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クエリ検索: "重症筋無力症"
5,519件中 1-20の結果を表示しています
  • 森 正孝, 中尾 英人, 伴 信太郎, 後藤 嘉樹, 新井 勲, 木下 研一郎, 一瀬 允, 馬場 尚道, 藤井 秀治
    医療
    1988年 42 巻 3 号 256-259
    発行日: 1988/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    症例は44才の主婦. 胸腺腫摘除術の1年3ヵ月後に
    重症筋無力症
    が発症した. 抗アセチルコリン受容体抗体価は発症してからばかりでなく手術時の保存血清でも高値を示した. post-thymomectomy myasthenia gravisの本邦報告例の中で胸腺腫摘除前に本抗体が測定されたものでは, いずれもすでに抗体陽性であつて術前にも潜在的筋無力症あるいは将来本症へと発展する過程がすでに存在していることが示唆される.
  • ―症例報告と本邦報告例の文献的考察―
    井本 敬二, 小西 哲郎, 西谷 裕
    医療
    1984年 38 巻 9 号 916-919
    発行日: 1984/09/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    D-ペニシラミンで治療中の55才女性, 慢性関節リウマチ患者に典型的な
    重症筋無力症
    が出現した. 抗アセチルコリンリセプター抗体は陽性であり, single-fiber EMGも著明な異常を示した. 症状はD-ペニシラミン中止後徐々に軽快した. 本邦では同様の症例がすでに7例報告されており, 諸外国の症例と比較して女性が多数を占めることは同じであるが, わが国では年令層が若く, 少ない量のD-ペニシラミンで発症しているように思われた. またこれらの症例の臨床症状・経過は一般的に考えられているより多様であることが示唆された.
  • 武内 透, 杉田 幸二郎, 佐藤 温, 鈴木 義夫, 福井 俊哉
    日本老年医学会雑誌
    1995年 32 巻 5 号 362-369
    発行日: 1995/05/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    本邦では, 高齢発症の
    重症筋無力症
    (以下MG) は最近, 増加傾向にあるが, 臨床的に検討した報告は極めて少ない. 我々は60歳以上で発症した高齢者全身型MG 11例の臨床像, 誘発・増悪因子, 合併症, 治療上の問題, 予後などを検討した. 初発症状は眼瞼下垂, 複視などの眼症状, 球症状が高率で, これら所見は非高齢者MGと同様であるが, 他覚的所見に対する訴えの乏しさが特徴的であった. 11例の内訳は, 当科初診時にMGと診断された2例のほかは, 6例 (54.5%) は脳血管障害, 1例は頭蓋底腫瘍疑いと診断されていた. MGの誘発・増悪因子では, 嫁姑関係, 夫の死亡, 老人ホームへの入所, 農作業の高齢化などの家庭内のトラブル5例 (45.5%) と高齢者MG例に特有な要因が認められた. 抗Ach-R抗体は, 11例中10例 (90.9%) に明らかな上昇を認めた. 頭部CTでは全例とも加齢による萎縮所見のみで, 知的機能は, 11例中1例に軽度の低下を認めるのみであった. 合併症では, 胸腺腫4例 (36.4%) のほか甲状腺疾患の合併が5例 (45.5%) と多く, その内訳は, 橋本病は3例, バセドウ病に伴う甲状腺眼症, 単純甲状腺腫がそれぞれ1例認められた. その他, 陳旧性心筋梗塞, 消化管潰瘍, 高度な変形性脊椎症, 前立腺肥大などの合併を認めた. 治療としては抗ChE剤に加えて, 副腎皮質ホルモンを5例 (うちパルス療法2例), ガンマグロブリン療法を1例, 胸腺腫に対する放射線療法を3例, 胸腺摘出術を1例に施行した. 10年間の経過追跡では, 11例中7例 (63.6%) が死亡し, その内訳は, 肺炎・気道閉塞が4例, うっ血性肺水腫, 胸腺摘出術後十二指腸穿孔, 胃癌の全身転移がそれぞれ1例であった. 非高齢者MGと異なり, 高齢者MGでは老人一般の管理に加えて, 環境因子にも充分に注意し, 治療法の選択においても, 非高齢者MGとは異なった観点から検討すべきと思われた.
