲,伸展,外転,外旋),股関節可動域(外転,内転,伸展)とし,術後1週と2週に測定した.

     統計処理は患側下肢荷重率とそれぞれの測定項目との相関関係をSpearmanの相関係数を使用し,有意水準を5%未満とした.

    【結果】

    1週目の荷重時の疼痛(50%荷重,80%荷重)で負の相関,外転筋力で正の相関が認められた.2週目では荷重時の疼痛(最大荷重,50%荷重)で負の相関,股関節周囲筋力全項目で正の相関が認められた(r=±0.4〜0.7).

    【結論(考察も含む)】

    1週目では疼痛と外転筋力において相関関係が認められた.これは先行文献を支持するものであり,骨折部の安定性や股関節周囲の軟部組織の修復が術後1週目での患側下肢荷重率に影響すると考えられる.外転筋力に関しても先行研究から片脚立位動作に股関節外転筋力が関与すると言われている.その為,術後1週目までは疼痛管理に重点を置いた早期からの股関節外転筋力増強訓練が重要であると考える.

     2週目では疼痛と股関節周囲筋力全て(屈曲,外旋,外転,伸展)において相関関係が認められた.疼痛・股関節外転筋力に関しては1週目と同様の影響が考えられる.股関節の屈曲・外旋筋力に関しては股関節の安定性に関与している事が報告されており,この事が患側下肢荷重量に関与していると考えられる.また,股関節伸展筋力は骨盤の過前傾を制御し,股関節屈伸中間位での安定した荷重に関与していると考えられる.

     以上より,大腿骨近位部骨折患者においては術後1週では疼痛管理と早期からの外転筋力強化が,2週目では疼痛管理と股関節周囲筋の筋力強化が患側下肢荷重量増加へ寄与する可能性が示唆された.

    【倫理的配慮,説明と同意】

    本研究の実施に際して当院の倫理委員会の承認を得た.また,ヘルシンキ宣言に則り研究の趣旨,内容などに関して書面にて説明し同意を得た.

  • 妹尾 優希
    日本原子力学会誌ATOMOΣ
    2024年 66 巻 10 号 532_2
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/10/10
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  • 妹尾 優希
    日本原子力学会誌ATOMOΣ
    2024年 66 巻 4 号 211_1
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/04/10
    解説誌・一般情報誌 フリー
  • 妹尾 優希
    日本原子力学会誌ATOMOΣ
    2024年 66 巻 2 号 105_2
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/02/10
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  • 妹尾 優希
    日本原子力学会誌ATOMOΣ
    2023年 65 巻 10 号 632
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/10/10
    解説誌・一般情報誌 フリー
  • 稲葉 健二郎, 岡田 友紀江, 中嶋 浩二, 大石 敦宣
    日本医療薬学会年会講演要旨集
    2010年 20 巻 P2-500
    発行日: 2010/10/25
    公開日: 2019/01/19
    会議録・要旨集 フリー
  • 陳 貴史
    日本ストーマリハビリテーション学会誌
    2003年 19 巻 2 号 85-88
    発行日: 2003年
    公開日: 2022/08/31
    ジャーナル フリー
     今回われわれは、術後の吻合不全で腸管皮膚瘻を作成した症例を経験した。腸管皮膚瘻に従来のストーマ装具による処置では、皮膚のびらんおよび頻回の装具交換により患者のQOLを著しく障害した。そこで、腸管皮膚瘻周囲にシリコンジェルシートを使用して処置を行うことで皮膚のびらんも防ぐことができ装具交換の頻度も少なくなりQOLは著しく改善された。この方法は、腸瘻管理の新しい選択肢として有意義と考えられた。
  • 浅見早織, 松本直也
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2016年 35 巻
    発行日: 2016年
    公開日: 2021/03/12
    会議録・要旨集 フリー

    【はじめに】左足関節三果骨折を呈し手術侵襲と長期固定により距腿関節の滑り運動減少と筋力低下から,足関節背屈制限と荷重位で距骨下関節(以下ST関節)回内変形が生じた症例に対し,距腿関節のアライメントを考慮した滑り運動と筋力強化に着目し治療を行い,改善したので報告する.

