日本食品科学工学会誌
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早期公開論文
早期公開論文の11件中1~11を表示しています
  • 篠原 雄治, ヨハネス ノヴィクルニアワン, 鈴木 康司, 佐見 学
    原稿種別: 令和4年度日本食品科学工学会技術賞総説
    論文ID: NSKKK-D-22-00095
    発行日: 2023年
    [早期公開] 公開日: 2023/01/23
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    ビールは、その特徴(エタノールの存在、低いpH、高いCO2含有量など)により、微生物の増殖が抑えられ、微生物学的に安定な飲料として認識されてきた。その一方で、限られた微生物はビール中で生育が可能であり、それらの微生物はビール混濁微視生物と呼ばれる。近年、新規なビール混濁微生物の出現や、従来の伝統的なビールよりも微生物学的安定性が低い非伝統なビール(ローアルコールビール、ノンアルコール飲料など)の人気の高まりにより、ビール混濁微生物が継続的に出現し、微生物による変敗事故が発生する可能性がある。このようなビール混濁微生物の増加は、種特異的なPCRベースの検出方法に大きく依存する検出法では、対応できなくなると考えられる。よって、種特異性にとらわれないより普遍的な検出法、すなわち「種非依存的」な検出法と、「より広範な微生物種を正確に判定できる包括的な種判定法」が必要とされると考えた。そこで、著者らはホップ耐性遺伝子horAやhorCなどのビール混濁乳酸菌特異的な遺伝子マーカーを用いた種非依存的なPCR検出法、および新しい技術である第3世代DNAシーケンサー(MinION)を用いた微生物同定法を開発し、高精度かつ広範囲で、醸造所における品質管理として使い勝手のよい手法を確立した。また、第3世代DNAシーケンサーを用いた複数の標的遺伝子の同時解析に成功し、種の同定と種内識別のための、特異的遺伝子マーカーの検出を同時に行う方法を考案した。第三世代シーケンサーは、その応用範囲の広さ、初期投資コストの低さ、ランニングコストの低さから、ビール工場における新たなビール混濁微生物対策の武器として広く採用されることが期待される。

  • 安田 みどり, 米山 明男, 竹谷 敏, 田端 正明, 川﨑 美紅, 江原 德美, 廣沢 一郎, 妹尾 与志木
    原稿種別: 報文
    論文ID: NSKKK-D-22-00053
    発行日: 2023年
    [早期公開] 公開日: 2023/01/06
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    本研究では, 機械そうめんの食味の特徴をミクロ構造から解明することを目的とした. 食味検査により, そうめんのコシ (弾力) は, 機械そうめん (神埼そうめん, MS1) <手延べそうめん (揖保乃糸, TS) <機械そうめん (ナンバーワン, MS2) の順となった. 一方, 破断強度の測定によって求めたコシは, MS1<MS2<TSの順に強くなった. 放射光CTスキャン測定により, TS (乾麺) は中心部に帯状の大きな空隙が存在しており, 茹でた後も一部帯状の空隙が残っていることがわかった. この外側と中心部の内部構造の違いが, 破断強度のコシが強い要因であると考えられる. 一方, 機械そうめんは小さな空隙が均等に分散した内部構造であった. これが, 破断強度のコシが低い値となった原因であることがわかった. しかし, 食味検査でMS2がTSよりもコシが高いという結果であったことから, 茹で操作における吸水速度も食感に影響したと考えられる.

  • 西本 有紀, 辻井 良政, 菱川 美千代, 髙野 克己, 藤田 明子
    原稿種別: 報文
    論文ID: NSKKK-D-22-00055
    発行日: 2023年
    [早期公開] 公開日: 2023/01/06
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    本研究では,ブレンド米の食味評価方法に着目し,ブレンド比率による各評価の精度や,ブレンド米の食味について新知見を得られた.1. 酵素活性量測定,粘弾性測定,食味官能評価,機器による食味評価(食味鑑定団),いずれの方法においても,精白米のブレンド比率ごとの予測値と測定値の相関係数はr≧0.57(p<0.05)であり,高い精度で測定ができることがわかった.2. 食味評価が低い精白米のブレンド割合が多くなるにつれ,食味の低下がみられた.ただし,特徴が異なる精白米のブレンドにおいてはその比率による食味の変化が大きく,類似品種のブレンドにおいては,食味の差異が小さいことがわかった.3. ブレンド比率が食味に与える影響は,酵素活性量(β-アミラーゼ,β-ガラクトシダーゼ),粘弾性評価,そして食味評価(食味官能試験・機器測定)により明らかになることがわかった

