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クエリ検索: "日野晃"
305件中 1-20の結果を表示しています
  • 日野 晃伸, 陣内 研一, 森脇 一成, 石曾根 肇, 小澤 俊文, 西連寺 永康, 大原 弘
    歯科基礎医学会雑誌
    1983年 25 巻 4 号 924-931
    発行日: 1983/12/20
    公開日: 2010/10/28
    ジャーナル フリー
    C3Hf/Heマウスの舌粘膜基底細胞の細胞周期, 細胞更新に関する解析を舌の前部, 中部, 後部につて3H-チミジン標識によるオートラジオグラファーを用いて行い, 次の結論を得た。
    1) 細胞周期時間 PLM法で求めた舌部位別の細胞周期時間は, 中部で長く (33.6時間), 前後部でやや短かった (28.1時間, 25.6時間)。この差は各部位別でDNA合成期, 及びG2期に差はなく, 主としてG1期の長さの差に起因している。また, Brown & Oliverの方法は, C3Hf/Heマウスの舌上皮組織の場合, 細胞周期時間の算定には利用できないと考えられ, この方法では細胞交替時間 (turnover time) が算定される。
    2) 細胞交替時間 これは標識細胞の分化層への移行を追跡する方法と基底細胞層から標識細胞が離脱する率を調べる方法によって求められた結果, 前部では72時間, 中, 後部では60時間と判定され, 前部が中・後部より12時間長いと認められた。
    3) 基底細胞層における標識率3H-チミジン投与後30分の基底細胞の標識率は, 前部で22.1%, 中部で31.4%, 後部で39.5%であり, 前部で低く, 後部で高くなる。
    4) これらの結果を総合すると細胞増殖活性は, 舌前部に比べて中, 後部の方が高いとみられる。このことは, 前部の分化層での滞在時間が, 中・後部の滞在時間に比べて長いという観察結果と関連するものと思われる。
  • 目野 晃伸
    歯科基礎医学会雑誌
    1984年 26 巻 2 号 332-340
    発行日: 1984/06/20
    公開日: 2010/10/28
    ジャーナル フリー
    現在までの口腔上皮組織細胞の動態に関する研究から共通していることは, 上皮細胞の供給は上皮幹細胞の周期的な増殖能により維持されており, 全体として増殖した基底細胞の一部の細胞が上層に移行し, 形態的および機能的な分化過程を経て, 細胞の交替が行われていることである。しかし, 基底細胞の増殖と分化の過程には, 動物の種・系統および組織のちがいによって特異性があるのではないかという点が問題となる。そこで, 著者は, C3H系マウス頬粘膜上皮および口蓋粘膜上皮について3H・チミジン標識法によって細胞動態解析を行うとともに, 従来報告されている口腔組織に関する結果と比較検討した。
    実験動物は, 8週齢に達したC3Hf/He系雄マウスを各実験点につき3匹ずつ用いた。実験開始前2週間の環境馴化飼育を行ったマウスに1匹あたり3H-チミジンを50μCiずつ腹腔内注射してパルス・ラベル法を行い, その口腔組織細胞の標識をし, その後30分および, 2時間目から24時間目までは2時間おきに, それ以後10日目までは12時間おきに経時的にマウスを無作為抽出して屠殺し, 頬粘膜および口蓋粘膜を摘出した。摘出した試料は, 直ちに10%ホルマリン溶液で固定し, パラフィン包埋後前額断で厚さ3μの薄切標本を得た。これをディッピング法によりミクロ・オートラジオグラフを作製して, 顕微鏡観察した。そして, 基底細胞層に観察される分裂細胞の割合を算定し, 標識分裂細胞頻度曲線(PLM曲線)を求めた。また, 標識基底細胞数 (NB) とその範囲に含まれる上皮層全域の標識細胞数 (NT) の比 (NB/NT) を計算し, 得られたNB/NT曲線および上皮各層の標識率の経時的変化から得られた曲線をそれぞれ画いた。これらによって細胞周期時間および上皮細胞交替時間を求めて検討した。
    その結果, 次の結論を得た。
