日本食品科学工学会誌
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シーベリー葉ポリフェノールによる高脂肪食投与雄マウスの抗肥満効果
西 繁典齋藤 優介小疇 浩弘中 和憲小嶋 道之
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2007 年 54 巻 11 号 p. 477-481

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抄録

高脂肪食餌と同時にシーベリー葉ポリフェノール(SBLPP)飲料を8週間与えた雄マウスの体重は,コントロールよりも有意に低く,特に腹部の脂肪重量および肝臓重量は顕著に低かった.また,SBLPP飲料を与えた雄マウスの血中GPT活性はコントロールよりも有意に低く,高脂肪食摂取による肝臓への脂肪蓄積の抑制が示された.また,8週間SBLPP飲料を与えた雄マウスの脂肪酸β酸化酵素であるacyl-CoA oxidase(ACO)およびmedium-chain acyl-CoA dehydrogenase(MCAD)の遺伝子発現量は有意に増加していた.in vitro実験により,SBLPPが膵リパーゼ活性を濃度依存的に抑制することが示され,そのIC50は4.5ppmを示した.これらの結果より,長期間,高脂肪食餌と同時にSBLPP飲料を雄マウスに与えると,肝臓における脂肪酸β酸化酵素の遺伝子発現が促進されて脂質代謝促進が起こると共に,膵リパーゼ活性を抑制することにより,体内への脂肪輸送が低下して,糞中に脂肪が排泄され,体脂肪蓄積が抑制されたと推定した.

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© 2007 日本食品科学工学会
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