  • 宮本 雄基, 角田 光淳, 田崎 達明, 栗 彩子, 川原 一芳
    論文ID: NSKKK-D-22-00016
    発行日: 2023年
    [早期公開] 公開日: 2022/12/23
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    大豆は機能性や栄養に富んだ有用な食材であるが,不快な味や臭い,さらに不活化の困難な栄養阻害因子などを含み,利用を妨げている.そこで,栄養阻害因子のトリプシンインヒビター(TI)の不活化にアルコールのタンパク質変性能を利用し,不活化を検討した.また,耐熱性のウレアーゼ(UA)とTIの不活化が連動6)するのかについて考察した.沸騰水浴中で大豆粉分散液及び枝豆のTI活性度の経時変化を調べた.その結果,大豆粉のTIはほとんど不活化しなかったが,枝豆は茹で汁中への溶出と共に緩やかに減少傾向を示した.また,大豆TIは70 %アルコール下,常圧加熱ではほとんど不活化しなかった.そこで容器に大豆粉とアルコールを入れ密閉し,加圧加熱による不活化を検討した.その結果,この処理によってTIの不活化が顕著に認められた.なお,加圧熱アルコールによるUA及びTIの不活化は,アルコール濃度とその温度及び時間に依存することが示唆された.TIの不活化には,エタノールを添加した加熱が必要であり,これはエタノールを加えない同温度による加熱との比較で明らかな差を示した.またUAは105 ℃,エタノール濃度20 %以上でほぼ不活化した.これらの結果より,両者の同時不活化が可能であることが確認できた.

  • 大矢 寛子, 増田 隆昌, 石川 大仁, 瀧本 陽介, 積志 保子, 堀田 拓哉, 大滝 尋美, 荒木 雄介, 小栁 衣吏子, 篠原 裕枝, ...
    原稿種別: 報文
    論文ID: NSKKK-D-22-00033
    発行日: 2023年
    [早期公開] 公開日: 2022/12/23
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    本研究では,パイナップルの8週間の摂取によって,肌トラブルが気になり便秘傾向の日本人男女の肌質と腸内環境が改善される可能性が示唆された.特に肌質に関しては,先行研究と同様に肌の乾燥やシミの自覚的評価が改善したことに加え,これらの効果について機器測定値による裏付けも得られた.本研究により,パイナップル摂取による健康効果について更なる知見が得られたことから,人々の美容や健康に貢献できる食材であることが期待される.

  • 井成 真由子, 硲田 汐音, 市坪 美寿紀, 樋口 紅葉, 片山 宏司, 船越 吾郎, 岩木 みさき, 西田 淑男
    原稿種別: 報告
    論文ID: NSKKK-D-22-00043
    発行日: 2023年
    [早期公開] 公開日: 2022/12/23
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    最近,味噌の製造工程で発酵・熟成工程に使用される容器は,従来の木製の桶から繊維強化プラスチック (FRP) や金属製のタンクに代わってきている.そのため,仕込み容器の違いが味噌に与える影響を明らかにすることを目的に,木桶およびFRP製の仕込み容器で同一原材料と原料処理および配合条件で仕込み,製造された米味噌を用いて解析を行った.その結果,木桶味噌とFRP味噌との差異は,栄養成分,有機酸および遊離アミノ酸量において若干認められたが,味覚に関しては大きな影響を与えないことが示された.しかしながら,香気成分では両者に大きな差が認められ,木桶で製造された味噌の方が香気成分含量および種類ともに多かった.この要因として,木桶味噌とFRP味噌の菌叢分布差異が影響していると示唆された.

  • 髙橋 徹, 塚本 研一, 渡辺 隆幸, 佐々木 康子, 上原 健二, 須藤 あさみ, 小林 侑太郎, 舩津 保浩
    原稿種別: 技術論文
    論文ID: NSKKK-D-22-00045
    発行日: 2023年
    [早期公開] 公開日: 2022/12/23
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    本研究では発酵スターター (SC) と市販酵素製剤 (CE) を用いて3種類の食塩濃度 (28%, 25%, 20%) でしょっつるを製造し, 30℃で6か月間熟成後の最終製品の品質特性を調べた. いずれの試料も色調はほぼ類似した値であった. Hmレベルはいずれの試料も28~76 ppmの範囲でSCの添加効果は見られなかった. 味覚センサー分析データの主成分分析結果から食塩濃度20%-14-1株添加区は食塩濃度20%-14-1株無添加区に比べてうま味 (先味と後味) が強くなった. 順位法による官能評価では同処理区は味が有意に (p<0.05) 好まれた. 伝統的製法のしょっつるは常温で熟成に2~3年かかり, 食塩量も28%と高いが, SCおよびCEを用いて製造したしょっつるは30℃で6ヶ月程度の熟成で仕上がり, 食塩濃度も28%から20%に低減可能で, 味も好まれることから, 新たなタイプの製品の製造の可能性が示唆された.

