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クエリ検索: "毛巣洞"
158件中 1-20の結果を表示しています
  • 大沼 眞廣, 石崎 力久, 北 愛里紗, 北田 文華
    創傷
    2020年 11 巻 1 号 8-12
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/01/05
    ジャーナル フリー

     

    毛巣洞
    は体毛の刺入などによって発生する疾患で,仙骨部に好発する。その手術方法に関してはさまざまな報告があるが,われわれは殿裂の平坦化を目的として transposition flap を施行している。今回この方法を施行した過去約6年間18例に関して,疫学的特徴とともにその術後経過を調査した。結果,当科で治療を行った患者は男性や若年者,肥満者が多く,職業に関しては一定の傾向を認めないという過去の報告と類似した特徴をもっていた。そして
    毛巣洞
    手術で最も焦点となる再発率は,18例中,6ヵ月以上の経過観察が可能であった11例で9.1%と十分に低く,transposition flap は有用な方法であると考えられた。一方で創離開を生じる割合は高く,今後はその割合を減少させる方法を検討する必要がある。

  • 徳岡 晋太郎, 末延 耕作, 高田 温行, 稲川 喜一
    創傷
    2012年 3 巻 4 号 212-214
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/10/01
    ジャーナル フリー
  • 小松 大介, 高橋 耕平, 窪田 晃治, 小川 玄洋, 久米田 茂喜
    日本臨床外科学会雑誌
    2004年 65 巻 2 号 536-539
    発行日: 2004/02/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    毛巣洞
    は20歳前後の肥満と多毛の男性の仙骨部に好発する比較的稀な疾患である.症例は33歳の男性. 2001年7月より臍炎を繰り返し,抗生剤経口投与による5回の治療歴があった. 2002年12月25日,再び臍部痛が出現し当科外来受診.腹部CT検査で臍から尾側に2×2cm大の管腔状の腫瘤を認め,尿膜管遺残症の感染と診断した.抗生剤により炎症が消退した2003年1月22日に手術を施行し,臍部の腫瘤とともに可及的に尿膜管を摘除した.摘出標本で腫瘤内腔に毛髪が存在し,病理組織学的所見では同部に内芽組織と,炎症細胞浸潤を認めた.尿膜管は開存していたが明らかな炎症所見を認めなかった.以上より臍部に発生した
    毛巣洞
    と診断した.治療は腹膜への炎症波及の可能性もあり,再発防止の観点からも臍を含めた病巣の完全切除が重要である.
  • 山中 秀高, 小野 要, 佐藤 達郎
    日本臨床外科学会雑誌
    2005年 66 巻 3 号 758-761
    発行日: 2005/03/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    毛巣洞
    のほとんどが仙骨部に発生し,その他の部位には少ない.今回われわれは臍部の1例を経験したので報告する.症例は27歳,男性. 2カ月前から続く臍部痛,発赤,膿排出を主訴に受診した.身長180cm,体重105kgと肥満があり,体毛は硬く多かった.臍部に10mm大の腫瘤を触知した.腹部CTで臍窩に一致した造影される高吸収域を認めた.尿膜管や卵黄腸管遺残を示唆する瘻孔は認めず,難治性臍炎の診断で約3カ月間,外来治療を行ったが軽快増悪を繰り返すため,臍切除術を施行した.摘出標本で
    毛巣洞
    と診断された.臍部
    毛巣洞
    は自験例を含め本邦報告5例と稀で,硬毛多毛な青年男子に好発している.しかし肥満との関係は不明であった.尿膜管や卵黄腸管遺残との鑑別はUSやCTが有用だが,臍炎とは困難で,病悩期間が長くなりやすい.そのため4週間以上継続,あるいは3カ月以上軽快増悪を繰り返す場合,本疾患も考慮し,手術を行うことが肝要と思われた.
  • 添野 武彦, 桜庭 清, 須郷 貴和, 佐藤 勤
    日本臨床外科医学会雑誌
    1989年 50 巻 1 号 183-186
    発行日: 1989/01/25
    公開日: 2009/04/21
    ジャーナル フリー
    毛巣洞
    は,欧米人に多い疾患ではあるが,本邦においてもそれほど稀なものではなく,外来で遭遇する機会も多い.我々は相次いで4例の本症例を経験し,2例にW形成術を施行し良好な結果を得た.症例は23~39歳,男性3例,女性1例である.26歳の男性症例では,病巣の単純な切除縫合が行われたが,創治癒までには2回の手術が行われた.そこで他の3例にはZおよびW形成術が行われた.これらの術式は,
    毛巣洞
