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クエリ検索: "横山俊朗"
108件中 1-20の結果を表示しています
  • 木口 英子, 山田 茂樹, 太田 雅弘, 秋嶋 由里, 浦尾 弥須子
    日本臨床細胞学会雑誌
    2001年 40 巻 6 号 652-653
    発行日: 2001/11/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    We report a case of pleomorphic adenoma with cystic squamous differentiation of the parotid gland. Needle aspirates of the tumor showed numerous squamous cells without a mucous background. Cuboidal epithelial cells and stromal cells were few. Histopathologically, cystic change in the pleomorphic adenoma formed a large central space lined with stratified differentiated squamous epithelia. Incorrect diagnosis is prevented by paying sufficient attention to determining benign squamous differentiation in pleomorphic adenoma.
  • 扁平上皮細胞がみられる場合のピットフォール
    河原 明彦, 横山 俊朗, 原田 博史, 鹿毛 政義, 安倍 秀幸, 山口 知彦, 杉島 節夫, 矢野 博久, 有馬 信之
    日本臨床細胞学会雑誌
    2002年 41 巻 1 号 28-37
    発行日: 2002/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    目的:唾液腺領域にみられる扁平上皮細胞の形態を明らかにしようと考えた.
    方法:唾液腺領域の穿刺吸引および捺印細胞診を施行し, 扁平上皮細胞がみられた20症例 (非腫瘍性病変2例, 良性腫瘍8例, 悪性腫瘍10例) の背景物質, 核および細胞質の大きさと良・悪性細胞の形態について検討した.
    成績:(1) 壊死背景は, 低悪性度粘表皮癌を除く, 悪性腫瘍にみられ, しばしば非腫瘍性病変や良性腫瘍にも認められることがあった.(2) 核および細胞質の大きさに関しては, N/C比による良・悪性判定が困難な場合があり, N/C比小の悪性細胞やN/C比大の良性細胞の存在が明らかとなった.(3) 良・悪性判定所見は細胞境界, 細胞質変化, 核の緊満感と核小体腫大が重要であった.
    結論:唾液腺領域にみられる扁平上皮細胞の中には, 異型の乏しい悪性細胞や変性を伴う良性細胞を認めることがある. そのため, 扁平上皮細胞の評価において重要なことは, 背景物質や他の構成細胞を含めた総合的な良・悪性判定を行うことである.
  • 捺印細胞診を用いた組織構築との比較検討
    原田 博史, 河原 明彦, 横山 俊朗
    日本臨床細胞学会雑誌
    2001年 40 巻 4 号 397-404
    発行日: 2001/07/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    目的:唾液腺由来粘表皮癌は粘液産生細胞, 中間細胞, 扁平上皮さらに淡明細胞が種々の割合で混じる悪性腫瘍であるが, その生物学的悪性度は様々で, 近年では細胞異型, 組織構築による3段階の細分類が一般化しつつある. 今回われわれは細胞診所見における各亜型間の差異について比較検討を行った.
    方法:症例は本教室に登録されたものから十分な検索に足るものを抽出し, この組織所見と術中迅速診断時に採取した捺印細胞診標本とを比較検討した.
    成績:捺印細胞診では粘液様ないし炎症性の背景中に各細胞が孤立散在性あるいは疎な集塊を形成しながら出現し, 高悪性になるほど細胞異型を増し, 扁平上皮成分が優位になる傾向がみられたが, その他, 出現様式などについては明確な差異は認められなかった.
    結論:高悪性型では細胞診上に明確な粘液産生細胞が現われないなど粘液産生の所見に乏しく, この点が診断上重要な問題点と考えられるが, このような場合, 河原らの記載した, 外形は扁平上皮の特徴を示しながらも胞体内に粘液空胞を有するIn-2型細胞の認識が的確な診断に有用と思われた.
