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クエリ検索: "豊橋総合動植物公園"
36件中 1-20の結果を表示しています
  • *堀田 裕子, 松崎 那奈子, 萩原 孝泰, 井上 康子, 小川 博
    霊長類研究 Supplement
    2017年 33 巻 P27
    発行日: 2017/07/01
    公開日: 2017/10/12
    会議録・要旨集 フリー

    スマトラオランウータンはIUCN(国際自然保護連合)のレッドリストで絶滅危惧ⅠA類に指定される希少動物である。また,国内個体数が少ないことから,種の保存のために動物園で計画的に飼育下繁殖を進めていくことは重要である。そのために園間同士での個体の移動は必要なことである。一方で,動物の輸送には身体的および精神的ストレスが伴う。動物はストレス因子が極度の場合生理学的機能が激しく損なわれ死亡することがある。コルチゾールはストレスの指標となりうるホルモンであることから,尿を用いて非侵襲的にそれを測定した。昨年スマトラオランウータンの園内での新獣舎への移動,および園間またいでの移動が行われた。この際のストレスについて検証すべく,スマトラオランウータン雌1頭雄1頭を対象として,尿中コルチゾール濃度をEIA法を用いて測定し,その動態を追った。またそれと同時に行動観察を行い,行動と生理の面からそのストレスについて調べた。雌雄また園内と園間それぞれ,コルチゾール濃度および行動に変化がみられた。その結果からストレス要因およびストレス軽減要因について考察し報告する。

  • *野上 大史, 比江島 拓己, 大形 悟, 小野 礼, 伴 和幸
    エレクトロニクス実装学術講演大会講演論文集
    2022年 36 巻 25B3-2
    発行日: 2022年
    公開日: 2023/11/20
    会議録・要旨集 フリー
  • 山梨 裕美, 工藤 宏美, 赤見 理恵, 中山 侑, 伴 和幸, 徳山 奈帆子, 戸澤 あきつ
    霊長類研究 Supplement
    2025年 41 巻
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/10/18
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    動物園などで動物を観察することは,動物の保全意識を高める可能性がある一方で,ペットとして飼いたいという意向を高める可能性も指摘されている。本研究では,ショウガラゴとヘルマンリクガメの写真を用いて,動物の印象およびペット飼育意向・保全への寄付意向が,写真の背景によってどう変化するかを調査した。2,520人(18歳以上)を対象にオンラインアンケートを実施した。6種類の背景【白い背景・人工的な状況(ケージや水槽)・自然な状況(樹上や草むら)・教育場面(子どもの前で人が持っている)・手のひらの上・商店街(商店街で人が持っている)】のいずれかに動物が写った写真(1条件210人)を提示した。回答者は,それぞれの写真に対して「かわいい」「かっこいい」「なつきそう」などの印象評価,およびペットにしたい意向や保全への寄付意向について回答した。印象の違いについては一般化線形モデル(GLM)を用いて,条件間の回答の違いを分析した。また,共分散構造分析(SEM)によって,印象の違いが行動意向(ペット飼育,寄付)に与える影響を検討した。結果,両種ともに写真の背景によってペット飼育意向や保全への寄付意向は変化しなかった。ショウガラゴについては,「教育場面」や「手のひらの上」など人が近くに写っている写真で,「なつきそう」「かわいい」といった肯定的な印象が増え,「気持ち悪い」といった否定的な印象が減少することが明らかとなった。ヘルマンリクガメでも,写真によって印象が変化する傾向は見られたものの,その方向性はショウガラゴと一貫していなかった。さらにSEMの結果から,ペット飼育意向と保全のための寄付意向には,それぞれ異なる印象が影響していることが示された。以上より,動物の印象は背景によって変化し,それがその後の行動意向に影響を与える可能性があること,そして影響は動物種によって異なることが示唆された。
  • 霊長類研究 Supplement
    2023年 39 巻
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/07/26
    会議録・要旨集 フリー

