日本食品科学工学会誌
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早期公開論文
早期公開論文の12件中1~12を表示しています
  • 船見 孝博, 中馬 誠, 石原 清香, 神山 かおる, 小野 高裕, 堀 一浩, 西成 勝好
    原稿種別: 技術賞総説
    論文ID: NSKKK-D-24-00002
    発行日: 2024年
    [早期公開] 公開日: 2024/02/27
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    This article outlines the outputs from a series of our research activities on food texture studies. This includes mechanical and physiological approaches to texture quantification and their applications to product design, which aims to meet the increased demand for foods/beverages that are palatable as well as safe for consumption. As a result of tremendous efforts and supports, we have published approx. 40 research papers, including original papers and reviews, since 2011. This can contribute to novel academic insights into the mechanism and behavior of food oral processing in humans and serve as a practical tool for industry to facilitate inter-company and international collaborations to produce qualified and standardized products.

  • 滝沢 陸, 小山 翔大, 辻井 良政, 半田 明弘
    原稿種別: 報文
    論文ID: NSKKK-D-23-00104
    発行日: 2024年
    [早期公開] 公開日: 2024/02/26
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    本研究では,予備加熱に続く本加熱を利用した二段階加熱法による卵白の加熱ゲル物性制御について検討した.66 ℃での予備加熱により調製した二段階加熱ゲルにおいて対照と比較して破断荷重および破断ひずみが大きく繊維状の微細構造が認められた.一方,74 ℃での予備加熱により調製した二段階加熱ゲルにおいて対照と比較して破断荷重および破断ひずみが小さく,空隙が多い不均質な微細構造が認められた.74 ℃での予備加熱により調製した二段階加熱ゲルは加熱(80 ℃,24 h)や3週間程度の酸性調味液への浸漬(21 d)による硬化に対して一定の抑制効果を示した.予備加熱時のタンパク質の熱変性挙動を分析し,物性制御の機構を解析したところ,66 ℃での予備加熱によりOVTおよびLYZがSS結合を主とした凝集体を形成したが,大半のOVAは未変性のまま維持された.したがって,本加熱にてOVA同士の結合が生じ,繊維状のネットワークを主体とした,破断荷重および破断ひずみが大きいゲルが形成されたものと推察された.一方,74 ℃での予備加熱により,OVTおよびLYZ のSS結合を主とした凝集に加えて,大半のOVAが微変性条件にて凝集したことが明らかになった.したがって,予備加熱にてすでに疎なネットワークが形成され,残存する OVA量が少なく本加熱がゲルネットワークに及ぼす影響は小さいため,分子間相互作用の強化がゲルの硬さに反映されにくいと考えられる.このように,疎なネットワークにより,二段階加熱後に破断荷重が小さくなり,長時間加熱および酸性調味液浸漬に供してもゲルが硬化しにくくなったと推察された.以上,予備加熱により各タンパク質の変性および凝集履歴を変化させることで,本加熱により調製したゲルの物性を制御できることが示された.

  • 本田 洋之, 小原 洸瑠, 川村 優香, 松塚 祐伍, 阿部 尚人
    原稿種別: 報告
    論文ID: NSKKK-D-23-00101
    発行日: 2024年
    [早期公開] 公開日: 2024/02/22
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    日本の大豆発酵食品の一つに“ごど”がある. 本研究では, ごど保存時の温度が品質に与える影響を明らかにするために, 微生物学的な評価を行った. 25 ℃で保存した試料からはシンナー臭が発生し, 試料表面に白色の膜が表出した. この試料からはBacillus subtilis, および産膜酵母Wickerhamomyces anomalusが分離された. 分離された酵母株を添加したごどでは, 25 ℃で保存中にシンナー臭および産膜が再現された. 本菌株の増殖は, 低温では抑制されたが, NaClによる抑制は認められなかった. 以上の結果より, W. anomalusがそれら変質の原因であり, ごどの保存は低温で行う必要があることが示唆された.

