琵琶湖三井寺沖と
淀川
下流の柴島地点において全菌数と生菌数の季節変化を調べた。DAPI染色による全菌数は,琵琶湖では1.3×10
6-1.4×10
7cells・ml
-1,
淀川
では2.5×10
6-4.0×10
7cells・ml
-1の範囲で変動した。生菌数は琵琶湖より
淀川
の方が多く,高濃度有機物培地増殖細菌数は琵琶湖では3.3×10-3.7×10
3CFU・ml
-1,
淀川
では1.3×10
4-7.2×10
4CFU・ml
-1,低濃度有機物培地増殖細菌数はそれぞれ1.7×10
3-1.0×10
5CFU・ml
-1と7.1×10
4-1.4×10
6CFU・ml
-1であった。低濃度有機物培地増殖細菌数/全菌数の比率は,琵琶湖では最大でも25%であったのに対し,
淀川
では27.4%に達し,これらの生菌数の割合が琵琶湖よりも
淀川
において高いことがわかった。両地点とも,全菌数とBODやKMnO
4消費量との間には相関は認められなかったが,琵琶湖では低濃度有機物培地増殖細菌数とBODとの間には負の相関が,
淀川
では正の相関が認められた。高濃度有機物培地増殖細菌とKMnO
4消費量の間には,琵琶湖,
淀川
共に正の相関が認められた。
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