メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) 57菌株, メチシリン感受性黄色ブドウ球菌 (MSSA) 43菌株の合計100菌株を用いて, 3種類のMRSA分離培地 (MRSAスクリーン寒天培地, Oxacillin Resistance Screening Agar, およびCHROMagar MRSA) のMRSAに対する感度・特異性について比較検討を行った. その結果, CHROMagar MRSAは, MRSAに対する感度, および, その特異性も100%であった. 一方, MRSAスクリーン寒天培地とOxacillin Resistance Screening Agarの場合, 両培地ともMRSAをMSSAと判定される菌が4菌株存在したことから, MRSAに対する感度, および, その特異性は, それぞれ100%と91.5%であった. MRSAでありながらMSSAと判定された4菌株は,
mecAを保有しながらoxacillinに対するMICが2μg/ml以下の菌であった. これらの結果より, CHROMagar MRSAがMRSA分離培地として有用であることが示唆された.
抄録全体を表示