    1. C3H系マウス頬粘膜および口蓋粘膜上皮基底細胞の細胞周期時間は, 3H-チミジン標識に基づくPLM曲線からTakahashi & Meudelsohnの方法で求め, おのおの43.8時間および55.5時間と算定された。
    2. 頬粘膜上皮と口蓋粘膜上皮とも標識基底細胞の約80%が分化層へ移行したが, その移行の仕方に違いがあり, 前者は連続的であり, 後者は断続的であった。
    3. 頬粘膜上皮および口蓋粘膜上皮における細胞交替時間に関しては, 頬粘膜上皮の方が口蓋粘膜上皮よりも短いと算定された。
  • 日野 晃伸, 陣内 研一, 横田 昌彦, 森脇 一成, 大西 正明, 西連寺 永康, 大原 弘
    歯科基礎医学会雑誌
    1983年 25 巻 4 号 915-923
    発行日: 1983/12/20
    公開日: 2010/10/28
    ジャーナル フリー
    CaHf/Heマウスの舌上皮基底細胞の増殖に関する日周変化を明らかにするために, 3H-チミジン標識によるオートラジオグラフを用いて, 夜間標識実験を行ない, 先に報告した昼間標識実験の結果と比較して次のような結論を得た。
    1) 標識率および分裂細胞頻度の日周変化
    標識率および分裂細胞頻度の日周変化は, 夜間 (17:00および3:00) で高く, 昼間 (7:00および13:00~17:00) で低い値であった。また, 舌乳頭の部位別に標識率の差があり, 先端部で低く基部付近で高く, それぞれ日周変化が観察された。
    2) 細胞周期時間
    PLM曲線よりMendelsohn&Takahashiの方法により求めた夜間標識実験の細胞周期の各パラメータは, Tc=33.6時間, TG2+0.7TM=3.6時間, Ts=6.1時間, TG1+0.3TM=23.9時間であった。この値を先回の昼間標識実験で得た値と比較すると, 細胞周期時間で5.0時間, また, S期およびG1期で2.5時間ほど短くなった。
    3) 標識細胞の分化層への移行からみた細胞周期時間の算定はC3Hマウス舌上皮基底細胞ではBrown&Oliverの方法に適合せず, 実験結果は細胞周期時間より細胞交替時間を示しているといえる。舌上皮細胞交替時間は約60時間であった。
    4) 基底細胞が分化層へ移行開始する時間は夜間で8.0時間, 昼間で14.5時間であり, G1期の間であった。ただし, 舌上皮においても皮膚におけるようなEPU (Epidermal Proliferative Unit) の存在が想定されるので, 基底細胞の日周変化にしたがう細胞増殖によってもたらされた増殖細胞のすべてが分化層に移行するのではないものと推察される。
  • 東島 未知
    舞踊學
    2009年 2009 巻 32 号 100-
    発行日: 2009年
    公開日: 2018/06/20
    ジャーナル オープンアクセス
  • 山下 幸紀, 東 正樹, 山下 剛, 斉藤 康子, 朝田 道子, 橋本 昌樹, 服部 広太郎, 石崎 善昭, 兼元 敏隆
    医療
    1990年 44 巻 11 号 1120-1124
    発行日: 1990/11/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    6例(再発: 1, Ic期: 2, IIIb期: 2, Krukenberg: 1)の卵巣癌患者に対し, 術後: , シスプラチン(CDDP)の間欠的投与を長期間行うため, 皮下埋め込み式リザーバー(infuse-a-port)使用による腹腔内投与方式をCAP療法の一環として行った. このうち, 1例(再発)は, リザーバー設置時, 局所に感染があり, 結局, この経路からのCDDP投与ができず抜去したが, 残り5例は初期の目的を充分果たした. 5例のうち, 3例は現在退院して1カ月毎に1週間入院し, CAP療法(CDDP ip, ADM iv, CPM iv)を継続中であり, 1例(Krukenberg)は9コース終了後リンパ節への再発にて, また他の1例(IIIb期)は2コース終了後, 当初からのイレウスの悪化のためいずれもリザーバーを抜去した.