  • 古賀 稔啓, 青山 祐子, 弥永 浩, 菅 記博, 白水 和雄, 杉島 節夫, 横山 俊朗, 吉田 友子
    日本乳癌検診学会誌
    1997年 6 巻 2 号 207-210
    発行日: 1997/06/20
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    乳癌検診の課題は, 早期乳癌を発見することである。現在, 乳癌検診は視触診および分泌細胞診を行っている。1989~95年までに乳頭分泌細胞診385例を経験し, そのうち病理組織学的に検討できた84例について検討したので報告する。乳癌症例は, Class I, II58例中8例 (13.8%), Class III13例中4例 (30.8%), Class V 11例中11例 (100%) であった。これらの分泌細胞診の診断能は, sensitivity 66.7%, specificity 83.1%, accuracy 78.3%であった。また, 同時に行った乳頭分泌に対する潜血反応の診断能は, sensitivity 100%, specificity 44.8%, accuracy は68.3%であった。また, 84例中24例が乳癌症例で, TO症例を5例認め, これらは分泌細胞診全例陽性であった。乳汁分泌を主訴に来院し, 視触診, 超音波, マンモグラフィに精査にて発見できた症例が19例あった。乳癌検診において視触診が中心である現在, それの簡便な補助的診断として分泌細胞診は, 正診率は劣るものの乳汁分泌を契機として発見できるTO症例を引き上げるには重要な方法と考える。
  • 杉島 節夫, 横山 俊朗, 吉田 友子, 金原 正昭, 自見 厚郎, 神代 正道, 亀山 忠光
    日本臨床細胞学会雑誌
    1989年 28 巻 6 号 953-956
    発行日: 1989年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    尋常性天庖瘡の1例を報告した. 症例は38歳男性で, 口腔粘膜の発赤・びらんを主訴とし, 臨床的に多形性滲出性紅斑が疑われ, 口腔粘膜擦過細胞診が施行された. 多数の労基底~ 中層細胞に類似した異型細胞が孤立散在性あるいは平面的な細胞集塊で出現し, 核の腫大, N/C比の増加と単~3, 4個の著明な核小体を特徴とした. しかし核内は明るく核クロマチンの増加は認められなかった. これらの細胞は尋常性天庖瘡に出現するいわゆるTzanck cell (Acantholytic cell) に相当する細胞と考えられた. また, 免疫螢光抗体直接法にて口腔粘膜表皮有棘細胞間にIgGの沈着が認められ, 血中のIgG, IgA値も軽度上昇していた.
  • 外山 比南子, 上村 幸司
    BME
    1999年 13 巻 5 号 30-38
    発行日: 1999/05/10
    公開日: 2011/09/21
    ジャーナル フリー
  • 鐵原 拓雄, 広川 満良, 有光 佳苗, 園尾 博司
    日本臨床細胞学会雑誌
    1999年 38 巻 2 号 148-150
    発行日: 1999/03/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    腋窩の穿刺吸引細胞診で副乳が疑われ, 組織診では線維腺腫であった1例を経験したので報告する. 症例は48歳, 女性で, 腋窩腫瘤および乳腺腫瘤の穿刺吸引細胞診が行われた. 腋窩腫瘤の標本では, 小型で類円形の上皮細胞がシート状, 一部偽乳頭状に出現していた. 核は類円形で, 大小不同に乏しく, 核間距離は密で, 核クロマチンは細か粒状を呈していた. 一部に小型の核小体が1-2個観察された. 集塊内には濃染する紡錘形細胞がみられ, 背景には双極裸核細胞が観察された. 乳腺腫瘤の標本でもほぼ同様の細胞像が観察された. 乳腺腫瘤および腋窩腫瘤の組織診断はともに線維腺腫であった. 副乳およびそれから発生する良性腫瘍の診断には穿刺吸引細胞診が有用と考えられた.
