初年度班研究の本症の患者予備調査に続いて, 第2年度には調査票を修正して, 班員10施設の成人アトピー症例の調査を行った.
661名について, 検討することができた. 男女の比率は差がなく, 年齢分布は若年層に多く, 30歳を越えるとともに激減した. 発症年齢は幼少児期が4分の3であるが, 約4分の1に11歳以後の発症もあり, 発疹の悪化をみた年齢は, 3分の1が, 21歳以上であった, 発疹の分布は上半身を主体に全身に及ぶ傾向があった. 治療の内容では, ステロイドの外用がすでにおこなわれていた症例が95%であり, 各国立病院受診後には, 8.6%で, ステロイド外用を中止していた. 6分の1の症例では, 民間療法を受けた経験をもっていた.
検査成績ではIgE値の高値, 好酸球増多と血清LDH値上昇を伴うような重症の症例が相当数あった. また, 白内障・網膜剥離などの眼の合併症は8.4%にみられた
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