    の成因である殿裂の回転運動による瘻孔の内部への入り込みを防ぎ,発生原因を根本的に取除く方法である.特にW形成術は,Z形成術に較べて切除後の縫合に無理がなく,合理的な術式と思われる.
  • 佐々木 茂, 竹末 芳生, 児玉 節, 村上 義昭, 津村 裕昭, 新原 主計, 今村 祐司, 立本 直邦, 赤木 真治, 熊谷 元, 松浦 雄一郎, 横山 隆
    日本臨床外科医学会雑誌
    1996年 57 巻 11 号 2822-2827
    発行日: 1996/11/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    1987年から1995年の間に5例の
    毛巣洞
    症例を経験した.全例やや肥満で多毛な若年男性であった. 5例中4例が他院にて痔瘻,仙骨部膿瘍,放線菌症疑いの診断のもと不十分な治療を施されていた.
    手術は4症例に大殿筋筋膜皮弁によるRotation Flap法を, 1症例にMarsupialization(日本語で“造袋術”と訳される)法を用いた.
    毛巣洞
    手術の基本的考え方は,病巣の完全切除,死腔形成の防止,縫合部に過度の緊張がかからないようにするということである. Rotation Flap法は両側大殿筋筋膜を縫合するため,皮膚縫合の減張が図られ合理的である.またMarsupialization法は,創縁皮膚と創底をかがり縫いすることによって創面を縮小化させ,皮膚の不全癒合による死腔形成防止という意味において合理的である.
    毛巣洞
    の手術法において,大殿筋筋膜皮弁によるRotation Flap法と, Marsupialization法は有用な方法であると考える.
  • 藤田 美幸, 成田 智彦, 大磯 直毅, 川田 暁
    皮膚の科学
    2014年 13 巻 4 号 285-289
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/11/08
    ジャーナル 認証あり
    29歳男性の
    毛巣洞
    再発例について報告した。術前にコンピュータ断層撮影と核磁気共鳴画像法で仙骨部に再発した病変を検討し,瘻孔の大きさ,先天奇形がないこと,筋膜や骨に浸潤がないことを確認した。瘻孔部にクリスタルバイオレットを注入し,周囲正常組織を含め病変の残存がないように切除した。病理組織像で表皮と連続し多数の毛髪を含む瘻孔の形成と,その周囲に好中球,リンパ球,形質細胞などの炎症細胞浸潤を確認した。術後には肥満の解消,長時間の座位の回避などの生活指導を実施した。
    毛巣洞
    では,術前の画像評価,肉芽組織を含めた瘻孔の完全な切除,術後の生活指導が重要であると考えられた。(皮膚の科学,13: 285-289, 2014)
  • 森崎 善久, 佐野 晋司, 古家 隆司, 中村 栄秀, 藤野 啓一, 石川 雅久
    日本臨床外科学会雑誌
    1998年 59 巻 5 号 1250-1253
    発行日: 1998/05/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    過去18年間に経験した
    毛巣洞
    症例30例を臨床的に検討した.年齢は18歳から37歳,平均23.8±5.1歳で,男性29例,女性1例であった.男性29例は全て陸上自衛官であった.発生部位は全例が仙骨尾部であった.術前診断は28例はPilonidal Sinusであったが, 2例は痔痩と感染性粉瘤であった.初発症状は圧痛を伴う腫張が13例と最も多く,続いて腫瘤が10例,痔痛のみが4例および排膿が3例であった.病悩期間は3日から180カ月,平均13.8カ月であった.治療法は28例に対して広範切除と一次縫合を行い,残る2例は切開排膿のみであった.切除術を施行した28例中14例に創の〓開が生じ,うち2例は術後30日以上の入院を要した.よって,症例によっては縫合法の工夫が必要と考えられた.
  • 廣田 真弓実, 柴田 真一, 河合 正博, 黒田 潤, 安江 敬, 榊原 章浩, 富田 靖
    日本皮膚科学会雑誌
    2006年 116 巻 6 号 923-926
    発行日: 2006/05/20
    公開日: 2014/12/10
    ジャーナル 認証あり
    23歳男性の臀部慢性膿皮症と,24歳男性の
    毛巣洞
    の臀部瘻孔に対し,術前に超音波検査を施行し,瘻孔の部位と形状を確定し得た.超音波診断法は,非侵襲的に瘻孔病変の広がりや内容を確認でき極めて有用であり,X線瘻孔造影検査に代わり,おおいに利用されるべきである.
  • 初岡 佑一, 小野 真平, 大井 一輝, 小川 令
    日本医科大学医学会雑誌
    2023年 19 巻 4 号 339-342
    発行日: 2023/12/25
    公開日: 2024/01/24
    ジャーナル フリー