  • 内山 睦美, 亀山 忠光, 原田 博史, 田中 俊一, 楠川 仁悟, 翁 玉香, 横山 俊朗
    日本口腔腫瘍学会誌
    1993年 5 巻 3 号 284-289
    発行日: 1993/12/25
    公開日: 2010/05/31
    ジャーナル フリー
    1984年1月から1992年10月までに久留米大学口腟外科で扁平上皮癌と診断された1次症例中細胞診が施行されたStage I, II69例について検討し以下の結果を得た。
    1.Stage Iの正診率は76.1%, Stage IIは95.7%であった。
    2.部位別には舌, 病型別には白斑型の正診率が低かった。
    3.Class IIIと診断された場合, 悪性を強く疑う必要がある。
  • Kenji Hosono, Homare Akahane, Tadao Okayasu, Hiroki Ohyama
    耳鼻咽喉科臨床 補冊
    2015年 144 巻 106-107
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/11/28
    ジャーナル オープンアクセス
    Myoepithelial carcinoma of the salivary gland is a rarely occurring tumor. We report a case of myoepithelial carcinoma of the parotid gland. A 66-year-old male visited our hospital with a left parotid mass. CT revealed a mass measuring 5.0×4.0 cm in size in the left parotid gland. Aspiration biopsy of the mass was indeterminate. Partial resection of the left parotid gland was performed under the diagnosis of suspected parotid gland carcinoma (cT4aN0M0). Then, surgery to remove the enlarged regional swollen lymph nodes was performed at the same time. Histopathological examination of the surgical specimen showed proliferating atypical spindle-shaped cells. Immunohistochemical study revealed positive staining of the carcinoma cells for cytokeratin, vimentin, and S-100 protein, and slightly positive staining for p53, p63 and MIB-1 (Ki-67). Histopathologically, the resected tumor was diagnosed as myoepithelial carcinoma (pT4aN2b). Since we judged it as a high-grade carcinoma, post-operative radiation therapy was administered at 60 Gy. Eight months later, the patient was found to have multiple metastases in the lung. The lung metastases did not show any response to PF (cisplatin, 5FU) therapy. We therefore started treatment with TS-1 (120 mg/body) to maintain a good QOL of the patient. He developed adverse events 8 months later, therefore, the treatment was switched to UFT (300 mg/body). Finally, the patient died 2 years and 9 months after the operation without local recurrence.
  • 藤尾 由子, 上田 清隆, 山田 徹太郎, 伊藤 往子
    皮膚
    1999年 41 巻 5 号 586-589
    発行日: 1999年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 細胞診における導管上皮細胞と淡明筋上皮細胞の関係について
    河原 明彦, 原田 博史, 横山 俊朗, 鹿毛 政義
    日本臨床細胞学会雑誌
    2006年 45 巻 1 号 50-54
    発行日: 2006/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    筋上皮系細胞が関与する唾液腺腫瘍は, 多形腺腫や腺様嚢胞癌がよく知られているが, 上皮筋上皮癌に対する細胞学的所見やその考え方などは必ずしも一致していない.したがって, 本稿では本腫瘍の構成成分である導管上皮細胞と淡明筋上皮細胞の出現形態およびその関係を明らかにした.さらに, 鑑別診断および淡明細胞を伴う悪性唾液腺腫瘍の診断的留意点についてまとめた.淡明細胞優位の上皮筋上皮癌の質的診断を行う際には, 他の唾液腺腫瘍との違いを理解しておくことが重要であり, α-smooth muscle actinあるいはP63抗体を用いた免疫細胞化学を併用するほうがよい.
  • 河原 明彦, 横山 俊朗, 安倍 秀幸, 山口 知彦, 杉島 節夫, 原田 博史, 鹿毛 政義, 伊豆丸 慎介
    日本臨床細胞学会雑誌
    2001年 40 巻 1 号 42-47
    発行日: 2001/01/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    背景:唾液腺導管癌 (salivary duct carcinoma: 以下SDC) は主に耳下腺に好発するまれな唾液腺腫瘍であり, SDCの細胞像に関する報告は少ない.われわれは耳下腺原発SDCの1例を経験し, 捺印細胞診を用いて詳細な細胞観察を行い, その細胞学的特徴を報告する.
    症例:71歳の男性で, CT, MRIにて右耳下部に約5.0×2.5cmの辺縁不整な腫瘤が認められた.術中迅速時に作製した捺印細胞診標本では, 多量の壊死物質を背景に, 大型で軽度重積性を伴うシート状集塊と豊富な細胞質を有する多稜形細胞が孤在性に出現していた.腫瘍細胞は円柱状から多稜形細胞など細胞質形態に多彩性を有しており, しばしば核内封入体や細胞質内空胞が観察された.組織学的には, 嚢胞状, 充実性, 乳頭状や飾状構造などさまざまな増殖形態を示していた.腫瘍細胞は多稜形細胞や円柱状細胞の他に, アポクリン様の特徴を有した細胞もみられた.
