神 万里夫
日本消化器内視鏡学会雑誌
2017年
59 巻
8 号
1673-1676
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/20
ジャーナル
フリー
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瀬田川 美香, 京野 真子, 伊藤 歩, 齋藤 満, 齋藤 雅也, 山本 竜平, 青山 有, 森 瑞希, 梶原 知佳, 藤山 信弘, 羽渕 友則
移植
2024年
59 巻
Supplement 号
s307_1
発行日: 2024年
公開日: 2025/03/29
ジャーナル
フリー
【はじめに】当院では2021年4月からSDM(Shared Decision Making)を用いた腎代替療法(RRT)選択支援を腎臓内科の慢性腎臓病外来(CKD外来)で行っている。当院移植外来からCKD外来に紹介した症例について検討した【方法】2021年4月以降に移植外来からCKD外来に紹介した患者5名のカルテから、年齢、性別、職業、移植後経過年数、CKD外来受診時の腎機能、選択したRRT、RRTに至るまでの期間と、患者がCKD外来を受診した時の反応を抽出した。【結果】移植腎機能が低下し再RRTが必要になった腎移植後患者4名について検討した。年齢は中央値58.5歳、紹介時のCr 4.07mg/dL、RRT選択はHD2名、移植2名であった。CKD外来受診後RRTまでの期間は7ヶ月であった。【考察】再RRT選択が必要となった際、特に迷いがある患者については、再度SDMによるRRT選択支援と各療法の内容の説明を受けることで、納得した上でRRT選択をすることができると考える。【結語】患者の再RRTにおける理解度や不安点を確認し、必要時はCKD外来と連携してRRT選択支援を行うことは、患者が十分治療法について理解して価値観や意向を尊重した選択ができることにつながる。
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瀬田川 美香, 伊藤 歩, 相庭 結花, 金子 幸太, 河本 萌, 秋山 みどり, 佐藤 滋, 齋藤 満, 沼倉 一幸, 山本 竜平, 藤山 信弘
移植
2020年
55 巻
Supplement 号
333_1
発行日: 2020年
公開日: 2021/09/18
ジャーナル
フリー
腎移植後患者は、透析や制限の多い治療から解放されることより、他の腎代替療法である血液透析・腹膜透析を選択した患者よりも社会復帰率が高いと言われている。当院では、2018年1月から2018年12月に当院で生体腎移植を受けて1年後もフォローされていた患者18名(うち1名は学生)のうち、16名が移植前から就労しており、15名が復職および再就職、復学している。しかし、中には移植前より透析による時間的制限で就労が困難だった患者、入院のため職を失った患者、移植後に社会復帰をしても職場の理解が得られずに退職した患者などがいる。腎移植後に社会復帰をしやすくするために①移植前や退院前に仕事や就学状況について情報収集を行い、主治医とも相談しながら病状に応じたアセスメントを行うこと②社会復帰後に関わる方に、腎移植後の外来通院間隔や治療、仕事や学業において注意すべき点などについて理解してもらうこと③一度社会復帰した後に、何か問題が生じて本人が援助を希望した場合にも相談の上で介入していくことが必要と考える。また、社会復帰支援はレシピエント移植コーディネーターのみでは行うことができず、他職種との協力が必要なケースも多い。今回、当院の腎移植後患者のうち、本人・家族より社会復帰について相談があり、MSWと連携して支援を行った事例を用いながら考察し、報告する。
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石井 昇, 中村 雅彦, 岡田 直己, 吉田 剛, 松山 重成, 大森 裕, 中山 伸一
日本臨床救急医学会雑誌
2003年
6 巻
1 号
1-7
発行日: 2003/01/31
公開日: 2025/01/15
ジャーナル
フリー
42の国立大学病院すべてに救急部は設置されているが,救急医学講座が設置されているのは42大学のうち26大学,救命救急センターの設置は3病院である(2002年1月現在)。救急部等の専任教官数は平均4名程度で,独立した救急部の運営がなされているのは約1/3である。それぞれの救急診療形態の違いから救急対応は千差万別で,医師,看護師およびコメディカルスタッフ等のマンパワー不足,専用病床数の不足,救命救急センター化への課題や専門診療科との協力・連携など多くの問題点を抱えており,学生教育や卒後臨床研修等への負担も大きく,満足できる救急部の運営が実施されている施設は限られている。国立大学救急部における救急診療の質と適切な教育研修体制の確保を図るためには,各地域の救急医療体制における大学病院救急部の位置付けを明確にして,マンパワーの充実や専門診療科との連携などにより,各々の地域に貢献できる診療形態を模索していく必要がある。
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亀岡 吉弘
臨床薬理
2023年
54 巻
6 号
245-247
発行日: 2023/11/30
公開日: 2023/12/16
ジャーナル
認証あり
加藤 正太郎, 合谷木 徹, 岩澤 さあや, 堀口 剛, 西川 俊昭, 三浦 昌朋
日本臨床麻酔学会誌
2017年
37 巻
3 号
295-300
発行日: 2017/05/15
公開日: 2017/06/17
ジャーナル
フリー
手術患者入れ替え時間の短縮は手術件数増加の重要な要因となる.