    【症例紹介・経過】50 代女性.交通事故で左足関節三果骨折受傷.2 日後,創外固定術.3 週間後,観血的整復術.4 週間後,足関節可動域訓練と部分荷重開始.6 週間後,全荷重. 【説明と同意】ヘルシンキ宣言に則り説明し口頭にて同意を得た.

    【左下肢評価】≪レントゲンと医師情報≫整復後,内果前下方位≪可動域≫背屈-5°底屈35°外返し5°内返し

    20°≪筋力≫後脛骨筋2≪可動性減少≫距腿関節内側後方滑り≪触診≫外側距骨頭触知困難≪疼痛≫歩行時,距腿関節つまり感出現≪荷重姿勢≫下腿内旋・ST 関節過回内外転・前足部回外・内側縦アーチ低下【治療方法】リラクゼーション・モビライゼーション・超音波・ストレッチ・筋力強化訓練・歩行訓練【結果】≪可動域≫背屈5°底屈50°外返し10°内返し30°≪筋力≫後脛骨筋4≪可動性≫距腿関節内側後方滑り改善≪触診≫外側距骨頭触知可能≪疼痛≫消失≪荷重姿勢≫ST 関節過回内改善【考察】距腿関節の滑り運動減少は,レントゲンと医師情報から整復後の内果が前下方位と,外側距骨頭触知困難で距骨内側が前方位により,距腿関節内側の関節面が狭小化した為と考える.この為,荷重位で距腿関節のつまり感と足関節不安定性が生じST 関節回内となったと考える.また,後脛骨筋の筋力低下から踵骨の回内外コントロール作用が破綻しST 関節回内が生じたと考える. この為,距腿関節のアライメントを考慮した滑り運動に着目し治療を行い,足関節背屈可動域が改善した.また,後脛骨筋の筋力増強により荷重位でのST 関節回内変形が改善した.

  • 早川 幸代, 稲葉 健二郎, 喜多 円, 染谷 晴彦, 藤井 まき子, 渡邊 善照, 有田 淳, 酒井 欣男, 望月 功
    日本医療薬学会年会講演要旨集
    2010年 20 巻 P1-371
    発行日: 2010/10/25
    公開日: 2019/01/19
    会議録・要旨集 フリー
  • 吉川 飛鳥, 柏崎 友紀江, 田村 真代, 吉川 円, 齋藤 義貴, 定村 洋士
    日本医療薬学会年会講演要旨集
    2015年 25 巻 P1362-23-AM
    発行日: 2015/10/23
    公開日: 2019/01/19
    会議録・要旨集 フリー
  • 中嶋 浩二, 糸川 博, 西川 英輔, 大石 敦宣, 加藤 晶人, 岡本 紀善, 鈴木 龍太
    脳卒中
    2010年 32 巻 2 号 123-128
    発行日: 2009/11/25
    公開日: 2010/03/29
    ジャーナル フリー
    【背景および目的】バルーン閉塞試験を行う前に,ウィリス動脈輪における前交通動脈を介した側副血行の程度を予測するための方法として,頸動脈超音波検査と用手的頸動脈圧迫法(以下,Matas test)を組み合わせて側副血行路の程度を評価した.【方法】対象は,45症例(脳血管撮影34例,心臓カテーテル検査11例)である.まず,Matas test下に頸動脈撮影を行い,画像所見からcross-fillingを3つのgradeに分類した.さらに,一側の内頸動脈において,頸動脈超音波検査を行い,Matas test前とMatas test施行中の流速を測定し,その変化率について,頸動脈撮影におけるcross-fillingのgradeと対比させた.【結果】良好なcross-fillingを認めるgrade 3の群では,Matas test下で内頸動脈の流速が,その他の群と比較して有意に上昇していた.【結論】Matas test下での頸動脈超音波検査を行い,対側の頸部内頸動脈において,収縮期最大流速の上昇率を評価することは,前交通動脈を介した側副血行を評価する方法として有用である.
  • 阿部 祐吉, 山崎 謙, 藤下 彰彦, 米澤 俊郎, 赤羽 日出男, 三橋 明, 山口 重貴
    昭和医学会雑誌
    2008年 68 巻 2 号 138-142
    発行日: 2008/04/28
    公開日: 2010/09/09
    ジャーナル フリー
    今回著者らは, 特に誘因なく発症した急性股関節痛を呈する化膿性外閉鎖筋炎と思われる1例を経験したので報告する.症例は59歳の男性で主訴は左股関節痛, 発熱で当院を受診し, そのまま入院となった.初診時著明な股関節運動時痛があり, 血液検査にて炎症反応と肝機能異常を認めた.MRI脂肪抑制画像にて外閉鎖筋を中心に高信号域に変化し, また関節液の軽度の貯留も認めた.そのため股関節穿刺を施行し, 入院後抗菌剤, NSAIDs投与にて解熱し股関節痛も改善した.血液検査での炎症反応も2週後に正常化した.初診より2ヶ月後のMRIでは, ほぼ外閉鎖筋は正常画像となり股関節痛もなく経過良好となった.基礎疾患を認めない成人の化膿性外閉鎖筋炎は稀であり, 股関節痛, 発熱を呈する症例では股関節の炎症疾患として関節炎だけでなく本疾患も念頭におく必要がある.
  • 望月 裕太
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2020年 38 巻 O-115
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/01/01
    会議録・要旨集 フリー