  • 細胞周期時間と細胞交替時間
    大西 正明
    歯科基礎医学会雑誌
    1987年 29 巻 6 号 615-623
    発行日: 1987/12/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
    3H-チミジン1回標識法を用いたオートラジオグラフィーにより, C3Hf/Heマウスの歯肉上皮基底細胞の細胞動態を各種モデル適合法により解析し, 次の結論を得た。
    1) 細胞周期時間
    PLM曲線からTakahashi & Mendelsohnの方法で求め, 30.7時間と算定された。この値は同系マウスの口唇粘膜上皮, 舌上皮, 頬粘膜上皮の細胞周期時間と明らかな差はないが, 口蓋粘膜上皮より短いと判定された。
    2) 細胞交替時間
    上皮各層における標識細胞のピーク形成時間より求め, 57.3時間と算定された。この値は舌上皮に近似した値であったが, 口腔上皮組織中で最も短い時間であった。
    3) C3Hマウス歯肉上皮の場合, NB/NT解析法での細胞周期時間はPLM法によって得られた値とほぼ同じになったが, 理論上はこれまでと同様な矛盾が指摘できた。
  • クラブスタッフを対象として
    *日野 晃希, 石丸 出穂
    日本体育学会大会予稿集
    2016年 67 巻
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/02/24
    会議録・要旨集 フリー

     教員の運動部活動非専門化や、少子化に伴う運動部活動休部・廃部等を主たる要因として、近年、中・高バレーボール部活動の衰退が顕著であるが、その対策の一つとして平成10年に全国ヤングバレーボール連盟(以下、クラブ連盟)が組織された。本調査は、宮城県クラブ連盟所属クラブのスタッフへ質問紙調査を行い、クラブの活動・運営・悩み等の実態を明らかにすることを目的とした。調査対象クラブは宮城クラブ連盟に所属する9クラブ、調査対象スタッフは13名であった。その結果①活動施設の不自由性と施設使用料に関しての悩みが最も多かった、②スタッフが考えるスタッフ・会員・保護者3群の第一目標は、「スタッフ・会員がバレーボールの楽しさの獲得、保護者が人間形成」であった、③将来的なクラブの活動継続に不安を抱えているスタッフが4割近く存在している、等の知見を得た。今後のクラブの方向性を①団体性質によって学校施設・自治体施設使用をすみ分ける、②クラブ理念等をスタッフ・会員・保護者各3群で共有する努力、③学校教育とクラブの協力体制整備の模索、等を中心に検討していく必要があると考えた。

  • 『妖怪ウォッチ』を事例に
    野口光一
    アニメーション研究
    2017年 19 巻 1 号 31-44
    発行日: 2017年
    公開日: 2019/10/25
    ジャーナル フリー
    2000年以降、アニメーション作品の人気1は『ポケットモンスター』、『ドラえもん』、『名探偵コナン』などの作品に固定化していた。しかし、ゲーム主導のコンテンツである『妖怪ウォッチ』がTVアニメーション化され、2014年1月から放映されると、ゲーム、映画、漫画、玩具などを連携させたメディアミックスを一挙に進めることで、人気コンテンツの仲間入りを果たした。  日本のコンテンツ産業における「メディアミックス」については、マーク・スタインバーグらの研究によって国内外に周知されているところだが、本稿では、『妖怪ウォッチ』を取り上げて、近年の進化に注目する。日本のメディアミックスは、アメリカのトランスメディア・ストーリーテリングとは異なり、キャラクター中心のフランチャイズであることは指摘され、議論されている。本稿では、レベルファイブによる『妖怪ウォッチ』のメディアミックスはこれを踏襲しつつも、近年のメディア変革を受けた1970年代半ば以降の角川春樹によるメディアミックスのアップデート・バージョンであると提案する。同じゲーム主導の『ポケットモンスター』と比較し、また角川春樹の戦略との類縁性も再確認しつつ、『妖怪ウォッチ』における新たなメディアミックスの展開を、ハードウェア、ソフトウェア、そして市場面から分析し、考察する。
  • 栗林 系次
    歯科基礎医学会雑誌
    1989年 31 巻 5 号 475-484
    発行日: 1989/10/20
    公開日: 2010/06/11
    ジャーナル フリー
    熱創傷治癒過程をC3Hf/Heマウスの口唇粘膜上皮を用いて細胞動態学的に調べ, 以下の結論を得た。
    1) 細胞周期時間: 熱傷群において, PLM 曲線から Takahashi & Mendelsohn の方法で求め, 25.4時間と算定された。これは非熱傷群の39.5時間より約36%の短縮となった。
    2) 基底細胞の分化層への移行: Brown & Oliverの NB/NT 法により, 分化層への移行開始時間は, 熱傷群で6時間後で, 非熱傷群より約70%短縮したが移行速度には変化はみられなかった。
    3) 細胞交替時間: 上皮各層における標識細胞のピーク形成時間より求め, 熱傷群で2日となり, 非熱傷群の4日より50%短縮した。
    4) 標識基底細胞分布の経時的変化: 熱傷に対する細胞再生増殖反応は, 熱傷部辺縁健康側から200ないし300番目の離れた細胞の部位から標識率のピークとして始まり, 時間の経過と共に求心的に移行する。
  • 日野 晃
    舞踊學
    2009年 2009 巻 32 号 75-79
    発行日: 2009年
    公開日: 2018/06/18
    ジャーナル オープンアクセス
    In autucal fact of budo, you have to confront your enemy on condition that the enemy is not always one, it is not set when to fight, and enemy's weapon is indefinite. Although, most of samurai strive for body discipline such as sport training. However, Ittousai Itou discovered a "function of unconscious sphere" and trained himself to apply it. It means he found that the unconscious function works in a relationship is the key to control self, instead of determing one's sense, strength, and muscle as a pillar of action. This fact makes the body able to receive any transformation. To modernize the word, it is the improvisable body. I decided to call it "Pure Body Movement" which is beyond consciousness. This "Pure Body Movement" is what I coach Mr. Wiliam Forsythe and dancers of his company.