    日時:2023年7月7日(金)13:30〜15:00

    場所:兵庫県民会館 11階 パルテホール

    現在、地球上におよそ6000種の哺乳動物が生息しています。哺乳類の出現は中生代初期の2億3000万年前まで遡ることができますが、恐竜が絶滅した6600万年前を機に爆発的な適応放散を迎え、現在に至る表現型の新奇性の獲得と多様化を果たしました。哺乳動物の新奇性と多様性については、幼少期に誰もが一度は「キリンの首やゾウの鼻はどうして長くなるのだろう?」といった疑問をもったことがあるはずですが、その問いに対する答えを得ることのないまま、いつしか疑問自体を感じなくなっています。また、学術的にもこうした子供の疑問、すなわち「哺乳動物の新奇性と多様性をもたらした発生進化プログラム」について回答できずにいますが、その原因は動物園にいるような動物(動物園動物)には生命科学研究を難しくする要因が多く、その発生現象に実験的にアプローチすることが不可能なことにあります。一方、iPS細胞は様々な哺乳動物から作製することができ、任意の細胞系譜の発生分化を培養下で再現することを可能にします。したがって、iPS細胞技術を活用すれば、動物園動物における生体研究の制約を乗り越えて、表現型の新奇性・多様性の発生進化研究(基礎生物学)に取り組むことができるようになると考えられます。さらに、動物園動物iPS細胞の構築にともない、各動物種に応じた治療薬の検証と開発(獣医創薬)や遺伝的多様性の保存と将来的な繁殖(繁殖生物学)にもつながります。そこで、このコンセプトを実現するべく、生命科学者・獣医学者・動物園が連携して「動物園まるごとiPS細胞化プロジェクト」を昨年度に始動しました。本自由集会では、このプロジェクトの背景について、生物学の視点、獣医学の視点、動物園の視点のそれぞれから紹介したいと思います。

    プログラム

    「『キリンの首』問題の解決に向けた生物学のアップデート」

    今村公紀(京都大学ヒト行動進化研究センター)

    「iPS細胞は動物園に何をもたらすか?」

    櫻庭陽子(

    豊橋総合動植物公園

    「稀少動物のドラッグリポジショニングの存在意義」

    中村紳一郎、塚本篤士(麻布大学獣医学部)

    責任者:今村公紀(京都大学ヒト行動進化研究センター)

    開催方法:現地開催のみ

  • 平栗 明実, 川上 文人, Chloe Gonseth, 市野 悦子, 林 美里
    霊長類研究 Supplement
    2015年 31 巻 A17
    発行日: 2015/06/20
    公開日: 2016/02/02
    会議録・要旨集 フリー
    チンパンジーにおいても他個体、またはヒトに向けられたジェスチャーをすることは知られており、言語に先立つ行動としてさまざまな研究がおこなわれてきた。しかし、それらの定義は研究者間で異なる部分があり統一されていない。チンパンジーのジェスチャーを発達的な視点から解明すべく、私たちは日本モンキーセンター(JMC)で産まれた乳児とその母、父からなる一群を対象に観察おこなっている。本研究では、母子間の身体的距離が出現しはじめた時期から見られるようになった、母親の拍手行動に着目し分析をおこなった。以前、母マルコが
    豊橋総合動植物公園
    にいるときには、祖母マルタも母マルコも拍手をしていたようだが、JMCのこの群では、産後しばらくはマルコが拍手をしている様子は観察されなかった。観察対象は2014年7月25日に産まれたチンパンジーの乳児(マモル)とその母(マルコ)とした。観察の手続きは2014年7月26日から毎週土曜日1時間とし、分析は、はじめに母マルコの拍手行動を切り出し、その前後にみられた行動を全てチェックし、母子の距離、視線の向きに基づいて、可能な限り客観的に分類した。これによって、母マルコは乳児マモルとの身体的距離が出現しはじめた頃から、頻繁に拍手行動をおこなうようになったことがわかった。その際、母マルコの視線は乳児マモルのことを注視していることが多かった。拍手行動の生起する前後の母子の行動を時系列的に調べることで、ジェスチャーのおこる文脈や、子どもの発達にともなう変化を詳細に明らかにできると考えられる。また、母マルコは産後2ヶ月半で性皮腫脹が再開した。そこで、マモルへの授乳回数と授乳継続時間、父ツトムとの交尾回数、マルコの性皮腫脹の有無を調べた。4月からはピルの投与が始まり、今後は性皮腫脹がなくなるため、母マルコの行動にどのような違いが起こるかを観察していく。
  • 伴 和幸, 峯水 亮, 加山 藍子, 佐藤 洋一
    神奈川県立博物館研究報告(自然科学)
    2025年 2025 巻 54 号 219-222
    発行日: 2025/03/27
    公開日: 2025/03/27
    研究報告書・技術報告書 フリー
  • *野上 大史, 藤本 貴久, 比江島 拓己, 小野 礼, 伴 和幸, D.S.V. Bandara, 荒田 純平
    精密工学会学術講演会講演論文集
    2023年 2023A 巻
    発行日: 2023/08/31
    公開日: 2024/02/29
    会議録・要旨集 フリー