秋田大学医学部附属病院
では2009年より薬剤師1名が手術室に専従し,麻酔薬調製および麻薬管理を行ってきた.今回われわれは,過去に行った7診療科の患者入れ替え時間を調査し薬剤師専従開始前後で比較した.その結果,専従開始後の患者入れ替え時間は専従開始前と比較して中央値13.0分間有意に短縮し,診療科別の検討でもすべてにおいて時間が短縮した.薬剤師が麻酔科医に代わって麻酔薬調製および麻薬管理をすることで患者入れ替え時間の短縮に繋がり,手術件数の向上に貢献できると考えられる.
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福田 将一, 高橋 一広, 金子 修三, 臼井 丈一, 小関 美華, 小田 竜也, 山縣 邦弘
移植
2020年
55 巻
Supplement 号
375_3
発行日: 2020年
公開日: 2021/09/18
ジャーナル
フリー
【目的】夫婦間生体腎移植の実施数は全国的に増加傾向にあり、当院でも生体腎移植の約4割を占める。手術に伴う生活環境などの変化が予測される症例も経験することが多くなっており、当人以外の治療参加も求められる。今回、ドナー・レシピエント夫婦がほかの家族に相談なく移植を受けようとし、家族と医療者間の調整を必要とした症例を経験したので報告する。学会発表にあたり、患者本人から同意を得た。【症例】A氏、60歳代、男性、糖尿病性腎症により生体腎移植を希望した。ドナーは妻であり、通院はドナー・レシピエント夫婦のみであった。術前検査を進め手術入院を控えていたが、同居する30代長女からの連絡で妻以外の家族には相談せず話を進めていたことがわかった。家族は患者の病気や自己管理能力に不安を抱いていたが、患者から説明を受けていないということで、移植に対して反対の意見を持たれていた。反対の理由や疑問点・患者への思いを確認し、主治医との面談を調整した。主治医より患者夫婦に家族を加えて説明が行われ、移植手術を行うことに同意された。【考察】家族は患者を心配する気持ちを抱いていたが、家族へ相談なく進めていたため治療方針の確認やその後のフォローアップなど、理解する機会を得たかったのではないかと考える。【まとめ】患者・家族の関係性を理解し、コンフリクトが生じていないか評価する必要がある。
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相庭 結花, 伊藤 歩, 瀬田川 美香, 立原 恵里子, 山本 竜平, 藤山 信弘, 羽渕 友則, 佐藤 滋
移植
2020年
55 巻
Supplement 号
375_2
発行日: 2020年
公開日: 2021/09/18
ジャーナル
フリー
【目的】今回我々は、移植後の生活背景の変化・夫婦間の関係性のこじれから怠薬という行動に陥った症例に遭遇した。レシピエント、ドナーの悩みや不安などに早期介入ができていれば怠薬を防ぎ腎機能の悪化を防ぐことができたのではないかと考え、今後の心理的支援のあり方を再検討することを目的とした。【症例】レシピエントA氏、男性。糖尿病性腎症。夫婦間生体腎移植を行った。移植後、糖尿病性網膜症による視力低下、膝関節症進行からのADL低下のため離職を余儀なくされた。その後は内服管理や食事、病院の送迎など日常生活の大部分を妻の支援を受けながら生活を送っていたが、妻との口論をきっかけに自暴自棄になり怠薬に至り急性拒絶反応を発症し緊急入院となった。【考察】A氏は仕事の継続や子が若いことを理由に腎移植を希望したが、離職を契機に生活背景の変化後、思い描いていた姿と現状が乖離し精神的な苦痛を認めていた。それが健康行動へ影響を与えた可能性があった。そこで、生活背景が変化しても移植腎が長期生着できるための支援が必要であると思われた。臨床倫理の4分割表で具体的な支援を検討したところ、家族やキーパーソンへの退院指導や外来指導、非来院時の安否確認、多職種と協働した指導や相談支援、ADL維持向上支援を行っていくことが重要であると考えた。以上を踏まえ、今後さらなる支援体制の整備、再構築し、患者のサポートを強化していく方針である。