  • 里吉 営二郎
    医療
    1978年 32 巻 7 号 876-878
    発行日: 1978/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    重症筋無力症
    は近年厚生省特定疾患として取上げられて以来, その知識の普及にともなつてその数も増加しているが, 診断は必ずしも容易でない場合がある. これらの症例のうちには, いわゆる非定型的な場合と, 他の疾患との合併例とがある. 高令者では脳血管障害と, 小児では眼疾患と間違えられることがある. また筋萎縮の強い例では眼症状がみられない例もある. 臨床的特徴の欠如している場合にはテンシロン試験が広く用いられているが, 陽性率は93%で, しばしば判定不能の例にあうこともある. 多発性筋炎との合併, 多発性硬化症との合併例, イートン・ランバート症候群との移行型などは, 鑑別が仲々容易でない. 一方, 進行性外眼筋麻痺や, カーンス・シヤイ症候群との鑑別も重要であろう.
    治療法に関しては, 胸腺摘出術や胸腺への放射線療法などが広く行われるようになつてきたので, 死亡率も減少し, 完全な治癒をみることも少なくない. しかしながらこれらの十分な治療を行つても, 治療や薬物に抵抗してくる難治例が20%程度みられる. これらのうちには悪性の胸腺腫瘍による場合もあるが, ステロイド, ACTH療法など種々の治療を行つてもなお軽快しない例も多く, これらに対する治療法を確立することが, 今後の問題であろう.
  • 石名田 洋一, 吉峰 史博, 塩田 匡宣, 渡辺 邦夫, 荒張 喜好, 山下 昌次
    医療
    1989年 43 巻 3 号 357-360
    発行日: 1989/03/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    4年前より
    重症筋無力症
    に罹患している54才の女性が, 6ヵ月来背中の痛みを認め次第に両下肢麻痺となつたため1986年6年10日整形外科に転入した. X線検査にて傍脊柱陰影を伴う第7胸椎椎体の破壊が認められ, また前縦隔には胸腺腫がみつかつた. 6ヵ月前まで患者は
    重症筋無力症
    の治療としてステロイドホルモンの投与を受けており, それにより誘発された脊椎カリエスによる下半身麻痺(ポツト麻痺)と胸腺腫を伴う
    重症筋無力症
    と診断した. 胸骨縦切法により胸腺腫を摘出し, 胸膜外経路により前方から脊髄の除圧と6から8胸椎にわたる椎体固定を行つた. クリーゼが術後4日目に生じた. 術後6ヵ月にて患者は歩行できるようになつたが
    重症筋無力症
    の症状は悪化し, 抗アセチルコリン受容体抗体価が高値を示し, 再検査を行つたが胸腺腫の再発はなかつたので免疫抑制療法を行い, ある程度の効果が得られた. 患者は1988年2月14日突然死亡した. 免疫抑制剤より血漿交換療法を用いた方がよかつたかもしれない.
  • 山口 裕佳, 藤本 武士, 林 信孝, 鳥村 大司, 前田 泰宏, 辻野 彰
    臨床神経学
    2021年 61 巻 4 号 234-238
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/21
    [早期公開] 公開日: 2021/03/25
    ジャーナル フリー HTML