  • 日野 晃宏, 菊川 由佳, 石井 禎基, 山野 薫
    理学療法学Supplement
    2016年 2015 巻 P-SK-06-1
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/04/28
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに,目的】現在,姫路市内の歩道にはどのような環境があるのかを把握する目的で車椅子を用いた環境調査を行い,多変量解析のクラスター分析を用いて歩道の客観的類型化を試みた結果(第一報)を第49回の本大会において報告をした。今回,車椅子使用者の活動範囲を考慮し,対象範囲を拡大して,より詳細な類型化を行ったので報告をする。【方法】本研究では,神姫バス株式会社のバス路線図をもとにバス停留所付近の歩道を調査した。調査地点は第一報で調査を行った19地点に加え,65地点を追加した。各バス停留所の標識柱から進行方向3m地点を起点とし,車椅子の前輪から後輪の長さ分の帯状のエリアを測定した。測定項目は,車椅子走行の可否,路面性状,障害物の有無,歩道の端から障害物までの幅,歩道傾斜,障害物の幅,障害物から縁石までの幅,縁石高さ,縁石幅,縁石傾斜,車道傾斜,ボルグスケール(以下BS)とした。歩道傾斜は車椅子上に土台を作製し,2個のデジタル傾斜計を横断方向と縦断方向に設置し測定した。縁石と車道の傾斜は小型のデジタル傾斜計を直接路面に接地させ測定した。BSは車椅子の座面に土台との合計が50kgとなるように重りを設置し,エリアを縦断するように検者2名(男性1名,女性1名,年齢27歳)が押した時の主観的疲労度を記録した。歩道環境の客観的な類型化を行うために,多変量解析のクラスター分析を行った。類似度はウォード法を用いてユークリッド法によりクラスター化を行った。【結果】クラスター分析の結果より,IからVIIIのタイプ(以下C-I~C-VIII)に類型化できた。C-I(56地点)は歩道端から障害物までの幅が他の項目に比べ最も広く,障害物がない地点が多かった。C-II(4地点)は,歩道の端から障害物までの幅が障害物から縁石までの幅に比べ広かった。C-III(10地点)は車道寄りに幅の広い障害物があり,縁石に街路樹が隣接している地点が多かった。C-IV(2地点)は歩道の中央部と車道寄りに幅の広い障害物があり,縁石に街路樹が隣接していた。C-V(2地点)は歩道側と縁石側に幅の狭い障害物あった。C-VI(1地点)は幅の広い障害物があり,障害物の両側ともに車椅子走行可能であった。C-VII(1地点)は歩道幅が狭く車椅子走行不可であった。C-VIII(8地点)は歩道側に幅の狭い障害物があり,歩道の端から障害物までの幅が狭かった。BSや路面傾斜での類型化はみられなかった。【結論】クラスター分析による客観的な類型化は,障害物の有無とその位置によりタイプ分けされる傾向がみられた。対象が増加したことで,歩道幅と障害物幅による類型化がみられ,より明確な分類につながったと考える。歩道幅と障害物幅での類型化により,歩行者や車椅子のすれ違いやすさの指標の一つになると考えられる。BSや路面傾斜による類型化がみられなかったことより,調査地点はバリアフリー化が進んでいると考えられる。
  • 草野 昌男, 土佐 正規, 島田 憲宏, 山極 哲也, 大楽 尚弘, 小島 敏明, 織内 竜生, 池谷 伸一, 樋渡 信夫
    Progress of Digestive Endoscopy
    2010年 76 巻 2 号 106-107
    発行日: 2010/06/10
    公開日: 2013/07/26
    ジャーナル フリー
     症例は76歳の男性。平成21年5月中旬より便秘が出現,6月中旬に排便がなくなり,下腹部痛,臍周囲に発赤,膨隆が出現したため当科を受診し入院。CT検査では,S状結腸の壁肥厚,膀胱頭側から臍に連続する膿瘍腔を認め,内視鏡的に粘膜は発赤,浮腫状で狭窄していた。悪性腫瘍の併存も否定できず,外科的切除を行ったが,炎症所見のみで悪性所見はみられなかった。尿膜管遺残が臍周囲膿瘍の形成に関与した稀な症例と考えられた。
  • 日野 晃宏, 本庄 由佳, 石井 禎基, 山野 薫
    理学療法学Supplement
    2014年 2013 巻 1565
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/05/09