    結論:SDCは細胞形態的に粘表皮癌, 好酸性腺腫および好酸性腺癌や転移性腺癌との鑑別が必要である.そのため, SDCの存在を認識し, 細胞の大きさや細胞形態および細胞質染色性の多彩性に着目した細胞観察が重要である.
  • 綿棒採取法との比較
    横山 俊朗, 吉田 友子, 杉島 節夫, 内山 睦美, 亀山 忠光, 鹿毛 政義, 中島 明彦, 森松 稔
    日本臨床細胞学会雑誌
    1998年 37 巻 2 号 162-167
    発行日: 1998/03/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    口腔粘膜の扁平上皮癌, および上皮の増殖性病変の細胞診において, 歯間ブラシによる細胞採取法が有用であるか, 綿棒採取法との比較検討を行った.
    対象は扁平上皮癌 (高分化型65例, 中等度型7例, 低分化型1例), 良性病変および自然治癒47例で行った.
    良悪性問の細胞数は歯間ブラシによる採取では綿棒の約2.5倍の細胞数の増加がみられ, 細胞集塊数では約4.7倍の集塊数がみられた.腫瘍径による細胞集塊出現数ではT2 (2.1~4cm) はT1 (2cm以下) の約1.2倍の細胞の増加がみられ腫瘍径が大きくなるほど細胞数が多くなった.
    肉眼的腫瘍発育形態による細胞数については潰瘍型, 硬結型, 乳頭型, 白斑型, 肉芽型, いずれも2~3倍の細胞数の増加がみられ, 特に外向性発育を示す白斑型, 肉芽型において顕著であった.歯間ブラシによる採取法の利点としては第一に細胞数の増加, 第二に細胞集塊として採取されるため, 腫瘍細胞間の極性の乱れ, 核間距離の不整, 細胞密度が観察可能な点があげられる.さらに細胞分布は綿棒採取法に比べ均一に塗抹される場合が多く, 壊死物質や炎症細胞に重なった細胞の見落としを防ぐことができた.
    以上の結果より, 口腔病変, 特に上皮の増殖性病変における細胞診断に歯間ブラシは有用と考えられた.
  • 佐々木 卓也, 片田 彰博, 長門 利純, 岸部 幹, 荻野 武, 林 達哉, 原渕 保明
    耳鼻咽喉科臨床
    2009年 102 巻 12 号 1033-1037
    発行日: 2009年
    公開日: 2011/06/10
    ジャーナル 認証あり
    Epithelial-myoepithelial carcinoma (EMCa) comprises less than 1% of all salivary gland neoplasms and mainly involves the major salivary glands, especially the parotid gland. We report on a case of an EMCa arising from the parotid gland. An 86-year-old woman visited our hospital with a painless mass in the left subaural region which had been present for two years. Head and neck imagings revealed a 28×30 mm mass in the left parotid gland. There was no apparent facial nerve involvement on clinical evaluation. A pleomorphic adenoma was suspected following cytodiagnosis of a needle biopsy specimen. The tumor was resected with the left superficial part of the parotid gland on November 6, 2006. Histopathological and immunohistochemical examination revealed that the inner cells had differentiated to the ductal epithelium and outer cells to the myoepithelium. Consequently, the final diagnosis was an epithelial-myoepithelial carcinoma. Two years after surgery, the patient’s postoperative course has been uneventful.
  • 和田 江身子, 鴻池 資啓, 木下 康枝, 大橋 功, 弓場 吉哲, 小橋 陽一郎
    日本臨床細胞学会雑誌
    2004年 43 巻 3 号 155-160
    発行日: 2004/05/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    目的および対象:当院で過去10年間に行われた唾液腺穿刺吸引細胞診453例 (511検体) 中, 組織診断が明らかな249例を対象とし, 唾液腺穿刺吸引細胞診の成績をまとめ, 若干の知見を得たので報告する.