    We report a case of a cutaneous fistula in a child's toe, along with a review of the literature. The patient was a 5-year-old boy whose mother noticed a depressed region at the base of the right first toe when he was 2 years old. The depression persisted with time, so he was referred to our department. During the initial visit, a cutaneous fistula with a diameter of 1 mm and a depth of 2 mm was observed at the base of the toe. Surgical excision was performed, and histopathological findings demonstratd that the fistula wall consisted of multilayered squamous epithelium with a prominent stratum corneum. Postoperative follow-up showed no recurrence. Cutaneous fistulas can be categorized as congenital or acquired. Congenital ear fistulas are caused by a failure of fusion of the auricular tubercle or remnants of the first branchial cleft during the development of the ear. No congenital cutaneous fistulas have been identified arising solely in the limbs. With regard to acquired fistulas, pilonidal sinus has been reported, as have underlying infections and foreign bodies, but none of these were present in our patient. Pilonidal sinuses can form fistulas, cysts, or granulomas containing hair; they occur predominantly in the sacral region, but rarely in the interdigital area. Eight cases have been reported between the fingers, and three between the toes since 2000, mostly in patients working in hair-related occupations, such as barbers, hairdressers, dog trimmers, and sheep shearers. Hair and wool have been identified within the fistulas in the lesions of those working in these occupations. With interdigital sinuses, it is believed that hair clippings penetrate the skin, causing foreign body reactions that result in fistulas which then spread as the hair repeatedly penetrates the fistulas via abrasions of the surrounding skin. In our patient, neither the affected child nor his family had a history of hair exposure or pet ownership. However, considering the lack of previous reports of congenital cutaneous fistulas of the toes and the unlikelihood of a cutaneous fistula developing naturally in such an anatomical site, we thought the probability of an acquired interdigital pilonidal sinus was high. Cutaneous fistulas occurring in the toes are rarely reported in the literature, and reports of more cases will be necessary to elucidate the pathogenesis of this disease.

