(1) 土佐産魚類28科, 41種の眼球内B
1について,ブロムシアン アルカリ反応を利用するチオクローム法により実験した.
(2) 魚体肉部と眼球中のB
1含量を淡水魚,
鹹水魚
合せて6尾について実験した結果,各種魚類共眼球中B
1含量は体肉部のそれに比して遙かに多く, 6尾平均約60倍に達していた.
(3) 同一魚体の左眼と右眼とのB
1含量をヒイラギ7尾について実験した結果, 7尾平均左眼53.8γ/gに対して右眼52.9γ/gにして,両者の間には0.1%の危険率で差が認められなかつた.
(4) 魚眼球内B
1分布状態を新鮮なるキハダ眼球について実験した結果, B
1の大部分は網膜と硝子体中に存することを知つた.
(5) 魚眼球中のB
1含量並に眼球B
1総量中遊離型B
1と結合型B
1との割合を土佐産魚類28科, 40種につき実験した結果,乾眼中総B
1200γ/g以上を含むものは7種, 100γ/g以上が5種, 100~10γ/gが24種, 10γ/g以下が4種であつた.而して100γ/g以上のB
1を含むクロダイ以下ヒメジに至る11種の
鹹水魚
はすべて沿海魚又は近海魚に属し,キビナゴ以下マイワシに至る12種の海洋性魚はすべて100γ/g以下のB
1を含んでいた.なお魚眼総B
1中遊離型B
1が極めて多く, 40種平均結合型B
1 7.1%に対し遊離型B
1は92.9%であつた.
(6) 魚眼球中B
1含量と体長との関係を知るためヒイラギ40尾について実験した結果,有意水準5%に於て両者の相関は有意とは認められなかつた.
(7) 魚眼球中B
1の加熱による変化をマエソ及びイトヨリについて実験した結果,乾熱器中300°内外で加熱する場合5~7分で魚眼B
1の35~50%が減損されることを知つた.
抄録全体を表示