    症例は80歳女性.構音障害,左上肢麻痺を主訴に脳卒中を疑われて当院救急搬送となった.入院第6日目に呼吸状態の悪化を認め,人工呼吸器管理となった.呼吸不全の原因精査を行なったところ,筋特異的チロシンキナーゼ抗体陽性が判明し

    重症筋無力症
    (myasthenia gravis,以下MGと略記)の診断となった.免疫療法を行い,徐々に症状の改善がみられ,約3ヶ月後には人工呼吸器からの完全離脱も可能となった.高齢発症MGでは症状変動の訴えに乏しく突然の嚥下障害,構音障害といった脳卒中様症状(stroke mimic)を呈した報告もある.高齢発症MGでは病歴上日内変動が明らかでなく,時に併存疾患の存在などで初期診断に難渋することがあり注意が必要である.

  • 井上 学, 小島 康祐, 金星 匡人, 中川 朋一, 神田 益太郎, 柴﨑 浩
    臨床神経学
    2013年 53 巻 3 号 229-234
    発行日: 2013/03/01
    公開日: 2013/03/23
    ジャーナル フリー
    症例は69歳女性である.進行性の嚥下困難で当科受診した.神経学的には,軟口蓋の挙上不全と著明な開鼻声と嚥下障害をみとめたが,四肢をふくめて易疲労性はなく,複視,眼瞼下垂もみとめなかった.3 Hz反復刺激試験で口輪筋および上肢筋に漸減現象はみとめられなかったが,テンシロンテストで球症状の改善をみとめた.抗アセチルコリン受容体(AChR)抗体は陽性,抗筋特異的チロシンキナーゼ(MuSK)抗体は陰性であった.球麻痺型
    重症筋無力症
    の診断でプレドニゾロンおよび臭化ピリドスチグミンを内服後,経口摂取可能となった.進行性球麻痺を単独に呈し,易疲労性がみとめられなくても
    重症筋無力症
    のことがあるので,注意を要する.
  • 重症筋無力症について
    山下 九三夫, 丹沢 章八, 佐野 節夫, 高士 将典, 渡辺 明春, 〓 暢
    日本良導絡自律神経学会雑誌
    1994年 39 巻 3 号 65-73
    発行日: 1994/03/15
    公開日: 2011/10/18
    ジャーナル フリー
  • 黒木 大介, 河上 洋, 中島 孝治, 鈴木 翔, 三池 忠, 芦塚 伸也, 安倍 弘生, 山本 章二朗, 稲津 東彦, 細川 歩
    日本消化器内視鏡学会雑誌
    2021年 63 巻 2 号 188-194
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/02/22
    ジャーナル フリー HTML

    症例は37歳,男性.

    重症筋無力症
    に対して胸腺摘出術を施行され,その後は内服加療とされていた.今回,検診目的に施行した上部消化管内視鏡検査により胃体上部大彎後壁に20mm大の褪色調の陥凹性病変を指摘された.生検での病理組織診断により印環細胞癌と診断され,当科紹介となった.術前精査によりESDの適応拡大の早期胃癌と診断し,ESDを施行した.
    重症筋無力症
    に対するESD施行時の鎮静方法はベンゾジアゼピン系薬剤が禁忌であり,筋弛緩作用を有しない薬剤の使用が求められる.そこで,デクスメデトミジン,ペンタゾシン,ヒドロキシジンを併用し,良好な鎮静下に安全にESDを施行し得た.鎮静剤が限られる
    重症筋無力症
    患者において,デクスメデトミジンは内視鏡治療時の選択肢となり得ると思われ,ここに報告する.

  • 片岡 和彦, 藤原 俊哉, 松浦 求樹, 妹尾 紀具
    肺癌
    2009年 49 巻 3 号 273-277
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/07/07
    ジャーナル オープンアクセス
    背景
    重症筋無力症
    (MG)に合併した肺癌の報告は少ない.症例.76歳の女性で,主訴は眼瞼下垂と下肢の脱力.エドロフォニウムの注射により筋力の改善を認めた.Sero-negative MGと診断された.胸部X線写真にて,右上肺野に異常影が認められた.胸部CTにて,右S1に3 cmのmixed ground glass opacity(GGO),右S3に1 cmのGGO,左S10に5 mmのGGOの3病変が認められた.肋間開胸を伴わない胸骨正中切開にて,拡大胸腺摘出術と根治的右上葉切除,リンパ節郭清術を同時に施行した.病理学的検索により,S1とS3の病変はそれぞれ混合型腺癌と肺胞上皮癌と診断された.術後経過は良好で,術後10日目にMGの薬物治療のために神経内科に転科した.4年2か月後の現在,患者は無再発生存しており,左S10のGGOに変化を認めず,pyridostigmine bromideの内服のみで筋力はほぼ正常に維持されている.結論.胸腺腫を合併しないMGと原発性多発肺癌の同時手術症例を報告した.MGに肺癌を合併する可能性がまれながら存在することを念頭に置くことが必要である.
  • 佐々木 優子, 小林 順子, 神部 友香, 浜野 晋一郎
    日本視能訓練士協会誌
    2016年 45 巻 167-172
    発行日: 2016年
    公開日: 2017/02/28
    ジャーナル フリー