    【はじめに】くも膜下出血(以下,SAH)急性期の特徴として,頭蓋内病態に加え,全身合併症が生じやすいとされている.佐藤らは,Stress Index(以下,SI)40以上で全身合併症が多いと報告している.また,脳卒中治療ガイドラインでも,早期離床の安全性が十分に確認されていないのが現状である.一方,Olkowskiらは早期離床の安全性を初めて報告した.今回,SI 63のSAH患者に,全身状態を踏まえ,脳血管攣縮期からの早期離床が奏功した為,ここに報告する.

    【説明と同意】ヘルシンキ宣言に則り,対象者,ご家族に口頭で説明し同意を得た.

    【症例紹介】60歳代,女性.IC-PC動脈瘤破裂によるSAH(WFNS分類Ⅴ,Fisher分類group3)により,X日入院,開頭クリッピング術施行.

    【初期評価(X+1日)】JCS 2.BP 140/90mmHg,HR 90bpm,SpO299%(room air).右BRS Ⅳ〜Ⅴ.Na 126mEq/L,K 3.3mEq/L,血糖値207mg/dl.SI 63.EF 63%.

    【経過】X+1日リハビリ開始.X+3日端座位開始.X+5 日杖歩行軽介助.X+28日歩行自立.X+49日転院.心電図異常所見なく経過.なお,脳血管攣縮期はkarvonen 法30%,その後は50 〜80%の運動強度に設定した.

    【結果(X+48日)】右BRSⅤ〜Ⅵ.10MWT 0.87m/s.

    【考察】一般的にSAHの治療成績は重症度に相関し,FronteraらはFisher分類のgradeが上がる程,脳血管攣縮のリスクが高いと報告している.本症例はWFNS分類Ⅴ,Fisher分類group3で,全身合併症や脳血管攣縮の併発への対応が必要と考えた.小笠原らは,低Na血症が脳血管攣縮発生を助長すると報告し,脳血管攣縮期はNaの推移を担当医と相談,対応をした.加えて,運動強度を西田らが低強度運動負荷として有効と報告した,karvonen法30%に設定した.その結果,廃用症候群を予防し,Perryが報告した脳卒中患者の制限なく外出可能な歩行速度を獲得できたと考える.全身状態を踏まえ,脳血管攣縮期からの早期離床は,合併症併発せず,有用であることが示唆された.

