NM441の中枢神経系,
末梢神経系
, 消化器系ならびに平滑筋に対する作用について検討し, 以下の成績を得た。
中枢神経系: NM441は1,000mg/kgの経口投与でラットの発熱体温を軽度ながら下降させたが, ラットの正常体温, 自発運動量および条件回避反応ならびにマウスの一般症状, 協調運動およびhexobarbital睡眠に対して影響を及ぼさなかった。また, マウスにおいて筋弛緩作用, 鎮痛作用および抗痙攣作用を示さなかった。
末梢神経系
: 活性本体NM394は3mg/kg以上の静脈内投与でネコ上頸交感神経刺激による瞬膜収縮を抑制し, 血圧を下降させた。NM441は1,000mg/kgの経口投与でマウスの瞳孔径に対し影響を及ぼさなかった。NM441 (10
-4M) およびNM394 (10
-3M) はラットの摘出横隔膜神経・筋標本の神経刺激による収縮に対し影響を及ぼさなかった。また, NM441 (0.3%) およびNM394 (1%) はモルモットにおいて局所麻酔作用を示さなかった。
消化器系: NM441は1,000mg/kgの経口投与あるいは十二指腸内投与でラットの胃腸管内輸送能ならびに胃液および胃酸分泌に影響を及ぼさず, 胃粘膜障害作用を示さなかった。
摘出平滑筋: NM441は3×10
-5M以上でウサギ回腸の自動運動を軽度ながら抑制したが, NM394 (10
-3M) は回腸自動運動に影響を及ぼさなかった。NM441 (10
-4M) およびNM394 (10
-3M) はラット子宮の自動運動, acetylcholine, histamineおよびBa
++によるモルモット回腸の収縮ならびにnoradrenalineによるラット輸精管の収縮に対して影響を及ぼさなかった。NM441 (10
-4M) はモルモット気管筋を軽度ながら弛緩させたが, carbacholによる気管筋の収縮に対して影響を及ぼさなかった。NM394 (10
-3M) は気管筋のtonusおよびcarbachol収縮に対して影響を及ぼさなかった。
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