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國分 希美, 岡田 良, 西間木 淳, 月田 茂之, 武藤 亮, 鈴志野 聖子, 渡邊 淳一郎, 小船戸 康英, 石亀 輝英, 木村 隆, 見城 明, 大槻 美智子, 丸橋 繁
移植
2020年
55 巻
Supplement 号
375_1
発行日: 2020年
公開日: 2021/09/18
ジャーナル
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【はじめに】橋中心髄鞘崩壊症(以下CPM)は、肝移植後のまれな神経学的合併症である。CPMでは、意識障害、構語・嚥下障害及び四肢麻痺などを呈する。患者の機能回復を目的に、レシピエントコーディネーター(以下RTC)として介入した経験について報告する。【症例・経過】60代女性。劇症肝炎に対して脳死肝移植施行。移植後10日目頃より構音障害、嚥下障害、四肢麻痺や呼吸筋麻痺が出現し、経管栄養、気管切開による気道管理を要した。移植後24日目に薬剤性疑いのCPMと診断され、免疫抑制剤変更となった。RTCが中心となり、在宅療養を見据えた機能回復を目的とした多職種カンファレンスを開催し、嚥下機能評価や効果的な理学療法を計画し実施した。また、多職種からの個別の相談に対応し、問題点の振り返りなども行った。神経学的予後は不良と判断されていたが、徐々に四肢運動や会話、経口摂取が可能となった。患者と家族が精神的に不安定となる時期もあったが、RTCが患者と家族と積極的に面談をし、不安を表出できるように関わった。徐々に運動機能の回復は認められたが、在宅療養への準備も必要であり、移植後140日目にリハビリテーション目的の転院となり、転院後約1カ月で自宅退院となった。【結論】CPM症例を経験し、機能回復を目的とした多職種連携の構築と継続的な患者と家族の精神的支援におけるRTC役割の重要性を再認識した。
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松村 知咲, 粟木原 真由美, 芦田 紘佳, 森田 綺子, 赤塚 千夏, 綱分 淳子, 大嶋 香奈, 小東 紀子, 滝下 幸栄
移植
2020年
55 巻
Supplement 号
333_2
発行日: 2020年
公開日: 2021/09/18
ジャーナル
フリー
背景:国内における10~19歳の脳死肝移植患者は、他の年齢区分と比較して希少である中、当院では思春期のレシピエントに対する医療に携わる機会を得たため、効果的であった看護実践について報告する。方法:脳死肝移植後の一症例に対し術後管理から復学支援を含めた退院指導における看護とその効果を明らかにした。結果:術後の血腫形成に対し再手術を行い、その後も肝動脈の度重なる血栓形成に対しIVRを施行し、側副血行路の形成にて移植肝血流は確保された。免疫抑制剤の確実な投与や医療関連感染予防を徹底し、清潔行動の充足や感染予防指導を続けたが、拒絶反応を繰り返しCMVにも罹患した。 抜管後より不明言動を認め、術前には重度の肝性脳症状態であったため、術後に脳死ドナーからの肝臓提供の事実を知った後、更にせん妄が助長される場面があったが、早期離床や鎮静剤投与にて生活リズムを整え、精神安定に繋げた。入院中の高校受験に向けて、院内学級での学習支援や、受験を想定したリハビリを続け、院内受験を実施できた。退院前には高校教諭を交えて学校生活上の注意点について情報提供した結果、スムーズに復学できた。結論:脳死肝移植後の思春期患者においては、成人と同様、様々な合併症に対する十分な予測を持った身体的援助、脳死移植に対する葛藤や思春期特有の発達段階に配慮した精神的ケアや学習保障を含む退院支援が求められる。