    【目的】小児

    重症筋無力症
    (以下 小児MG)における眼科所見の特徴について報告する。

    【対象及び方法】対象は2010~2014年に埼玉県立小児医療センター眼科、神経科を受診し、小児MGと診断され治療を受けた15例(男児6例、女児9例)である。発症年齢は11か月~13歳11か月(平均年齢5歳7か月)であった。方法は、診療録より発症年齢、病型分類、初回受診医療機関、初発症状、主訴、眼科受診時所見(眼瞼下垂、眼位、眼球運動)、弱視発症例について検討した。

    【結果】15例中10例の発症年齢は5歳未満であった。病型は眼筋型11例、全身型4例であった。

    10例は初発時に眼科を受診していた。主訴、初発症状ともに眼瞼下垂が最多であった。初診時、眼瞼下垂は全症例、斜視は9例に認め、うち6例が外斜視であった。眼球運動障害は12例に認めた。弱視は3例に認め、小児MGが原因の弱視2例、屈折異常弱視1例であった。弱視治療は健眼遮蔽と眼鏡装用を行った。

    【結論】小児MGにおける機能弱視は、早期発見により治療可能であった。初発症状には多様な眼症状が複数重複することがあり、眼科受診時の問診と保護者の観察が重要と考えられた。

  • 50歳未満発病例との比較
    森松 光紀, 小松 美鳥, 平井 俊策, 岡本 幸市, 江藤 文夫
    日本老年医学会雑誌
    1983年 20 巻 5 号 376-384
    発行日: 1983/09/30
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    重症筋無力症
    (MG) を有する群馬大学神経内科症例48例および東大老人科症例6例, 計54例を高年 (50歳以上) 発病群 (14例) と若年 (50歳未満) 発病群 (30例) とに分けて比較し, 以下の成績をえた.
    1) 群大神経内科症例の発病年齢は男性は50歳代, 女性は10~30歳代にピークがあり, 高年発病者数は男7例 (男性例中50%), 女4例 (女性例中12%) であった. この年齢分布は本邦の各報告よりもむしろ欧米の統計 (Schwab ら, Osserman ら) に近く, 本邦でも注意深く調べれば高年発病の男性例がより多く発見される可能性を示した.
    2) 初発症状, 初診時の重症度, および初診より1年以上経過後の重症度について, 高年および若年発病群の両者の間で有意差は認められなかった. 追跡時の死亡数は高年発病群により多いが有意差はなく, 高年発病のMGの予後が悪いとはいえなかった.
    3) 血清抗アセチルコリン受容体抗体価を高年発病9例, 若年発病24例で測定したが, 10nMol/l以下の比較的低値を示す患者は高年発病群に有意に多かった.
    4) 胸腺の性状を気縦隔造影, 胸部CT, 手術ないし剖検によって判定したが, 肥大または残存型胸腺を示す症例数は高年発病群25%, 若年発病群65%で前者に有意に少なかった. 即ち, 胸腺腫を除けば高年発病者では胸腺はMG発生に重要な役割を果さぬことが示唆された.
    5) 高年発病の3例を示した. 症例1. 男性. 78歳発病. 9カ月の経過でステロイド治療中に死亡した. 剖検上, 胸腺の残存を認めなかった. 症例2. 男性. 52歳発病. 胸腺腫摘出後も症状は不安定で, 9年の経過で喉頭癌のため死亡した. 剖検で胸腺の残存を認めなかった. 症例3. 男性. 60歳発病. Osserman IIA. 気縦隔造影で肥大・残存型胸腺を認めた. 手術は行われなかった.
  • 松本 伸, 小西 洋, 岡 瞭, 木畑 正義, 井原 雄悦, 難波 玲子
    医療
    1984年 38 巻 9 号 920-923
