本研究は,後入先出法の学説研究である。2022年後半の急激なインフレーションは,21世紀に入って世界・日本経済が直面したことのない経済環境の変化である。そこで第一次世界大戦前後の急激な物価変動期にアメリカで誕生した後入先出法の学説などを考察し,2022年における景気停滞,急激な物価上昇期の会計学における収益費用アプローチの意義を歴史的背景にたどって,後入先出法の会計学における役割を考察する。
The purpose of this study is to propose a new risk assessment method that complements thecurrent audit risk assessment being conducted by experienced auditors. Specifically, we consider a methodof discriminating high-risk financial figures in account units from the ones to be audited through machinelearning using public financial information. From the practical view point of financial statement audits, therisk of account balances being audited is often recognized by the change in balance compared to the sameperiod of last year and the change in correlation with other related account balances. We use, therefore, theMahalanobis distance as the evaluation variable, a distance concept considering the correlation betweenvariables. In conclusion, we propose a method of discriminating high-risk account combinations byclustering, an unsupervised learning method in machine learning.
中国の不動産企業の中には,住宅の開発・分譲を事業の柱として高収益を上げ事業を拡大してきた企業が多い。本研究では,住宅の開発・分譲を主とする中国不動産企業7社を取り上げ,それら企業の財務上の特徴を,同じく住宅の開発・分譲を主とする日本企業との比較において明らかにする。取り上げる中国企業は,中堅企業4社と大手企業3社である。日本企業6社と比較したときの相違点と日中企業間の類似点を示す。
内部監査では,企業等における様々な領域(業務)を対象にして監査が実施されているが,企業等が実施している監査対象領域数や監査対象領域の相関関係に関する分析は殆ど行なわれていないのが現状である。本研究では,一般社団法人日本内部監査協会の内部監査実施状況調査で公表されているデータに基づいて,わが国の内部監査における監査対象領域(業務)の傾向を分析した。内部監査の対象業務は,1社あたり平均6.2業務で,3〜6業務を対象として監査を実施している企業等が多く,ゴム製品,石油・石炭・鉱業は,監査対象業務数が多いことが分かった。
また,購買業務の監査と
本研究では,財務指標からみられる日本の不動産業の特徴を,財務省発行の「財政金融統計月報:法人企業統計年報」のデータを使って議論する。財務指標は多様であり,それら指標を要約した少数の指標で総合評価したいこともある。本研究ではまず,法人企業統計データから得られる産業間での各財務指標の差を検定し,不動産業と他の産業との間の違いを財務指標ごとに議論することで,不動産業の財務指標が他の産業と異なった特徴をもつことを示す。この後,主成分分析法を用いて,多様な財務指標が2~3の主成分に要約できることを示すと同時に,他の産業に対する不動産業の財務指標上の特徴を明らかにする。
本研究の目的は、DX推進に積極的な企業においてキャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)の短縮傾向が見られるのを、国内企業を対象に検証することである。通常、CCCを短縮するにはITを利活用し在庫管理の適正化を図るなど、DXの取組が有効であると考えられる。ここでは、「DX銘柄」選定企業に注目し、化学業界をサンプルに分析した。その結果、DX銘柄選定実績のある企業4社のCCCと業界平均のCCCいずれにおいても短縮傾向は認められなかった。しかし、過去10年間の平均では、無形資産比率とCCCの間には弱い負の相関が見られたため、無形資産の蓄積が進んでいる企業ほどIT投資などのDX推進がCCCの短縮に寄与していることが示唆される。
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