    ハズバンダリートレーニング(HT)とは、笛の音や給餌により動物が特定の行動を形成する訓練である。麻酔を使用せずに飼育管理や診断が行えるため、動物への負担は小さく、動物園での導入が進んでいる。HTでの行動形成において、動物への負担を小さくし、かつ効率的に行うためには、ストレスの見える化が必要である。本研究ではレーザドップラ血流計を活用し、装着なく脈拍からストレスを見える化する方法を提案する。

  • 金澤 朋子
    日本野生動物医学会誌
    2022年 27 巻 2 号 73-76
    発行日: 2022/09/01
    公開日: 2023/01/01
    ジャーナル フリー

    展示動物を対象とした行動観察研究は,野生環境において長期的な継続と詳細な観察が困難な動物の生態を解明する一助となるだけでなく,飼育環境という場で心身ともに健康な状態で展示動物を継代的に飼育する上でも重要である。生体にとって普遍的で生命維持に必要な個体維持行動においても,動物種,個体,生活環境などによりその適切な行動様式は異なる。そのため観察者による影響がなく,行動を映像で記録保管が可能なカメラ機材等を利用した間接観察手法を用いて,飼育環境で動物がどのような行動をどれくらい,どのように発現するのかをデータ収集する必要がある。本誌では飼育下アジアゾウ(Elephas maximus)の睡眠様行動に関する調査研究の例を紹介する。

  • *比江島 拓己, 野上 大史, 小野 礼, 伴 和幸, D. S. V. Bandara, 荒田 純平
    精密工学会学術講演会講演論文集
    2022年 2022A 巻
    発行日: 2022/08/25
    公開日: 2023/02/25
    会議録・要旨集 フリー

    現在,動物園では動物福祉向上のために,飼育動物のストレス状態を非侵襲的に計測できる技術が求められている.ストレス指標の1つとして心拍数変化が知られているが,動物の非侵襲心拍計測では体動ノイズが課題となる.本研究では,当研究室で開発された体動ノイズ低減アルゴリズムを搭載したレーザドップラ血流計と荷重センサを組み合わせた非侵襲心拍計測システムの開発を行っている.

  • ―「新幹線の旅」をテーマとした実践例―
    山﨑 智子
    日本語教育方法研究会誌
    2021年 28 巻 1 号 102-103
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/01/01
    研究報告書・技術報告書 フリー
    In this paper, we report on an exercise whereby learners can improve their Japanese language skills by presenting information they have gathered through research on themes related to Japan. The target learners were first-year university students, and the subject of “Shinkansen” was selected from the course textbook, keeping in mind the learning objectives set by its author: “to obtain the latest information”, “to read information on the Internet, and to explain the contents to others in an easy-to-understand manner”. Students were able to simulate the travel experience through their research, and were able to share information about the tourist attractions presented by others.
  • 伴 和幸, 野上 大史, 高見 一利
    動物の行動と管理学会誌
    2022年 58 巻 4 号 194-203
    発行日: 2022/12/25
    公開日: 2023/01/27
    ジャーナル フリー

    動物園動物によるヒトの死傷事故は甚大な被害をもたらすが、正確な事故件数すら把握されていない。そこで本研究は安全対策に資するべく、国内の動物園で発生した動物によるヒトの死傷事故を定量的に評価した。5つの新聞記事データベースを用いて、約72年分の記事から加害動物、発生時の行為などを調査した。その結果、54園で発生した107件122人分(死亡25人、重傷50人、軽傷39人、不明8人)の事故を確認した。飼育員の事故原因はゾウ科の同室内作業やネコ科の扉操作が多く、近年も増加傾向にあった。来園者の事故原因はクマ科などの獣舎への侵入がほぼ全てを占めていたが、2000年代以降0件であった。ゾウ科の飼育管理は直接飼育から準間接飼育へと切り替えが行われており、事故の減少が予想される。以上より、今後動物園動物によるヒトの死傷事故を減少させるには、ネコ科の扉操作による事故の安全管理システムの再構築が必要である。

  • 御田 成顕
    森林科学
    2021年 93 巻 26-29
    発行日: 2021/10/01
    公開日: 2021/10/29
    解説誌・一般情報誌 フリー
  • 加藤 雅彦, 伴 和幸
    日本野生動物医学会誌
    2023年 28 巻 2 号 129-134
    発行日: 2023/09/01
    公開日: 2023/11/01
    ジャーナル フリー