    発行日: 1984/09/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    症例: F. K. 35才, 女性. 昭和53年2月, 頸部の筋脱力を初発症状とし, 次第に球症状を呈し来院した(Osserman IIb型). 抗コリンエステラーゼ剤(抗コ剤)でよくコントロー-ルされたが, 胸腺腫を合併するため, 同年10月浸潤性胸腺腫を含め胸腺切除術を施行した. しかし, 術後も抗コ剤の投与は必要で, 同年12月からは, 何度もクリーゼを繰り返し, 人工呼吸を必要とした. 経過中, 副腎皮質ホルモン, 免疫抑制剤, 血漿交換などの治療を行い, 抗アセチルコリンリセプター抗体価は低下したものの, 症状は好転しなかつた. 57年10月, 胸部CTにて胸腺腫の再発を認め, 前縦隔脂肪組織と再発浸潤性胸腺腫を切除した. 術後, 一時は症状の好転がみられたが, 短期間ののちに再び人工呼吸が必要となつた.
    以上, 種々の治療が効果なく, MGが必ずしも, Thymocentric diseaseではないことをうかがわせる1症例を報告した.
  • 高齢発症重症筋無力症および眼筋型重症筋無力症を中心に
    近藤 正樹, 滋賀 健介, 水野 敏樹, 伊地智 俊晴, 中川 正法
    日本老年医学会雑誌
    2005年 42 巻 5 号 546-552
    発行日: 2005/09/25
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    (目的) 高齢発症および眼筋型
    重症筋無力症
    (MG) 患者の治療, 予後について検討する. (方法) 当科入院患者データベースからMG患者を抽出し検討した. 1991年4月から2003年12月の間にMGが58例あり, 発症年齢によって高齢群 (65歳以上), 非高齢群 (20歳から64歳), 若年群 (19歳以下) に, また病型によって眼筋型と全身型に分類して治療と予後を検討した. (結果) 高齢群と非高齢群の検討: 高齢群は11例であった. 高齢群の内訳は眼筋型4例, 全身型7例であった. 高齢群では非高齢群と同様に女性の比率が高かった. 抗アセチルコリンレセプター抗体結合型 (以下抗AchR抗体と略す) は11例全例で陽性であり, 平均27.2nmol/lであった. 4例で胸腺病変を認めた. 当院で治療された10例のうち6例でステロイド薬が使用され, 4例で胸腺摘除術が施行されていた. 4例が抗コリンエステラーゼ薬 (抗ChE薬) のみで治療されていた. 一方, 4例で再燃を認め, このうち2例でクリーゼがみられた. 眼筋型の検討: 眼筋型は21例であった. 抗AchR抗体は12例で陽性であり, 異常高値を示した1例を除くと平均22.2nmol/lであった. 治療法は12例でステロイド薬が使用され, 4例で胸腺摘除術が施行されていた. 抗ChE薬のみの治療例は8例であった. 経過観察期間中に全身型へ移行したと判断された症例は1例であった. 症状改善例は16例でこのうち著明改善例は6例であった. (結論) 今回の検討では高齢群ではステロイド薬の導入・減量は, ステロイド薬の副作用, 他の合併症に関連して慎重な対応が必要であり, 予後にも重要な影響があると考えられた. 眼筋型の検討では, 全身型への移行例が1例のみで, 多数例で症状の改善を認めた. 多くの症例でステロイド治療が行われていたことが, 良好な予後に寄与していた可能性が示唆された.
  • 瀧川 円, 横山 大輔, 小野 しずか, 新井 紀子, 古吉 三紀, 古吉 直彦
    日本視能訓練士協会誌
    2014年 43 巻 173-179
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/03/19
    ジャーナル フリー
    【目的】
    重症筋無力症
    (以下MG)の発症年齢は、一般的に小児や20~50歳代に多いと言われている。我々は高齢発症のMGを数例経験し、1例は他院にて両眼眼瞼下垂の手術既往があった。今回、過去10年間に経験したMG8例について臨床的特徴を検討したので報告する。