    成績:唾液腺穿刺吸引細胞診の正診率は96.2%, 特異性98.6%, 感度72.7%, 細胞採取不良による判定不能例は13例であった. 誤陽性は3例で, 多形腺腫を腺様嚢胞癌および腺房細胞癌, 基底細胞腺腫を粘表皮癌と誤判定した.誤陰性は6例で, 悪性リンパ腫と診断しえなかった3例と多形腺腫内癌を多形腺腫, 粘表皮癌を多形腺腫, 腺房細胞癌をワルチン腫瘍とした各1例であった.
    結論:唾液腺穿刺吸引細胞診は治療指針の決定や術前検査として非常に有用とされており, 唾液腺穿刺吸引細胞診の精度の向上にさらに努めていく必要がある. また, 唾液腺悪性リンパ腫は, 組織学的にも反応性と腫瘍性の鑑別困難な症例が多く, 細胞診では確定診断しがたいと思われる. 今後, 細胞診材料でも, 形態学的診断に加え, 免疫染色やpolymerase chain reaction (PCR) 法などの分子生物学的手法を取り入れた総合的な診断が必要と考えられた.
  • 河原 明彦, 横山 俊朗, 杉島 節夫, 原田 博史, 林 逸郎, 島松 一秀, 鹿毛 政義
    日本臨床細胞学会雑誌
    1999年 38 巻 6 号 497-503
    発行日: 1999/09/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    耳下腺原発粘表皮癌4例の捺印細胞診標本を用いて, 粘液細胞, 扁平上皮細胞, 中間型細胞の細胞学的特徴とその出現傾向, および組織標本との比較検討を行った. 本腫瘍の粘液細胞領域および扁平上皮細胞領域の組織学的分布は症例間で異なるため, 局所から採取された捺印細胞診標本の細胞像は, 必ずしも組織標本に対応していなかった. そのため細胞診において粘表皮癌を推定するために, 粘液細胞, 扁平上皮細胞, 中間型細胞の3者を6つの型に細分類した. すなわち, 著明な粘液産生性のため杯細胞に類似したMu-1, 核偏在性で淡染性細胞質を有すMu-2, 核中心性で細胞質に乏しいIn-1, 重厚感のある細胞質と粘液様空胞を有すIn-2, N/C比大で層状構造を有すSq-1, 多核細胞を含む多稜形細胞質を有すSq-2である. これら6型の細胞の出現傾向をみると中間型細胞 (In-1, 2) が中心をなし, 粘表皮癌の診断に当ってIn-1, 2の同定が重要であると考えられた. 粘表皮癌を構成する粘液細胞, 扁平上皮細胞, 中間型細胞は, 細胞質および核所見により微妙に異なる細胞形態を示すため, 各細胞の特徴を十分に認識しておく必要がある.
  • 小山 芳徳, 麻生 晃, 長尾 俊孝, 石田 康生, 菅野 勇, 浅井 昌大, 棟方 滋, 長尾 孝一
    日本臨床細胞学会雑誌
    2000年 39 巻 4 号 263-269
    発行日: 2000/07/22
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    背景: 唾液腺原発の基底細胞腺癌はWHO分類第2版 (1991) に新たに追加された新しい概念のまれな低悪性度腫瘍である.今回われわれは, 右耳下腺に発生した基底細胞腺癌の1例を経験したのでその細胞像, 組織像, 電顕像ならびに免疫組織化学的所見について報告する.
    症例: 68歳の女性で右耳下腺腫瘍にて当院耳鼻科を紹介された.CT上, 腫瘍は24×14mm大で一部周囲で境界が不明瞭であった.穿刺吸引細胞診にて細胞は上皮様結合を示した大型の細胞集塊を形成しており一部では脂肪細胞に絡まるように出現していた.腫瘍細胞の集塊辺縁部にはpalisading状の配列を示し, 集塊からのほつれ像もみられた.腫瘍細胞は小型卵円形N/C比の高い細胞で核クロマチンの増量を認めた.組織学的には, 基底細胞様の配列を示す腫瘍細胞が充実胞巣状に浸潤性増殖を示していた.免疫組織化学的に腫瘍は上皮, 筋上皮双方へ分化を示す細胞から成っていた.また, Ki-67の陽性細胞率が比較的高い数値を示し, p53とEGFRに陽性であった.