  • 柿本 香, 小西 礼子, 草壁 秀成, 清金 公裕
    皮膚
    1997年 39 巻 1 号 82-85
    発行日: 1997年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    19歳の男性に生じた,
    毛巣洞
    の1例を報告した。患者は毛深く, 発症の前に臀部を打つという既往があった。臀部の毛は硬く, 啓部両側から腎裂へむかって流れる毛の合流部に病変が生じていた。このため, 病変部切除後, 第1に張力を解除し, 縫合部を凸にすること, 第2に毛の流れを変えることを目的にZ形成術を加え縫合した。その後3年間, 再発は見ていない。
  • 東田 敏明, 西嶋 攝子, 大島 茂, 鈴木 健司
    皮膚の科学
    2002年 1 巻 1 号 5-6
    発行日: 2002年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 平賀 教子, 戸所 由起子, 平賀 剛, 山田 朋子, 藤本 美津夫, 清澤 智晴, 大槻 マミ太郎, 中川 秀己
    皮膚
    2000年 42 巻 3 号 356-359
    発行日: 2000年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    19歳, 女性。10歳頃より顔面・左耳朶・両上肢に次々と骨様硬の皮下腫瘤・隆起性病変が出現した。他院にて2個, 当院にて4個が摘出された。いずれも組織診断は石灰化上皮腫であった。未摘出のものを含めると全に9個と数多く多発していた。筋緊張性ジストロフィー等の全身性合併症やCa・P代謝異常はない。た, 母及び母方祖母に硬い皮膚良性腫瘍摘出の既往があり, 家族内発生も示唆された。
  • 田中 香織, 天岡 望, 西科 琢雄
    日本臨床外科学会雑誌
    2017年 78 巻 6 号 1427-1430
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/12/30
    ジャーナル フリー
    毛巣洞
    に対する根治術としては洞の完全切除が必要であるが,単純切除縫合では再発も多く,創離開することも少なくない.これに対して今まで様々な形成術が報告されているが,今回われわれはW形成術を採用し良好な結果を得た症例を経験したので報告する.症例は22歳の男性.数年前からの仙骨部の腫瘤,排膿,出血を主訴に当院を受診した.仙骨部に2箇所の開口部を有する約7cmの瘻孔を確認した.
    毛巣洞
    と診断し全身麻酔下で手術を施行した.皮膚切開は瘻孔部を囲む稲妻型とした.瘻孔を完全に切除後,皮弁形成のために左右の大臀筋筋膜上で十分に皮下脂肪層を剥離授動した.皮膚縫合は緊張なく施行可能で,術後8日目に退院した.W形成術は切除後の縫合に無理をきたすことなく,また
    毛巣洞
    の成因である臀裂の回転運動による瘻孔の内部への入り込みを防ぎ,発生原因を根本的に取り除く方法として,合理的な術式であると考えられる.
  • 林 正吾, 松下 英信, 荘加 道太, 日比野 壯貴, 大河内 治, 川瀬 義久
    日本臨床外科学会雑誌
    2016年 77 巻 2 号 459-462
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/08/31
    ジャーナル フリー
    症例は35歳,男性.3カ月前より臍からの滲出液を自覚し,2週間前から臍下部にしこりを触れるようになったため近医を受診し,尿膜管遺残の疑いで当院へ紹介となった.受診時は臍から黄色漿液性の滲出液を認め,臍下部に2cm大の硬結を触知した.発赤腫脹や熱感は認めず,臍部から陰部にかけての多毛を認めた.腹部CT所見では,臍下部に脂肪織の濃度上昇を認めるも,膀胱へと連続する索状物はなく尿膜管遺残の所見は認めなかった.手術所見では,臍下部を切開して周囲組織から剥離していくと,腫瘤内部から少量の白色膿汁および毛髪が露見した.嚢腫の剥離を慎重に進めていくと,嚢腫は臍と瘻孔で通じており,瘻孔内にも毛髪の束が充満していた.以上より臍部に発生した
    毛巣洞
    と診断した.臍部
    毛巣洞
    の本邦報告例は自験例を含めて6例しかなく,極めて稀である.毛髪の刺激が炎症の原因となるため,根治のためには外科切除が必要である.
  • 中野 美沙, 古賀 哲也, 居石 克夫, 桐生 美麿, 古江 増隆
    西日本皮膚科
    2011年 73 巻 5 号 478-481
    発行日: 2011/10/01
    公開日: 2012/01/18
    ジャーナル 認証あり
    25歳,男性。消防士で,腹部に摩擦の加わる訓練をしていた。3週間前に臍から臍右側に移動する痛みを自覚し,臍右側の皮下結節に気づいた。臍周囲から下腹部にかけて多毛を認め,臍右側に約3×2cmの硬い皮下結節を認めた。エコー所見では,内部エコーが不均一な iso-hypo echoic mass を認め,単純CTでは,境界不明瞭な淡い濃度上昇部を認めた。手術所見では,皮下脂肪織内に黄白色調の硬い結節を認め,割面に体毛を確認した。病理組織学的には,皮下の毛幹の周囲に好中球,組織球の密な浸潤と異物型巨細胞を含む異物反応を認め,膿瘍を伴う異物肉芽腫の像を呈していた。以上の所見より,臍右側に皮下結節を呈した pilonidal disease と診断した。多毛傾向のある若い男性の臍周囲に生じる皮下結節のひとつとして本疾患を挙げる必要があると考えた。
  • 畑 嘉高, 増田 芳夫
    日本大腸肛門病学会雑誌
    2013年 66 巻 3 号 183-187
    発行日: 2013年
    公開日: 2013/02/28
    ジャーナル フリー
    今回我々は,日本産のクシャーラ・スートラ(金沢糸1号)を使用した
    毛巣洞
    の治療を行い良好な結果を得たので報告する.
    症例は35歳男性,肛門部腫脹を主訴として来院した.1時から3時および7時方向に肛門周囲膿瘍を認めた.仙骨部に膿瘍の自潰を認めた.
    3時と7時に一次口を認め,低位筋間痔瘻と診断した.仙骨部の膿瘍は肛門および痔瘻との交通を認めず,
    毛巣洞
    と診断した.
    痔瘻はシートン法および金沢糸1号を用いたシートン法にて治療し,痔瘻の術後3日後に
    毛巣洞
    に対し金沢糸1号を用いたシートン法を施行した.61日間で8回の糸交換を行った.その経過中に瘻孔より尾側の正中線上の
    毛巣洞
    に新たな瘻孔を二ヶ所認めたため各々金沢糸1号を用いたシートン法を施行した.各々15回,10回の糸交換を行った.術後91日目に仙骨部より毛髪の排出を認めた.術後176日目に上皮化を認め治癒とした.
    術後7年まで経過観察し再発は認めなかった.
  • 松浦 雄祐, 太田 博文, 宗方 幸二
    日本大腸肛門病学会雑誌
    2023年 76 巻 5 号 377-380
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/27
    ジャーナル フリー

