1. この報告はLYSENKOの提唱した巣植えの種間
競争
に及ぼす影響を明らかにしようとしたものである。
2. 試験はスギー年生苗を用い, 1, 2, 3, 5, 10本の5種の巣内本数を持つ,巣うえを行い,これで,種間
競争
のない対照区と,各巣を雑草で囲んで種間
競争
を行わしめた雑草区,広葉樹で囲んだ,広葉樹区の3区を作り,二連制で行つた。
3. 1956年春より1957年秋までに4回の中間測定を行い,最後に全部掘取調査をして,地際直径,苗長,生重量に,体種区,幹,枝葉,根について測定あるいは推定した。
4.その結果
a. 平均個体当りの量はいずれの場合でも巣内本数が多いほど小となる。対照区ではこの傾向が最も著しく,広葉樹区,雑草区ではさほど著しくない。
b. 一巣当りの量は巣内本数がますと大となるが,この傾向は雑草区,広葉樹区の方が対照区より著しい。
C. C-D指数を求めてみると,対照区ではこの指数が1に近づき,雑草区では0に近づく傾向がみとめられる。
d. 即ち種問
競争
があると,巣内本数のすくない巣ほど
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の影響をうける度合が大となる。
e. さらに種間
競争
のない対照区の場合は巣内木数がすくないほど,種間
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のある他の2区では本数が多いほど,一巣内の最大個体は大となる。
f. 以上のことから,種間
競争
がはげしいような造林例えば,手入が充分に行きとどかないような場合は,巣うえが造林木の成長に甚だ有効であるといえよう。
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