  • 中原 亮, 鈴木 康平
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2017年 36 巻
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/04/03
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    【はじめに】

    呼吸リハビリテーションにおける胸郭可動域訓練は,胸郭拡張差や肺活量の向上が期待される.先行文献では健常者やCOPD 患者に対する胸郭可動域訓練により胸郭拡張差や肺活量の向上が報告されているが,間質性肺炎( 以下,IP) 患者に対する報告は少ない.今回,歩行時に呼吸困難が認められたIP 患者に対し,胸郭可動域訓練を実施した結果,胸郭拡張差が向上し訓練継続に伴い歩行時呼吸困難の改善,自宅退院が可能になった為,報告する.

    【対象】

    78 歳男性.入院時より酸素2L 開始.第3 病日より訓練開始.第8 病日より酸素1L へ変更.第13 病日より酸素終了し,第18 病日に自宅退院となる.

    【評価】

    第4 病日に実施.SpO2:安静時97%( 酸素2L),歩行後91%( 酸素2L),修正Borg スケール:安静時2,歩行後4,胸郭拡張差:腋窩部1.0cm,剣状突起部1.5cm,第10 肋骨部2.5cm, 6 分間歩行:実施困難.46m にて中断.

    【治療】

    第5 病日より上部・下部胸郭に胸郭可動域訓練を実施.【結果】

    第17 病日に実施.SpO2:安静時98%( 大気下),歩行後95%( 大気下),修正Borg スケール:安静時0,歩行後1,胸郭拡張差:腋窩部1.5cm,剣状突起部2.5cm,第10 肋骨部3.0cm,6 分間歩行:300m.

    【考察】

    千葉らは,胸部mobilization は肋椎関節周囲の筋スパズム低下と肋椎関節,椎間関節への回転および滑りを円滑にすることで胸郭拡張が得られると述べている.また,松本らはI P 患者の6 分間歩行距離には呼吸困難感が強く影響を及ぼすと報告している.今回,対象者に胸郭可動域訓練を実施した結果,胸郭拡張差の向上が認められた.今回の結果よりIP 患者に対する胸郭可動域訓練は,先行文献と同様に胸郭拡張差や肺活量を向上させることが示唆され,本対象者においては,胸郭拡張差や肺活量の増加により呼吸困難感が軽減し歩行距離が延長したと考察した.

    【倫理的配慮】

    対象者に対し,ヘルシンキ宣言に則り書面にて説明を行い,同意を得た.

  • 望月 裕太, 松本 直也, 高倉 結城
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2017年 36 巻
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/04/03
    会議録・要旨集 フリー

    【はじめに】

    Pusher 現象とは,麻痺側へ自らの非麻痺側上下肢で押してしまう脳卒中後の特異的な異常姿勢である.Pusher 現象に関する報告は散見されるが,意識障害を有する報告は少ない.今回,意識障害を有しながらもPusher 現象に改善を認めた脳卒中右片麻痺患者への介入を報告する.

    【説明と同意】

    ヘルシンキ宣言に則り対象者の家族に口頭で説明を行い同意を得た.【症例紹介】

    80 歳代女性.ADL 自立.アテローム血栓性脳梗塞にて入院.拡散強調画像(DWI) で,左前・中大脳動脈領域に広範な高信号域を認めた.

    【理学療法評価(X+5 日)】

    GCS:E2V1M2.BRS: 右上肢・手指・下肢2.高次脳機能障害: 運動性失語症.注意は左側へ有意.感覚: 痛覚残存も精査困難.背臥位: 頚部左側屈・回旋位.端座位: 全介助.頚部・体幹右側屈位.Pusher 現象認め,正中位へ誘導で抵抗感増強.

    【考察】

    阿部らは,Pusher 現象は身体的垂直認知(SPV) にのみ偏倚があると報告し,視覚情報を用いた自己身体軸の修正が推奨されるが,本症例は意識障害を有し,視覚情報の利用が困難であった.DWI から感覚障害が推測され,上記姿勢及び高次脳機能障害の為,臥位からSPV が非麻痺側へ偏倚し,端座位でPusher 現象を呈したと考えた.SPV の再構成に注意を向けることで体性感覚の再組織化が起こるとRecanzone の知見がある.以上より,ボディイメージを形成する体性感覚系への入力を中心とした介入がSPV の再構成に有用と考え,下記介入を実施した.

