トウモロコシの二期作栽培等における過重労働を軽減するため, また, 春播トウモロコシ収穫後の夏秋期の圃場休閑時に飼料作物を導入すること等を目的に夏播のトウモロコシ, ソルガム, スーダングラス, ギニアグラスの各草種について省力的な栽培技術を検討した。
1.夏播飼料作物における
播種
関連作業を一工程作業に簡略化し, あわせて, 生育初期にスラリーを追肥として利用する効率的な栽培法を開発した。
2.
播種
関連作業は, 市販の2種類の作業機 (畦間管理機及び施肥
播種
機) を連結一体化した部分耕・施肥
播種
装置を用いて, 耕起から鎮圧まで一工程の作業とした。本装置では, トウモロコシ作跡の畦間を幅約20cm, 深さ約6cmで一度に2条耕起し, 同時にトウモロコシ等の
播種
, 化成肥料の側条施肥, 鎮圧を行うことができる。
3.本作業法では,
播種
関連作業時間が51分/10a, 作業速度は20m/分と能率的であり, 二期作トウモロコシの慣行作業に比較して大幅に作業時間が短縮された。
4.本作業法で
播種
した4草種は, 発芽, 初期生育とも良好であった。また, 各草種の10a当たり乾物収量はトウモロコシとソルガムでは1.0~1.8t/10a, スーダングラスとギニアグラスでは約0.5tであり, 夏播栽培としては十分な収量が得られた。
5.
播種
後1か月以内にバキュームタンク等によるスラリーの全面散布を行ったが, 10a当たり2~8七の散布量では4草種とも枯死等生育障害は認められなかった。各草種の生育・収量およびスラリーの成分から判断して, 追肥としてのスラリーの散布量は10a当り6t (トウモロコシ) , 4t (ソルガム) , 2~3t (スーダングラス, ギニアグラス) 程度で十分と推定された。
6.本作業法では除草剤を施用しなかったが, 雑草の発生量は作物収量比6%以内と比較的少なかった。また, スラリーの散布が雑草の繁茂を助長することもなかった。
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