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに】今日,ユニバーサルデザインの概念が普及し,高齢者や障害者の外出頻度も向上している。しかし,実際に街が高齢者や障害者にとってやさしい環境に整備されているのか疑問である。そこで,我々は目的地に出かける際,必ず通らなければいけない歩道に着目した。本研究では,姫路市内の歩道の環境を把握する目的で調査を行い,多変量解析のクラスター分析を用いて車椅子を利用する高齢者や障害者の視点から歩道の客観的類型化を試みたので報告する。【方法】本研究では,姫路市の代表的な運行ルートである,神姫バス株式会社の姫路城ループと手柄山ループのバス停留所付近の歩道19地点を調査対象とした。各バス停留所の標識柱から進行方向3m地点を起点とし,車椅子の前輪から後輪の長さ分の帯状のエリアを測定した。測定項目は,車椅子走行の可否,路面性状,街路樹など固定されている障害物の有無,歩道の端から障害物までの幅,歩道傾斜(縦断・横断),障害物の幅,障害物から縁石までの幅,縁石高さ,縁石幅,縁石傾斜(縦断・横断),車道傾斜(縦断・横断),ボルグスケール(以下BS)の15項目とした。測定方法は,歩道幅,障害物の幅,障害物から縁石までの幅,縁石幅はメジャーにて測定した。歩道傾斜を正確に測定するために車椅子上に鉄板を固定して土台を作製し,その鉄板上に2個のデジタル傾斜計(シンワ社製,ブルーレベルデジタル450mm)を横断方向と縦断方向に設置した。縁石と車道の傾斜は小型のデジタル傾斜計(新潟精機製,BB-180A)を直接路面に接地させ測定した。BSは車椅子の座面に鉄板との合計が50kgとなるように重りを設置し,エリアを縦断するように検者3名(男性2名,女性1名,年齢26±1歳)が押した時の主観的疲労度を記録した。歩道環境の客観的な類型化を行うために,多変量解析のクラスター分析(社会情報サービス,エクセル統計2012)を行った。類似度はウォード法を用いてユークリッド法によりクラスター化を行った。【倫理的配慮,説明と同意】環境調査実施にあたっては,道路交通法を遵守し,公共交通と歩行者の通行の妨げとならないよう十分に配慮した。【結果】今回の調査対象はすべて車椅子が通行可能であった。クラスター分析の結果よりIからIVのタイプ(以下C-I~C-IV)に類型化できた。C-Iは13地点が属し,その特徴は,路面性状はアスファルト舗装が主であり,障害物がない地点が多く,障害物がある地点では障害物の幅が狭く,車道寄りに位置していた。BSは9.5±1.7であり4タイプの中で最も高く,介助の負担感が大きかった。C-IIは3地点が属し,その特徴は,路面性状はブロックが主であり,障害物がない,縁石幅が広い,歩道側の高さが高いであった。BSは7.9±0.3であった。C-IIIは1地点が属し,その特徴は,路面性状がブロックであり,障害物が歩道の端に位置したため,歩道の端から障害物までの幅が狭かった。BSは6.7であった。C-IVは2地点が属し,その特徴は,路面性状がブロックであり,障害物が歩道の中央部に位置し障害物の両側ともに通行可能で,縁石幅が広かった。BSは8.2±0.2であった。歩道傾斜については,縦断と横断ともに各タイプの平均値の間にははっきりとした傾向はなかった。また,車道側の縁石高さも各タイプ間で違いはみられなかった。【考察】歩道には様々な種類の環境が想定されるため,環境を把握する足がかりとして,高齢者や障害者の利用頻度が高いと考えられる市街地のバス停留所付近の歩道環境を対象とした。調査対象は整備されており,すべての地点において車椅子が通行できたことより,すでにバリアフリー化が図られていた。しかし,一様にみられた歩道環境にも特徴的な4タイプがあることがわかった。今回のクラスター分析による客観的な類型化は,障害物の有無とその位置,そして縁石幅によりタイプ分けされ,歩道傾斜や段差は類型化にほとんど影響がなかったと考えられる。これは,傾斜が障害物の大きさに対し,比較的小さい数値であったためと考えられる。一方,今回の分析結果より問題点もあることがわかった。C-IIとC-IVは縁石幅が広いため歩道と車道との間の通行に制限が大きい。車道との距離が広がるため安全性は向上するが,出入りの利便性は低下する。そのため,縁石の連続距離を短くする必要がある。C-IIIとC-IVは障害物があるため,交通量が多い場合にはすれ違いなどで障害になる可能性がある。今後,調査対象を増やしていく事で,より明確に類型化でき,日常的な環境だけでなく特異的な環境までも評価できる可能性が考えられる。【理学療法学研究としての意義】歩道環境を客観的に類型化することで,ユニバーサルデザインの取り組みを促進するための課題をみつけることができることを示唆した点に意義がある。
  • 岸本 秀雄, 大村 豊, 大橋 大造, 入谷 勇夫, 小川 弘俊, 大谷 享, 織田 誠, 加藤 雅通, 坂本 英至
    日本消化器外科学会雑誌
    1989年 22 巻 7 号 1895-1898
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