    【治療方法】

    麻痺側へ寝返り,左右へ頚部側屈・回旋運動及び感覚入力,臀部・足底から感覚入力,非麻痺側へリーチ.【結果(X+15日)】

    GCS:E3V1M4.背臥位: 頚部軽度左回旋位.端座位: 数分見守りで可能.頚部・体幹右側屈位改善,Pusher 現象改善.【まとめ】

    意識障害を有し,視覚情報の利用が困難な場合,無意識化での体性感覚系への入力がSPV の再構成に有用であり,Pusher 現象改善につながると考えられた.

  • 望月裕太, 田原直裕, 渡辺裕之
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2016年 35 巻
    発行日: 2016年
    公開日: 2021/03/12
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】腰椎分離症は治療経過中にMRI,CT などの画像検査が用いられる.しかし,これらの画像検査には高額医療費や放射線被ばく等の問題が挙げられため,診断を補助する簡易的な骨癒合判別方法の確立は有用であると考えられる. 本研究は腰椎骨叩打による振動検査法が,腰椎分離症の骨癒合の判別に有用であるか検証することを目的とした.

    【方法】第5 腰椎模擬骨を用いて正常モデル,腰椎分離症モデル,癒合モデルを作製した.振動信号の測定は,小型加速度変換器を取り付けたハンマーを用いて叩打する方法とした.測定した振動信号から,平均パワー周波数,第一最小周波数,低周波数成分と高周波数成分の積分値の相対比を算出し,各指標を,正常モデル,腰椎分離症モデル,癒合モデル間で一元配置分散分析により比較した.事後検定にTukey の多重比較を用いた.なお,本研究は人工材料を用いた生体のモデル実験であるため,倫理的配慮に関しては実施しなかった.

    【結果】 平均パワー周波数は正常モデルが266.8Hz±1.4,腰椎分離症モデルが356.1Hz±8.4,癒合モデルが

    258.7Hz±3.5 であり,腰椎分離症モデルは他のモデルと比較して有意に増加した.一方,第一最小周波数は,正常モデルが44.5Hz±1.0,腰椎分離症モデルが18.8Hz±1.3,癒合モデルが55.8±1.0 であり,腰椎分離症モデルは他のモデルと比較して有意に低下した.さらに,正常モデルと癒合モデル間においても有意差が見られた.相対比は,正常モデルが7.8±0.5,腰椎分離症モデルが2.0±0.1,癒合モデルが11.3±0.2 となり,腰椎分離症モデルは他のモデルと比較して有意に低下した.

    【結論】腰椎骨叩打による振動検査法は,正常モデルと腰椎分離症モデル,および腰椎分離症モデルと癒合モデル間の判別が可能であることから,腰椎分離症の骨癒合の判別に有用であると考えられた.

  • 松野 直徒, 小原 弘道, 武藤 眞, 平野 俊彦, 水沼 博, 絵野沢 伸
    Organ Biology
    2012年 19 巻 1 号 80-82
    発行日: 2012/07/10
    公開日: 2014/11/26
    ジャーナル フリー
    The shortage of organ donors is a serious worldwide problem. Donation after cardiac death may contribute to the expansion of donor pool. However, the use of these marginal grafts requires the development of the preservation methods because of higher risks of primary non-functioning and severe ischemic reperfusion injury. Recently, normothermic preservation has been attracting attention to resusciate suboptimal grafts. Porcine livers were perfused with our own machine perfusion system(MPS). A donor liver suffering from 60 min-warm ischemiawas perfused to flush out blood with Euro-Collins containing of urokinase and phentolamine mesilate. Then, the liver was perfused continuously for 60 min with UW-gluconate plus low molecular dextran and amino acids. Orthotopic liver transplantation was carried out in pig recipient. As for preservation condition, there were three groups;Group 1:grafts were perfused at 8℃by MPS. Group 2:grafts were perfused at 25℃by MPS. Group 3:grafts were perfused with rewarming from 4℃to 25℃during preservation by MPS. Recipient serum AST, LDH 2 hrs after reperfusion were significantly lower in Group 3 compared with Group 1. Pathologically, intralobular hemorrhage was less severe in Group 3 than in Group 1. These results indicates our MPS preservation may resuscitate injured graft liver and rewarming during preservation may be effective as a graft conditioning to prevent ischemic reperfusion injury, particularly for the donation after cardiac death liver grafts.
  • 宮澤伸, 渡邊裕之, 増間弘祥, 溝渕鷹嗣, 望月裕太
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2016年 35 巻
    発行日: 2016年
    公開日: 2021/03/12
    会議録・要旨集 フリー