    【背景】

    毛巣洞
    は仙骨部正中に,体毛の多い男性に好発する疾患であり,根治術としては洞の完全切除が必要であるが単純切除縫合では,創離開することも少なくない.今回,仙骨部の
    毛巣洞
    に対してRhomboid flap(菱形皮弁)形成術にて良好な創癒合を得た症例を経験した.

    【症例】患者は34歳男性.3週間前より仙骨部に膨隆・疼痛が出現したため近医を受診し,

    毛巣洞
    が疑われたため当院紹介受診した.仙骨部正中に径3cm程度の平坦な隆起を認め,軽度の圧痛を認めた.
    毛巣洞
    と診断し,腰椎麻酔下にて手術をした.皮膚切開は隆起部を含む菱形とし,皮下に嚢腫様の腫瘤を認め,同部を損傷しないように完全に切除した.切除部位の左側に菱形皮弁(Rhomboid flap)を作成し,創部に緊張がかからないように欠損部位に転位させ皮膚縫合した.術後半年,創部癒合は良好であった.

  • 新垣 淳也, 荒木 靖三, 野明 俊裕, 的野 敬子, 鍋山 健太郎, 岩谷 泰江, 岩本 一亜, 小篠 洋之, 佐藤 郷子, 高野 正博, 佐村 博範, 西巻 正
    日本大腸肛門病学会雑誌
    2014年 67 巻 5 号 310-316
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/04/30
    ジャーナル フリー
    目的:
    毛巣洞
    に対する当院で行ったV-Y plastyの手技と成績について報告する.対象と方法:2006年から2012年までの
    毛巣洞
    手術症例14例を対象とし,V-Y plastyの手術治療経験についてretrospectiveに検討した.結果:平均年齢31.5歳(16~48歳),全例男性.平均体重75.5kg(63.4~92kg),BMI 26.0kg/m2で,25kg/m2以上の症例は8例(57.1%)であった.病悩期間は平均15.5ヵ月(3日~5年),平均手術時間45.3分,術後合併症は6例(42.9%)のうち,創感染5例,創部不良肉芽形成1例であった.皮弁壊死など重篤な合併症はなかった.術後再発症例は認めていない.考察:病巣切除,一期的創閉鎖,V-Y plastyは,手術手技が容易で再発が少なく安全性が高いことより容認できる手術術式である.今後症例を蓄積しながら慎重な経過観察が必要である.
  • 吉井 大貴, 磯野 香織, 山本 裕俊
    日本小児外科学会雑誌
    2018年 54 巻 2 号 290-294
    発行日: 2018/04/20
    公開日: 2018/04/20
    ジャーナル フリー

    症例は5か月女児.生後2か月時に左側腹部の有毛性瘻孔に気付かれた.生後3か月時より瘻孔部の発赤を認めて抗菌薬治療が行われたが改善せずに当院紹介となった.初診時,瘻孔の周囲に約1 cmの皮下膿瘍を認めた.超音波検査で瘻孔は左腎下極レベルに存在し,背側へ約15 mm向かい胸腰筋膜の手前で盲端となっていた.炎症の消退後に施行したMRIで,深さ約17 mmの瘻孔は皮下脂肪内で盲端となり脊椎管との交通は認めなかった.その後も局所感染を繰り返したため生後5か月時に摘出手術を行った.瘻孔は皮下脂肪内で盲端に終わり全摘出できた.病理所見では角化を伴う重層扁平上皮で覆われ毛包を伴っており,先天性皮膚洞と考えられた.一般的に先天性皮膚洞は頭部からの仙尾部の正中皮膚に開口する小さな管腔あるいは陥凹とされている.本例は開口部が側腹部で非正中部と非常にまれな部位であったが,発症年齢より先天性皮膚洞と考えられた.

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