ステンレス鋼のヂスケールに使用されているアルカリ熔融塩を管理するため,試料採取後,温湯で抽出し,ロ過し,残渣より鉄を,ロ液より
硝酸ナトリウム
,亜硝酸ナトジウム,クロムを定量する系統的作業分析法を検討した.
(1)水酸化ナトリウムに
硝酸ナトリウム
を添加した熔融塩でデスケールする場合,
硝酸ナトリウムは亜硝酸ナトリウム
に分解し,クロムはクロム酸ナトリウムとなっているので,
硝酸ナトリウム
を強硫酸々性で第一鉄で還元し,過剰の第一鉄を過マンガン酸カリウムで滴定して定量する場合,高値をあたえる原因となる.これらの影響を除去するには,クロム酸を硫酸第一鉄で還元し,過剰の第一鉄と亜
硝酸ナトリウム
を過マンガン酸カリウムで酸化したのち強硫酸々性として
硝酸ナトリウム
を定量し,亜
硝酸ナトリウム
は別に定量して補正すればよい.
(2)亜
硝酸ナトリウム
は微硫酸々性で過マンガン酸カリウム滴定法で,クロムは過塩素酸々化,硫酸第一鉄還元-過マンガン酸カリウム滴定法で,鉄は塩化第一錫還元-過マンガン酸カリウム滴定法によって定量すればよい.
(3)分析所要時間は40~50分である.
(4)この方法で現揚アルカリ熔融塩中の
硝酸ナトリウム
,亜
硝酸ナトリウム
,クロム,鉄の定量を行い,デスケール現象を解明し,管理法の簡易化を行った.
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