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ジャーナル
フリー
加賀谷 英彰
会議録・要旨集
フリー
齋藤 満, 藤山 信弘, 提箸 隆一郎, 齋藤 拓郎, 嘉島 相輝, 山本 竜平, 奈良 健平, 沼倉 一幸, 成田 伸太郎, 佐藤 滋, 羽渕 友則
移植
2020年
55 巻
Supplement 号
255_2
発行日: 2020年
公開日: 2021/09/18
ジャーナル
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生体腎移植は待機手術として行われる。設定された手術日にピークを合わせて様々なリスクを低減化し、考え得る最善の状態で手術に臨むことが基本である。しかし、先行的腎移植(PEKT)では移植までの期間が短いためリスク評価や必要に応じた治療が不十分となる恐れがある。特に貧血は短期間での治療が困難であり周術期に輸血を施行せざるを得ない症例も多い。実際、当科の症例を見てみると2004年7月から2015年12月までの期間でPEKT群(33例)では非PEKT群(171例)と比較して当科初診時のHbが有意に低値であった。ほぼ同時期の生体腎移植症例163例の検討では102例(62.6%)で濃厚赤血球製剤が輸血されていた。背景因子の比較では、輸血施行群で非施行群と比較して有意に女性が多く(p=0.03)、腎移植前日のHb値が低値(p<0.001)であった。幸い、免疫学的ハイリスク症例を除くと両群間でde novo DSA産生やABMRの頻度に有意差は見られなかったものの、輸血は行わないに越したことはなく、術前Hb値がより高値であれば輸血を要しなかった症例も多いと思われた。周術期の輸血回避のため、腎移植、特にPEKT施行時には術前にエリスロポエチン製剤や鉄剤などを充分に投与しHb値を上昇させておく必要がある。
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秦 浩一郎, 小木曾 聡, 穴澤 貴行, 福光 剣, 伊藤 孝司, 八木 真太郎, 加茂 直子, 田浦 康二朗, 上本 伸二
移植
2020年
55 巻
Supplement 号
255_1
発行日: 2020年
公開日: 2021/09/18
ジャーナル
フリー
緒言: 肝腎症候群(HRS)は末期肝硬変に合併する致死的病態であり、その肝移植治療成績は不良とされる。対象: 当科の成人初回生体肝移植437例(2005~2016)をHRS合併群と非合併群に分け、患者生存、移植後腎機能につき比較。また①腹水ドレナージ、②アルブミン補填、③DOA/NAD/VP(ADH)による血圧/腹腔内血流の是正、④トルバプタン等による利尿、から成る移植前治療を施した5例の成績を併せ検討。結果: HRS合併は1型17例、2型14例の31例(7.1%)。HRS群でMELD/CPT共に高く(P<0.001)、在院期間が長く(P=0.002)、在院死亡率が高かった(P=0.027)。1/3/5年生存率は65.0/60.0/60.0% vs. 83.3/78.9/76.8% (P =0.042)とHRS群で有意に不良。腎機能は肝移植後早期に改善(P =0.011)を認めたものの、移植2年後でも非合併群より不良であった(P <0.005)。術前治療(2-8週)を施行した5例では、全例で腎機能は劇的に回復、正常化し(P <0.01)、患者生存100%、移植2年後の腎機能も非合併群と同等であった。結論: 肝腎症候群は成人生体肝移植予後を有意に悪化させるが、”待機的な”生体肝移植だからこそ可能な術前治療がある。
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