本研究の目的は,ユーザの興味や関心に応じて様々なモダリティの情報へのアクセスを繰り返しつつ時系列データを分析するための支援システムの実現である.著者らはこれまでに,新聞記事と地図,統計データを対象に,ユーザが時系列データの経時的変化とその変化の要因を把握できるようにする可視化インタフェースを提案してきた.本稿では,新聞記事と時系列データのアラインメント方式を提案する.この方式をシステムに組み込むことにより,効率的に時系列データと文章を対応付けることができる.さらに,新たに実装したインタフェースの機能について述べる.
本研究は,令和4年度から実施されている学習指導要領で新たに設置された新科目「理数探究基礎」の指導法や評価法の示唆を得るために,教科書の内容を比較検討し,その特徴を明らかにするものである.教科書は,「理数探究基礎(
西郡は新聞記事を考察し,大学入試全般について「入試ミス」を分類するための枠組みを提案している。本研究の目的は,数学の出題ミスをなくすための留意点と施策を提案することである。研究方法は,過去の数学に関する大学や専門学校の入学試験問題の出題ミスを新聞記事から抽出をし,原因を考察する。新聞記事の分類結果は,作問ミスが56%(44件),範囲外が30%(24件),採点ミスが9%(7件),不明が5%(4件)であった。出題する際の留意点を,(1) 作問ミス,(2) 誤字脱字,(3) 出題範囲,(4) 採点ミス,(5) 口述試験でまとめた。特に,(3) 出題範囲では,平成30年度の学習指導要領に基づく教科書の中に「オイラーの多面体定理」や「二元一次不定方程式」について記載のないものがあることに留意すべきである。出題ミスをなくすための施策では,今後の学習指導要領では扱う公式や用語を明確化すべきであること,大学や専門学校の運営者は数学入試に関わる人材と時間を確保していくことが大切であることを提案する。
現在の高校の教科書では,「慣性の法則」は,「外部から力を受けないか,あるいは外部から受ける力がつりあっている(合力が 0の)場合には,静止している物体はいつまでも静止を続け,運動している物体は等速直線運動を続ける」のように説明される。この中で,「あるいは外部から受ける力がつりあっている(合力が 0の)場合には」の部分は,「慣性の法則」から削除するのが望ましいと筆者は考える。「慣性の法則」に対する解釈,先行研究,教科書における力学の体系について考察し,教科書に関していくつかの提案を行う。
科目横断型の学習は中等教育においてだけでなく、理科教員を養成する過程ではむしろ高等教育で強く意識されるべきであろう。本報告では理科における高校の検定済み教科書の各索引から用語を収集し、それらの中で「化学分野」(「化学基礎」または「化学」)と「生物分野」(「生物基礎」または「生物」)をまたいで現れるものに注目した。2014 ~2016年度に教員養成系学部入学者(秀明大学学校教師学部理科専修コースおよび初等教育コース(理科)選択者)を対象として、「化学」をキーコンセプトに据えたコンセプトマップを描かせ、「化学分野」と「生物分野」をまたぐ用語の中でどれが学生達のマップの上に現れ、他の用語と関わるかを調べたものである。大学入学時において学生は科目横断型に相当する知識を多少持つが、それらは科目横断型の理解に至っていないと見られる。
実験を行うときに次の注意事項を守って,安全に行ってください。
(1)目を保護するため保護めがねを着用する。(2)実験にあたっては実験着や実験用手袋などを着用することを心がける。
(3)生徒が実験するにあたっては,必ず指導者の監督の下で行う。
高等学校地学の教科書では,火成岩の多様性は結晶分化作用に重点が置かれ,それ以外の火成岩生成説の記述は不十分である.また,偏光顕微鏡を用いた薄片観察が扱われているが,その観察と火成岩の多様性とを関連づけた解説はなされていない.これらの問題点を解決するために,北海道有珠火山を題材にした学習プログラムの開発を試みた.学習プログラムには,結晶分化作用のモデルを検証するための各種火成岩の噴出量の見積もりと比較,マグマ混合モデルを検証するためのケイ長質岩の肉眼および偏光顕微鏡観察が含まれる.
化学が嫌いな生徒にその理由を聞くと,「わからないから」という答えが多い。これは,原子や分子はサイズが極めて小さく,アボガドロ数は値が非常に大きく,何が起こっているかイメージしづらく,わからなくなり化学が嫌いになってしまうのではないかと考える。そこで,自作の原子モデルを使って考える過程を補助した授業を行った。その結果,生徒の授業に取り組む姿勢に変化があらわれた。
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