  • 尾関 豊, 山田 直樹, 矢野 好弘, 日野 晃紹, 林 勝知, 堀谷 喜公, 鬼束 惇義, 後藤 明彦, 稲田 潔
    腹部救急診療の進歩
    1985年 5 巻 1 号 167-170
    発行日: 1985/07/25
    公開日: 2011/09/05
    ジャーナル フリー
  • 阿部 俊也, 仲田 興平, 重松 慶一, 中村 聡, 井手野 昇, 池永 直樹, 藤森 尚, 笠 普一朗, 島田 有貴, 小田 義直, 中村 雅史
    膵臓
    2023年 38 巻 4 号 279-285
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2023/10/16
    ジャーナル 認証あり

    症例は48歳,女性,腹痛を主訴に近医を受診し,腹部超音波検査で膵頭部腫瘤を指摘され,精査加療目的に当院を紹介され受診した.造影CTで膵頭部に15mm大の遅延性に増強される充実性腫瘤を認め,MRIのT2強調画像で高信号を示し,EUSでは膵頭部に境界明瞭な15mm大の低エコー腫瘤を認め,画像上は神経内分泌腫瘍や充実性偽乳頭状腫瘍が鑑別診断に挙げられた.EUS-FNBによる生検で束状に増殖した紡錘形細胞を認め,免疫染色でS-100蛋白陽性であることから膵神経鞘腫と診断した.経過観察も検討されたが,核出術での摘出が可能,かつ,症状消失が期待されたため,切除を選択し,腹腔鏡下膵腫瘍核出術を施行した.術後合併症を認めず第12病日に退院となった.最終病理診断も膵神経鞘腫の診断であった.術後に腹痛は消失し,術後1年経過し,再発を認めていない.

  • 松波 英寿, 鬼束 惇義, 福富 督, 味元 宏道, 矢野 好弘, 日野 晃紹, 尾関 豊, 松本 興治, 広瀬 光男
    血液と脈管
    1987年 18 巻 4 号 370-373
    発行日: 1987/08/01
    公開日: 2010/08/05
    ジャーナル フリー
    Anhepatic stage in livertransplantation are accompanied by various coagulation disturbances. Coagulation changes during the anhepatic stage were investigated in hepatectomised dogs. Animals were divided into 3 groups; Group I with total hepatectomy under the V-V bypass using pump without heparinization, Group II with V-V bypass only and Group III with splenectomy only. The platelet count was not changed in Group III but decreased significantly in Groups I and II from 30 minutes after start of V-V bypass. The platelet aggregability was lowered with time in Group I, but stayed unchanged in Group III. Prothombin time (PT) was significantly prolonged in Group I from 30 minutes after V-V bypass start, compared to Group II. The fibrinogen degradation products (FDP) were positive in 40% of the Group I dogs at 30 minutes after V-V bypass start, but became positive in 100% after 3 hours. The positive ratio in Group III did not changed with time. Analysis of the coagulation changes by V-V bypass suggested that at the anhepatic stage, plasma clotting factor deficiencies occur relatively early with the appearance bf FDP resulting in coagulation disturbances.
