近年, 台湾のIT
企業
による生産拠点作りが海外, 特に中国で急増している。労働力の低廉, 政府の規制緩和などが誘因となって, IT産業を中心とする台湾産業の空洞化が進む可能性は否定できない。本稿では, 台湾に空洞化が到来する可能性があるか否かを検証した。検証の結果, 台湾における産業空洞化という現象は, 現時点では必ずしも明確には認められなかった。しかし, 「GDPに占める製造業のシェア」や「製造業の雇用率」は明らかに低下しており, 「対外 (対中国) 投資」の面からみると, 製造業の流出が増大している。つまり, 湾の産業全体における「製造業の弱体化」は明らかに進んでいる, と結論づけざるをえない。
抄録全体を表示