  • 藤本 明, 齋藤 高弘, 江 小涛, 田村 匡嗣
    原稿種別: 報文
    論文ID: NSKKK-D-22-00047
    発行日: 2023年
    [早期公開] 公開日: 2022/12/23
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    本研究は,β-グルカン量の異なる3種類の大麦粉で餃子皮を作製し,その物性,機能性成分および糖質消化性を小麦粉で作製した餃子皮と比較することで評価した.大麦粉を60 %含む餃子皮は,焼成後も目立った損傷なく再現性良く作製された.焼皮のβ-グルカン量は「ダイシモチ」>「もち絹香」>「サチホゴールデン」>小麦の順に多かった一方,TP量は,「ダイシモチ」>「サチホゴールデン」>「もち絹香」>小麦の順に多かった.小麦焼皮は白色を帯びた黄色であったのに対し,大麦焼皮は褐色や茶色を示し,特に「ダイシモチ」は黒みのある焼皮であった.「もち絹香」および「ダイシモチ」の硬さは最も低く,「ダイシモチ」の伸びは最も小さかった.糖質消化率は,小腸消化の初期においてもち絹香および小麦が急激に上昇したのに対し,「サチホゴールデン」および「ダイシモチ」が緩やかに上昇した.eGIは,「もち絹香」が最も高く,「サチホゴールデン」が最も低かった.平衡消化率はAA量(r=-0.99, p<0.01)およびRS量(r=-0.98, p<0.05)と負の相関を示した.焼皮のβ-グルカン量は,硬さ,伸び,みかけの粘度および糖質消化性との間に相関関係がみられず,間接的にこれらの性質に影響した可能性が示唆された.

  • 野呂 渉, 髙橋 誠, 赤塚 昌一, 奥西 智哉, 渡辺 聡
    原稿種別: 技術論文
    論文ID: NSKKK-D-22-00049
    発行日: 2023年
    [早期公開] 公開日: 2022/12/23
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    無菌化包装米飯は, 常温で保存でき簡便な加熱調理で食べられることから, その需要は年々増加している. 本研究では, 無菌化包装米飯の賞味期限延長のために, 賞味期限設定の指標となるにおい成分を探索し, これが品質に及ぼす影響を検討した. そのために, 異なる包装資材で包装された無菌化包装米飯による15カ月間の長期保存試験を行い, 容器内酸素濃度やにおい成分の変化を調べた. Monolithic Material Sorptive Extraction (MMSE) 法によるGC/MS分析の結果, n-ヘキサナールは他のにおい成分よりも顕著に検出され, 保存期間が長く保存温度が高いほど増加した. また, 保存期間中の容器内酸素濃度は, 脱酸素剤によりいずれの包装容器においても低く保持されていたが, 酸素透過度の高い包装資材ほどn-ヘキサナールが増加した. このことから, 大気中から包装資材を通過して侵入した酸素は米飯と素早く反応すると推察され, より酸素透過度の低い包装資材の使用が無菌化包装米飯の賞味期限延長に有効と考えられた. 保存試験を通じての無菌化包装米飯のn-ヘキサナールと官能評価の間には有意な負の相関 (香り:r = -0.73, 総合評価:r = -0.79) が認められ, n-ヘキサナールは無菌化包装米飯の賞味期限設定の有望な指標になると考えられた.

  • 太田 美樹, 石原 清香, 後藤 佳代, 栗田 真衣, 中馬 誠, 船見 孝博
    原稿種別: 報文
    論文ID: NSKKK-D-22-00051
    発行日: 2023年
    [早期公開] 公開日: 2022/12/23
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    本研究はアイスクリーム類の喫食中に感じる食感の「リッチ感」に関わる要素を明らかにすることを目的とした.市販のアイスクリーム類および試作したアイスクリーム類について,12名の評価者で食感の「リッチ感」を評価するとともに,経時的な食感変化を捉えることのできるTDS法を用いて食感を評価した.TDS法では「かたい」,「ふんわり」,「ねっちり」,「さくい」,「なめらか」,「シャリシャリ」,「もったり」,「すっきり」の8用語を用いた.TDSカーブから算出したパラメータを用いた重回帰分析により「リッチ感」に関わる食感要素を調べた.その結果,付着感に関する「ねっちり」と「さくい」,舌ざわりに関する「なめらか」と「シャリシャリ」,後口に関する「もったり」と「すっきり」を含むパラメータが説明変数として選択され,これらの食感要素が「リッチ感」に寄与していることが明らかになった.また,安定剤等は特定の食感要素をコントロールし「リッチ感」を向上させることが明らかになった.これらの知見は,アイスクリーム類の食感評価および今後の安定剤開発に応用できると考えられる.

  • 三浦 豊
    原稿種別: 技術用語解説
    論文ID: NSKKK-D-22-00083
    発行日: 2023年
    [早期公開] 公開日: 2022/12/23
    ジャーナル 認証あり 早期公開
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