    【目的】股関節内転筋損傷はサッカーにおけるキック動作で最も発症しやすい筋損傷の一つである.しかしながら,股関節内転筋損傷の発生因子については不明な点が多い.本研究のデザインは股関節内転筋損傷の発症に関連する因子をメディカルチェック(Medical Check: MC)の結果から検討する後ろ向きコホートとした.

    【方法】対象は中学生男子サッカー選手58 名(身長:164.2±5.8cm,体重:51.5±5.8kg,BMI:19.1±1.3)とした.MC は下肢筋柔軟性(下腿三頭筋,ハムストリングス,大腿四頭筋),全身関節弛緩性テスト,股関節内転及び外転筋力について行なった.6 ヶ月間の観察期間を置いて股関節内転筋損傷の発生の有無を調査し,非損傷群(41

    名),損傷群(5 名)の2 群に分類した.統計学的解析は2 群間における各検査項目についてMann-Whitney のU 検定を用いて比較した.本研究は指導者,選手,保護者にMC の説明と同意を口頭と書面にて行った.

    【結果】各MC 項目のうち,蹴り足ハムストリングスの筋柔軟性は損傷群が45.00±11.73°,非損傷群が

    53.90±7.29°と損傷群で有意な低下(P=0.050)が認められ,関節弛緩性は損傷群が2.60±0.82 点,非損傷群が

    1.68±0.97 点と損傷群で有意に高値(P=0.049)を認めた.

    【考察】中学生男子サッカー選手は筋柔軟性と関節弛緩性の観点において先行研究による成長期のスポーツ障害因子と類似した結果が得られた.また,蹴り足ハムストリングスの柔軟性低下はキック動作時の股関節内転筋起始部周辺への反復ストレスを生じ,損傷の発生リスクが高まると考えられた.

    【まとめ】中学生男子サッカー選手における股関節内転筋損傷の発生因子として高い関節弛緩性と蹴り足ハムストリングスの柔軟性低下が関与していることが示唆された.