    結論: 基底細胞腺癌は鑑別を要する疾患も多く, 特に細胞所見のみでは良悪性の鑑別が困難なことがまれではないが細胞学的には本症例でみられた基底細胞型腫瘍細胞の脂肪細胞に絡まるようにして出現する集塊は基底細胞腺癌に特徴的であり, 本腫瘍の穿刺吸引細胞診での病変推定に重要な所見と考えられた.
  • 野路 武寛, 平 康二, 菱山 豊平, 中村 豊, 竹内 幹也
    日本臨床外科学会雑誌
    2003年 64 巻 8 号 1851-1853
    発行日: 2003/08/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    副乳腺に発生する癌は比較的稀で,全乳癌の0.2-0.6%で認められるとされている.今回われわれは,慢性腎不全にて血液透析中の患者に発生した副乳癌の症例を経験したので報告する.症例は42歳,女性.慢性腎不全にて血液透析中であった.左腋窩の2 cm大の腫瘤を主訴に来院し,平成14年4月腫瘤の切除生検を行ったところ,浸潤性乳管癌(充実腺管癌)と診断された.画像診断にて乳房病変のないことを確認し,副乳癌の診断にて広範囲局所切除,リンパ節郭清を行った.病理検査にて充実腺管癌と副乳腺組織を認め,乳腺外側領域との連続性を認めなかったため副乳癌と診断した.腋窩リンパ節転移は3個認め,ホルモンレセプターは陰性であった.術後補助療法として経口抗癌剤投与を行っているが,術後9カ月現在再発を認めていない.副乳癌の診断,治療および補助療法について本邦報告例から文献的考察を行った.
  • 嚢胞内乳頭腫と嚢胞内乳頭癌を中心に
    横山 俊朗, 吉田 友子, 杉島 節夫, 古賀 稔啓, 一本杉 聡, 島 一郎, 鹿毛 政義, 神代 正道
    日本臨床細胞学会雑誌
    1995年 34 巻 4 号 614-620
    発行日: 1995年
    公開日: 2011/11/08
    ジャーナル フリー
    乳腺の嚢胞内乳頭状腫瘍に由来する塗抹細胞像の良悪性の鑑別点を明らかにすることを目的に, 嚢胞内乳頭腫4例, 嚢胞内乳頭癌7例を対象に細胞計測を含む細胞学的検討を行った。
    嚢胞内乳頭腫と嚢胞内乳頭癌の細胞を細胞集塊および孤立散在性細胞について観察した結果, おのおの細胞学的特徴がみられた.
    要約すると嚢胞内乳頭腫では細胞核の長軸方向は一方向性で細胞集塊が形成されていた. 個々の細胞は豊富な細胞質を有し, 背景にはアポクリン化生様細胞の混在をみた.
    嚢胞内乳頭癌では細胞核が細胞集塊から飛び出す所見がみられた。孤立散在性に出現する嚢胞内乳頭腫においては, 細胞質は部分的に重厚感がみられ核は中心性であり一部に細胞質に空胞化がみられた. 嚢胞内乳頭癌においては裸核状細胞がみられた.
    嚢胞内の悪性細胞の核長径は平均9.2μmで良性細胞に比べ1.2倍と有意に大きかった. 核長径の変動係数は良性例25.2%, 悪性例は18.3%と良性例に核長径の大小不同性が高くみられた. 一方, 核面積は良性例33.0%, 悪性例34.5%と核長径ほどの大きな変動係数の差はみられなかった. 良性例の方が核長径の大小不同性は高く, 多彩になる傾向にあった.
    嚢胞内の遊離細胞の診断のうえで重要な点は, 弱拡大による細胞集塊構築の詳細な観察と孤在性にみられる細胞の総合的な判定が重要と思われた.
  • 高安 秀樹, 佐藤 隆, 横山 俊朗
    Medical Imaging Technology
    1997年 15 巻 5 号 587-
    発行日: 1997年
    公開日: 2016/03/16
    ジャーナル フリー
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