     本調査は,ある動物園において給餌される7種の一般飼料の表面と肉食獣に給餌される野生のニホンイノシシ5頭および野生のヤクシカ5頭のと体の表面について,一般生菌数および大腸菌群数を明らかにし比較した。なお,と体給餌は,生物資源の活用,環境エンリッチメントおよびそれらに関する教育のために試行された。これらのと体は,と体処理施設において消毒されていた。一般飼料の一般生菌数は1.96 log cfu/cm2から5.72 log cfu/cm2までであり,大腸菌群は4種の飼料から検出された。ニホンイノシシと体の一般生菌数は,胸部が1.52 log cfu/cm2から4.70 log cfu/cm2までであり,肛門周囲部が1.79 log cfu/cm2から6.00 log cfu/cm2を超えるものまであった。大腸菌群は,胸部が3頭のと体から検出され,肛門周囲部が3頭のと体から検出された。ヤクシカと体の一般生菌数は,胸部が0.20 log cfu/cm2から2.08 log cfu/cm2までであり,肛門周囲部が1.41 log cfu/cm2から3.46 log cfu/cm2までであった。大腸菌群は,胸部が1頭のと体から検出され,肛門周囲部が3頭のと体から検出された。これらから,一般生菌数および大腸菌群数で比較すると,対象園において給餌される一般飼料と野生動物のと体とは大きな差がなかったと考えられる。

  • 伴 和幸, 椎原 春一
    日本野生動物医学会誌
    2018年 23 巻 3 号 59-64
    発行日: 2018/09/28
    公開日: 2018/12/05
    ジャーナル フリー

     ハズバンダリートレーニング(Husbandry Training:HT)は,単に健康管理に役立つだけではなく,研究等を円滑に実施するために利用可能である。HTは行動分析学に基づいており,侵襲性を顕著に低減でき,動物福祉に則していることから,動物園で研究を行っていく上で,その重要性が増している。国内の動物園ではHTが取り入れられてはいるものの,多くの場合一部の担当者,一部の動物種に限定されているのが現状である。大牟田市動物園ではHTを積極的に取り入れており,28種に対して,触診や皮下注射などに対してHTを行っている。そして,これらの技術について,学会発表等を行っている。さらに,HTによって得られた血液と体毛からホルモンを測定し,飼育環境を評価する共同研究を行っている。このようにHTは,動物園らしい,動物園だからこそできる研究を促進する可能性を秘めた技術といえる。一方で,HTに対して,基本的な飼育管理がおざなりになることを危惧する意見もある。HTは手段であって目的ではない。HTによって得られた情報を,研究等に役立てることで,HTが動物園本来の役割を果たすための技術の一つに成り得るだろう。

  • 米田 弘樹, 櫻庭 陽子, 山梨 裕美, 松岡 賢司, 黒田 恭子, 島田 かなえ, 荒蒔 祐輔, 瀬尾 亮太
    動物の行動と管理学会誌
    2023年 59 巻 1 号 8-15
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/05/17
    ジャーナル フリー

    社会性の強いゾウの動物福祉を考えるうえで、複数頭飼育をすることは重要である.しかし単独飼育個体が、複数頭飼育に移行した事例は少なく、その過程についてはほとんどわかっていない.2014年京都市動物園で4個体の新規個体群を導入し、単独飼育されていた既住個体と同居を実施し、社会関係の構築過程および、既住個体の行動への影響を調査した.2018年1月から2019年6月の間に、直接観察と監視カメラでの記録をもとに行動変化を分析した.初期(同居開始直後)には既住個体から新規個体への攻撃行動が頻発していたが、後期(同居開始後1年以上経った後)には減少した.既住個体と新規個体の親和行動も初期と後期で変化した.また、既住個体の日中の常同行動については単独時と比較し同居時には減少した.単独飼育期間が長い個体でも、社会的な環境で飼育することが他個体と社会関係を構築し、動物福祉向上につながることが示唆された.