  • 只友 秀樹, 葦沢 龍人, 安藤 昌之, 丸山 祥司, 原田 佳明, 大沼 忍, 瀧本 雅文, 小 泰久
    日本消化器外科学会雑誌
    2002年 35 巻 4 号 403-407
    発行日: 2002年
    公開日: 2012/02/15
    ジャーナル フリー
    症例は58歳の女性. 肝機能精査目的にて初診. 腹部超音波, CTにて膵体尾部近傍に境界明瞭で周囲臓器よりも低吸収域を示す5×6cm大の充実性腫瘍を認めた. MRCPでは膵管の異常を認めず, 血管造影では動脈から分岐する多数の新生血管がみられ, さらに脾静脈の圧迫閉塞に伴う側副血行路が確認された. 術前画像診断では, 膵原発ないし後腹膜由来の神経原性腫瘍を最も考慮し, 開腹下に摘出術を施行した. 境界明瞭で被膜を有する充実性腫瘍が膵内に形成されており, 膵体尾部, 脾合併切除術を施行した. 病理学的には, 紡錘形細胞が主に束状に増生し, 部分的に核の腫大や不整がみられた. 免疫染色はS-100蛋白陽性であり, Antoni A型の神経鞘腫と診断した. 膵の非上皮性腫瘍は非常に少なく, なかでも神経鞘腫は自験例を含め, 従来14例の報告にすぎず, 極めてまれな症例と考えられたので若干の文献的考察を加え報告した.
  • 野田 定, 手島 研作, 松本 治朗, 石黒 達也, 天崎 寿夫, 吉田 吉信, 片岡 信彦, 藤井 信吾, 小西 郁生, 野田 洋一, 岡村 均, 森 崇英, 北田 光美, 中島 徳郎, 椹木 勇, 堀井 高久, 手島 研作, 野田 起一郎, 木附 公介, 前田 隆義, 神田 隆善, 柳川 泰彦, 亀谷 英輝, 小松 原綾子, 岡本 吉明, 岡村 信介, 植木 実, 杉本 修, 川村 泰弘, 谷澤 修, 田村 博昭, 芝本 拓已, 呂 義良, 中井 康二, 永野 忠義, 新居 延健二, 小林 八郎, 江崎 洋二郎, 清水 保, 利斉 輝郎, 小沢 満, 大石 哲也, 柴田 和男, 岩崎 正憲, 望月 眞人, 田内 圀彦, 林 道治, 林 知節, 河本 至誠, 上田 浩, 加藤 敬也, 中島 裏, 藤原 敏郎, 川村 直樹, 梅咲 直彦, 大鹿 幸信, 塩出 進, 石河 修, 山本 久美夫, 山片 重房, 須川 佶, 野田 恒夫, 安藤 良弥, 中西 彰, 斎藤 滋, 中野 司朗, 日野 晃治, 清塚 康彦, 平岡 克忠, 森山 郁子, 一條 元彦, 小森 慎二, 李 勇鎬, 石田 雄三, 池田 義和, 山崎 ひろみ, 沢井 英明, 柴原 浩章, 小笠原 利忠, 西浦 治彦, 竹村 正, 礒島 晋三
    産婦人科の進歩
    1985年 37 巻 2-3 号 207-212
    発行日: 1985/07/01
    公開日: 2011/10/11
    ジャーナル フリー
  • 佐藤 秀一郎, 谷口 勝則, 尾崎 公彦, 前田 武昌, 春日 正己, 鹿野 実
    医療
    1991年 45 巻 6 号 592-595
    発行日: 1991/06/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    症例:66歳, 男性, 肛門出血を主訴として入院した. 注腸透視, 内視鏡検査から直腸癌と診断し, 直腸切断術を行ったが, 本症例は昭和20年ころにvon Recklinghausen病を発症している. 直腸癌を伴ったvon Recklinghausen病の報告例はまれで本邦5例目である.
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