    【対象と方法】対象は2003~2013年に当院を受診しMGと診断された8例である。それらに対し、年齢、主訴、瞼裂幅測定、上方注視負荷試験、眼位・眼球運動検査、抗アセチルコリンレセプター抗体(以下抗AChR抗体)の結果を調べた。
    【結果】男女比は1:1、受診時年齢は36歳~87歳で、30歳代1例、50歳代1例、60歳代1例、70歳代3例、80歳代2例だった(平均68.5歳)。受診時の主訴は、「瞼が下がっている」が最も多く6例、「二重に見える」3例、「見えにくい」2例、「遠近感がない」1例等があり、症状は7例で突発性だった。全例に左右非対称の眼瞼下垂を認めた。眼球運動障害は4例に認め、障害筋は上直筋3例、下斜筋4例、外直筋1例、偏位量は5~25⊿だった。確定診断は抗AchR抗体陽性7例、残り1例は内科にて診断された。
    【結論】当院におけるMGの発症年齢は、60歳以上の高齢者が75%を占めた。眼症状の発現は突発性で、眼瞼下垂の程度は軽度で左右非対称であった。眼球運動障害を半数に認め、偏位量の変動を認めた。日本でも近年高齢発症が増加している現状と一致しており、高齢者の眼瞼下垂で症状が突発性かつ複視を訴える症例では、MGも念頭に入れておく必要がある。
  • 荘司 奈穂子, 丸山 太郎, 岩崎 良二, 鈴木 裕也, 小沢 ゆか子, 春日 明, 伊東 克彦, 武井 泉
    糖尿病
    1996年 39 巻 1 号 53-59
    発行日: 1996/01/30
    公開日: 2011/03/02
    ジャーナル フリー
    症例は30歳, 女性. 24歳で糖尿病を指摘され, 食事療法でコントロール可能だったが, 27歳よりインスリンを導入された. 29歳で妊娠し, 30歳で正常分娩で出産した. 出産5カ月後に喋りにくさを自覚し, 自然に改善したが, 4カ月後に右眼瞼下垂が出現した. 抗アセチルコリン受容体抗体 (+), 右眼輪筋反復刺激にてwaning現象 (+), Tensilon test (+), 胸部CTで胸腺過形成 (+) より
    重症筋無力症
    と診断した. 肥満なく若年発症で家族歴に糖尿病なく, インスリン分泌の進行性の低下がみられ, GAD65抗体 (+) よりslowly progressive IDDMに発症5年目で
    重症筋無力症
    を合併したと考えられた. インスリン依存型糖尿病と
    重症筋無力症
    の合併は比較的稀であるが, 本邦における
    重症筋無力症
    と糖尿病の合併に関して文献的考察を行い, インスリン依存型糖尿病と
    重症筋無力症
    には共通の自己免疫機序を病因に有する可能性が示唆された.
  • 高山 澄子, 笠原 督, 河原 玲子, 平田 幸正
    糖尿病
    1983年 26 巻 11 号 1151-1157
    発行日: 1983/11/30
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    72歳という高齢で
    重症筋無力症
    を併発した女性糖尿病患者の症例を報告する.
    患者は, 35年間の糖尿病歴を有し, 昭和56年4月下旬, 突然, 複視を自覚し, やがて右眼瞼下垂の出現をみた.これらの症例は, 起床時は軽度で, 夕方に増悪する傾向があった.同年5月1日に当科入院し, 精査の結果, 胸腺腫を伴った
    重症筋無力症
    と診断され, 抗コリンエステラーゼ剤pyridostigmine bromideの投与を開始した.5月下旬, myasthenic crisisとともに心筋梗塞を併発した.6月中旬より副腎皮質ホルモンを併用し, 7月中毎に, 症状は改善した.しかし, 9月上旬より複視, 眼瞼下垂が再現し, 副腎皮質ホルモンの増量に対しても不応のため, 10月7日, 胸腺摘出術を施行した.術後, 一時症状軽快したが, 11月中旬より再燃したため, 12月1日より血漿交換療法を開始し, 2回施行後, すべての症状は消失した.以後, 2週間間隔の血漿交換療法と副腎皮質ホルモン, pyridostigmine bromideの併用で経過良好であったが, 昭和57年4月中旬より眼瞼下垂が出現したため, 血漿交換療法を頻回施行, さらに6月より, azathiopurineも併用, 9月には, 家庭生活が可能となった.