  • 笹野 聡美, 山田 勝, 江田 伸司
    日本鳥学会誌
    2015年 64 巻 1 号 91-94
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/04/28
    ジャーナル フリー
  • 日本霊長類学会
    霊長類研究
    2024年 39 巻 2 号 102-108
    発行日: 2024年
    公開日: 2023/12/27
    ジャーナル フリー
  • ~安定した群れ展示をめざして~
    屋野丸 勢津子
    安佐動物公園飼育記録集
    2011年 34 巻 7-14
    発行日: 2011年
    公開日: 2025/04/01
    研究報告書・技術報告書 フリー
    広島市安佐動物公園では,1971 年から2009 年までに,サバンナシマウマEquus burchelli の亜種であるグラントシマウマEquus burchelli bohmi を,150 頭飼育し,放飼場での種々 の工夫や放飼個体制限などの飼育技術により常に10 頭以上での展示を続けてきた.また, 1973 年の初繁殖以後,他の動物園では類を見ない135 頭の繁殖に成功した.繁殖した新生 獣の体測で,体重などの基礎データの蓄積ができた.また,育成した個体については,他 の園に搬出し日本国内での個体維持に重要な役割を担ってきた.シマウマ飼育の取り組み の中で,近交劣化対策として他の動物園から血縁の異なる新個体を導入するなど,多血統 の群れ構成を考慮した飼育を行なったので,その経過およびデータの分析結果について報 告する.
  • ─福岡市動物園を事例にして
    日向野 秋穂, 平井 康之, 山崎 理恵子, 内山 由梨香, 笠 志保
    デザイン学研究
    2025年 71 巻 3 号 3_1-3_10
    発行日: 2025/01/31
    公開日: 2025/02/12
    ジャーナル フリー

    現在動物園が発行する将来計画について動物園同士が相互に評価できる客観的指標がなく、各園が独自性を十分に持てず運営している点を課題とし、将来計画と、動物園が掲げる種の保存、教育・環境教育、調査・研究、レクリエーションの4つの役割の関係性に注目し、今後動物園運営において将来計画を考える上で必要な指針を導出することを目的とする。文献調査より、来園者数上位10の公立動物園のうち、福岡市動物園のみが来園者目線の共感されるコンセプトがなく、具体的な行動案が提示されていなかった。これを踏まえ、フィールド調査として本園を事例とし、飼育員を包括した共創型ワークショップを実施した。その結果「飼育担当職員が考えるまた来たくなる動物園計画(案)」を作成し、来園者、職員、他動物園関係者による評価を実施した。最後に、今後動物園運営において必要な指針として、①飼育員の視点から将来計画を考える、②ステークホルダーの関係性を明確化する、③具体的な行動案を提示する、④具体的なサービス内容を提示する、の4つを提案した。

  • 山梨 裕美, 東芝 香織, 赤見 理恵, 浅川 陽子, 木岡 真一, 中山 侑, 伴 和幸, 戸澤 あきつ
    霊長類研究 Supplement
    2024年 40 巻
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/08/01
    会議録・要旨集 オープンアクセス
    小型霊長類のペットのための違法取引が、野生個体群の減少や動物福祉などの問題につながっている。しかし、その認識は一般には必ずしも広まっていない。過去の調査で、当該問題に関する漫画形式の教育教材を作成して評価したが、十分な効果があると言えない結果であった。そこで、様々な場面で利用可能な教育教材を作成するために、ターゲットとなる利用者側の視点を取り入れた新しい教材を作成することを試みた。作成にあたっては、京都市動物園の実習生(大学生3グループ合計10名)を対象に、教材作成に関するディスカッションセッションを行った。具体案は複数出てきたが、その中であげられた「端的に短く」「興味をひくためのものと詳細情報を分ける」「人と動物双方への影響を示す」などのキーワードをその後の教材作成に取り入れた。さらに、複数の動物園における使用可能性を考慮して、①展示場用、②教育プログラム用、③場所を選ばず使用することを想定した3種類のイラストレポート形式の教材を作成した。イラストレポートには、ペット取引の保全・動物福祉・自分・社会への影響の4つの視点を取り入れた。2024年3月2日及び3日に京都市動物園で、予備的な評価をし、教材にフィードバックするためにインタビュー調査を行った。ショウガラゴを対象種として、動物写真と教育教材を使用して21組の一般来園者から聞きとりを行った。ショウガラゴのイメージ・ペット取引に関する問題認識・教材のアプローチで印象に残ったところについて意見を求めた。結果として、ショウガラゴ自体を知っているのは、21組中11組でペット取引の問題については21組中5組が認識していた。また、教材に含まれていた保全・動物福祉・自分への影響・社会への影響に関する内容ついて、同程度の関心が向けられた。効果が見込める可能性を把握できたが、今後は想定した場面における評価を行っていきたい。
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