目的:The Southampton Hand Assessment Procedure(SHAP)は12項目の物品移動検査と14項目のADL検査で構成された上肢機能検査である.今回,脳卒中の上肢機能麻痺の評価としての有用性を検討した.
方法:脳卒中患者143名を対象とし,SHAP日本語版と既存の上肢機能評価との併存的妥当性を検証した.また,麻痺手が利き手か非利き手かの違いについても検討した.
結果:SHAP日本語版と既存の上肢機能評価法との間に併存的妥当性が示された.麻痺手の違いでは,利き手麻痺群で主観的評価スケールにおいて強い相関が得られた.
考察:SHAP日本語版は義手のみでなく脳卒中の上肢機能評価としても有用である可能性が示唆された.特に,軽度の上肢機能麻痺評価に適していることが示された.さらに,日常生活での麻痺手の使用に関しては,利き手麻痺のほうがより使用状況を反映することが示唆された.
抄録全体を表示