    経過中, 抗アセチルコリンレセプター抗体の測定を, 随時行ったが, その増減は, 臨床症状と一致し, 血漿交換療法施行後, 著しい減少を示した.
    なお, 経過中, 糖尿病のコントロールはインスリンで良好に保たれ, 細小血管症の増悪は認めなかった.
  • 佐伯 彰子, 福迫 俊弘, 根来 清, 野垣 宏, 森松 光紀
    日本老年医学会雑誌
    1996年 33 巻 7 号 532-534
    発行日: 1996/07/25
    公開日: 2009/11/24
    ジャーナル フリー
    患者63歳女性. 両側前腕の腫脹, 四肢の筋力低下で発症. 臨床症状, 血清CK高値等の検査所見より, 多発筋炎と診断した. プレドニゾロン内服により多発筋炎が寛解した後, 数カ月して両側眼瞼下垂, 複視が出現した. エドロフォニウム試験陽性, 抗AchR抗体高値で
    重症筋無力症
    と診断した. 胸部CTで, 前縦隔に石灰化を伴う胸腺腫を認めた. 拡大胸腺摘除術にて
    重症筋無力症
    症状は改善した. 多発筋炎に
    重症筋無力症
    が合併することは極めて稀であるが, 多発筋炎治療中に症状の増悪を認めた場合には
    重症筋無力症
    の合併を考慮する必要がある. さらに合併例では胸腺腫が比較的高頻度に認められることから, 胸腺腫による自己免疫異常の両疾患への関与が示唆される.
  • 神崎 昭浩, 本村 政勝
    臨床神経学
    2011年 51 巻 3 号 188-191
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/03/24
    ジャーナル フリー
    症例は30歳女性である.妊娠2カ月時に構音・嚥下障害が出現し,抗MuSK抗体陽性の
    重症筋無力症
    (MG)と診断.妊娠8カ月にとくに誘因なく球症状の増悪,四肢脱力をみとめ入院.妊娠37週で単純血漿交換(PE)をおこない,38週に帝王切開で女児を出産した.出生児は血清・臍帯血の抗MuSK抗体陽性で,哺乳力が弱く,一過性新生児MGと診断した.抗MuSK抗体陽性MGの妊婦では,これまで妊娠中から計画的にMGを管理した報告はない.抗AChR抗体陽性MGの妊娠・出産の通常の管理に加え,抗MuSK抗体陽性のMGでは球麻痺による症状の管理が主体となり,母児の栄養障害や羊水過多に注意し,遅滞なく単純PEをおこなう必要があると考えられた.
  • 井原 雄悦, 小西 洋, 三浦 謙造, 神坂 謙, 柏谷 尚子, 早原 敏之, 木畑 正義
    医療
    1993年 47 巻 7 号 538-541
    発行日: 1993/07/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    重症筋無力症
    に甲状腺乳頭腺癌と橋本病をともなった86歳女性例を報告した.
    重症筋無力症と橋本病の合併は多いが重症筋無力症
    と甲状腺癌の合併はまれである.
    重症筋無力症
    と橋本病の合併および橋本病と甲状腺癌の合併はよく知られていることから, 本症例における
    重症筋無力症
    , 橋本病, 甲状腺癌の合併は, これら3疾患の病因的関連を示していると考えられる.
    頭部のCTとMRIでは海綿静脈洞近傍に腫瘍が認められ, 甲状腺癌の転移が示唆された. そして本症例は複視 ,両眼の視野狭窄, 左眼の視力障害を認めたが, 両眼の瞳孔は正常であった. したがって, 動眼神経内の副交感線維は海綿静脈洞腫瘍の圧迫による障害を受けにくいと考えられる.
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