  • *佐々木 雄大
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2024年 43 巻 P1-1-5
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/01/24
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】 今回,鎖骨骨幹部骨折術後に重量物を繰り返し運搬したことで鎖 骨上神経領域に触刺激での疼痛が生じた症例に対し,疼痛の軽減 を目標に行なった介入について報告する. 【症例紹介,評価】 60代男性,診断名は右鎖骨骨幹部骨折でプレート固定を施行. 仕事は建築物の清掃,運搬等の作業.術後6 ヶ月で右肩関節可動 域屈曲150°,外転120°,MMT5,術創部周囲皮膚の伸張性低下, 表在感覚軽度低下を認めていた.その後,一時的に仕事復帰し約 30kgの錘がついたカラーコーンを60回程度運搬した後,鎖骨か ら2横指上部から第2肋骨レベルの範囲に触刺激でVAS86mmの 疼痛が生じた.レントゲン画像には異常は確認できなかった.右 胸鎖乳突筋,僧帽筋上部線維の硬さ,圧痛を認めた.肩甲上腕 関節,肩甲胸郭関節の自動・他動運動では触刺激による疼痛と同 部位に疼痛が生じたが胸鎖関節,肩鎖関節への圧痛は生じなかっ た.頸部の右側屈,術創部を含む鎖骨周囲皮膚の長軸方向への 弛緩操作で触刺激でVAS 34mmと疼痛軽減がみられた. 【倫理的配慮,説明と同意】 本症例はへルシンキ宣言に基づく倫理配慮のもと,対象者に介入 方法について説明し同意を得た. 【介入内容と結果】 僧帽筋上部線維・胸鎖乳突筋リラクゼーション,術創部周囲皮膚 モビライゼーションを実施.その結果,触刺激での疼痛はVAS 15mmに軽減し疼痛が生じた範囲は鎖骨上縁から鎖骨二横指下ま で縮小した. 【考察】 疼痛の原因は肩甲上腕関節,肩甲胸郭関節の自動・他動運動で疼 痛が生じたが,関節周囲に疼痛が限局していないため関節障害は 除外した.また触刺激程度で疼痛を知覚しているため筋障害も除 外した.頸部の右側屈,術創部を含む鎖骨周囲皮膚の長軸方向へ の弛緩操作で触刺激による疼痛が軽減したため皮神経の障害が原 因と推測され疼痛が生じている部位から鎖骨上神経が障害されて いると考える.鎖骨上神経は僧帽筋上部線維・胸鎖乳突筋を包む 頸筋膜浅葉を貫通し鎖骨上を走行している.そのため術創部の瘢 痕化と繰り返しの重量物運搬により僧帽筋上部線維,胸鎖乳突筋 が過収縮し頸筋膜浅葉の過緊張が生じたことで鎖骨上神経が絞扼 されたと考察する.今回,頸筋膜浅葉と術創部の滑走性の向上に より疼痛の減弱と疼痛範囲の縮小が得られたと考える.
  • ~ネーザルハイフロー離脱を目指して~
    吉岡 直輝
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2023年 42 巻
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/06/08
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    【はじめに】 本症例はCOVID-19発症後に間質性肺炎を呈し治療としてネーザル ハイフロー(以下NHF)が選択された.労作時の低酸素血症と呼吸 困難により離脱が困難であった.そこで,胸郭可動性と呼吸困難の 緩和に着目し介入した結果を報告する. 【症例紹介】 70代男性.既往歴:関節リウマチ.病前ADLは全自立.X日COVID -19発症.X+4日COVID-19肺炎,間質性肺炎の所見.X+6日NHF 開始.X+12日理学療法開始. 【評価】 X+21日:流量50L/分,FiO2 25%.pH 7.43,PaO2 66.6Torr, PaCO2 28.7Torr,HCO3 −19.0mEq/L. X+27日:流量40L/ 分,FiO2 25%.頸部呼吸補助筋群の筋緊張亢進.胸式呼吸パター ン.胸郭拡張差(剣状突起)1.3cm.臥位から端座位はSpO2 92~ 94%,呼吸数20回/分,Borgスケール9.立位保持1分にてSpO2 86~88%,呼吸数31回/分.Borgスケール17.MRC息切れス ケール グレード5. 【治療内容】 胸郭可動域運動,呼吸法指導,筋力増強運動,歩行練習,呼吸補 助筋リラクゼーション. 【再評価】 X+57日:Room air.pH 7.47,PaO2 68.6Torr,PaCO2 34.2  Torr,HCO3 - 24.7mEq/L.X+58日:Room air.頸部呼吸補助筋 群の筋緊張軽減.胸郭拡張差(剣状突起)2.1cm.臥位から端座位は SpO2 94~95%,呼吸数21回/分,Borgスケール9.立位保持1分 にてSpO2 90~92%,呼吸数33回/分,Borgスケール19. 【考察】 本症例は肺のコンプライアンス低下,労作時の著しい低酸素血症を 生じた.NHFの離脱には胸郭の可動性向上と呼吸困難を緩和する 必要があると考え,胸郭可動域運動と呼吸法の指導を中心に介入. X+36日には歩行練習開始し,X+57日に離脱となった. 【倫理的配慮,説明と同意】 ヘルシンキ宣言に則り患者様に説明し同意を得た.演題発表に関連 し,開示すべきCOI関係にある企業等はありません.
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