家畜排泄物からのVFA対策として微生物等による
脱臭
を検討した.1) 活性汚泥を用いる
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試験は,送入臭気と充填材との見掛の接触時間3.1秒,気液比3.5l/m3,,散布液の水槽内の見掛の滞留時間約30分の条件下で,新鮮糞1kgから臭気をハニカム
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塔へ吸引してVFAの除去を試みた.4日目に豚糞を更新し計1週間試験した.その結果,プロピオン酸および酪酸が各々0.5~59.0ppb, 0.1~20.9ppbであったものが,いずれも0.1ppb以下の検出限界(ND)近くまで除去された.i-およびn-吉草酸でも各々0.1~4.1ppb, ND~10.5ppbがNDまで
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された.一方,n-酪酸を同様に
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塔に送入した試験では,330~835ppbの酪酸を1.7~19.1ppbまで
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することができ,その平均除去率は98.5%であった.2) 堆肥化物による豚糞処理は,2個の3lビーカーに豚糞1kgずつを入れ,一方は堆肥0.2kgを混合し,他方は対照区とした.両者は1日1回の測定時を除いて日陰に放置した.VFAの測定は1)の
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塔の吸引部にビーカーを静置後,30分の臭気を対象に行なった.対照区のプロピオン酸,n-酪酸,i-吉草酸およびn-吉草酸はいずれも数ppbから数十ppbとかなり高濃度で,3日目になって1.1ppb以下の低濃度に下がった.しかし,試験区のVFAは堆肥を混合した直後から対照の70~80%に低下し,翌日には検出限界付近の濃度まで低下した.また,堆肥50gを表面散布した試験でも同様の除表効果が得られた.以上より,活性汚泥や堆肥による生物
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は,豚糞のVFAを円滑に処理できることが明らかにされた.
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