  • 成澤 朋之, 江原 雅人, 原田 雅典, 海野 まりえ, 金子 雅明, 仲島 日出男
    原稿種別: 報文
    論文ID: NSKKK-D-23-00102
    発行日: 2024年
    [早期公開] 公開日: 2024/02/15
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    高灰分粉を発酵種の継代試料として活用することで,低コストで従来のパンとの風味差別化を図ることが可能になると考えられる.本研究では高灰分粉発酵種の使用による国産小麦を原料としたパンの呈味・香気成分の変化を確認した.呈味成分分析と揮発性成分分析の結果,共通して高灰分粉発酵種添加割合が2.5および5 %のパン試料と小麦粉発酵種添加割合が10 %および20 %のパン試料が同様の傾向を示した.発酵種添加割合の増加と共に,呈味成分分析結果では乳酸やアミノ酸含有量の増加が,揮発性成分分析結果からは有機酸類やアルデヒド類の面積値の増加が確認された.一方,メイラード反応生成物であるピラジン類は発酵種添加割合の増加と共に面積値が減少した.官能評価において,発酵種無添加試料では「甘味」「塩味」などの用語が選定され,高灰分粉発酵種20 %添加試料では「酸味」「えぐみ」「焦げ臭」などが選定された.官能評価の結果,小麦粉発酵種10 %添加試料は高灰分粉発酵種2.5 %添加試料および5 %添加試料と同程度,また小麦粉発酵種20 %添加試料は高灰分粉発酵種5%添加試料と10 %添加試料の中間程度の結果となった.これらの結果から,高灰分粉発酵種は小麦粉発酵種と比較して,少量の添加でも呈味成分や揮発性成分の増強効果が高いことが確認された.

  • 吉村 侑子, 藤原 真紀, 中村 允
    原稿種別: 地域食品研究のエクセレンス
    論文ID: NSKKK-D-23-00107
    発行日: 2024年
    [早期公開] 公開日: 2024/02/07
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    The sake yeast strain “KODO” was isolated from the soil of Kumano Kodō, a world heritage site, and has been used in sake fermentation. In this study, we bred the strain to enhance the productivity of ethyl caproate, which is one of the important flavor compounds of ginjo-shu. The concentrations of ethyl caproate of test brewing sake fermented by bred yeasts were 8-10 fold higher than that of the parental KODO strain. Furthermore, the concentrations of acetic acid of test brewing sake fermented by bred yeasts were 1/3-1/5 fold lower than that of the parental KODO strain. “KODO.ec 162”, one of the bred yeasts, has been used for sake fermentation since 2021.

  • 杉山 妙, 村野 賢博, 土屋 欣也, 佐藤 史明
    原稿種別: 報告
    論文ID: NSKKK-D-23-00089
    発行日: 2024年
    [早期公開] 公開日: 2024/02/05
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    食感知覚における“音”の重要性を示すため,自作装置を用いてポテトチップス咀嚼中の骨導音をヘッドホンから聴覚フィードバックさせながら,食感官能評価を実施した.開封直後の新鮮なポテトチップスにおいて,総じて呈示音量に応じてクリスプネスの知覚が増強されることが確認でき,既報と一致した.さらに,吸湿したポテトチップスにおいても同様の結果が得られ,咀嚼音の増強が食感劣化を補完する効果を持つことも示唆された.

  • 折笠 貴寛, 山部 裕貴, 小出 章二
    原稿種別: 技術論文
    論文ID: NSKKK-D-23-00095
    発行日: 2024年
    [早期公開] 公開日: 2024/01/31
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    異なるブランチング処理方法(HW,ST,SHS)で製造されたニンジンジュースを対象として,嗜好型官能評価手法の1つであるコンジョイント分析を適用することで,消費者の嗜好特性を評価した.その結果を用い,嗜好特性を考慮したニンジンジュースの品質評価モデルの構築を試みた.その結果,嗜好特性を考慮しないQIと嗜好特性を考慮したQI’の間には結果の解釈に違いが生じた.嗜好特性を考慮した単一指標による品質評価手法を実際の食品加工操作に展開することにより,消費者の嗜好特性を反映した商品開発が期待される.また,コンジョイント分析では今回用いた栄養成分や色彩以外にも消費者の嗜好度を左右する製品の品質,例えば,産地,価格およびテクスチャーを用いて重要度を算出することによって,多角的な視点から製品の価値を定量化することも可能となると考えられ,今後の研究の進展が望まれる.

  • 神山 紀子, 芦田 かなえ
    原稿種別: 研究ノート
    論文ID: NSKKK-D-23-00091
    発行日: 2024年
    [早期公開] 公開日: 2024/01/23
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    主食の栄養バランスを改善し生活習慣病を予防するため,玄米ともち性大麦を美味しく混合炊飯する加水条件を検討した.「ゆきむつみ」玄米と「キラリモチ」丸麦を同時に30 ℃で3時間浸漬し吸水させ混合炊飯すると,それぞれを単独で炊飯した場合に比べ炊飯玄米粒の水分が低く,テクスチャーがかたくなり,炊飯丸麦粒の水分が高くなった.吸水速度が遅い「ゆきむつみ」玄米を30 ℃で2時間浸漬した後に「キラリモチ」丸麦を加えてさらに1時間浸漬する時差吸水後に混合炊飯すると,玄米と丸麦ともに炊飯粒の水分とかたさは単独炊飯した時の数値に近くなり,玄米のテクスチャーが軟らかくなり食味を改善することができた.

  • 清野 晃之
    原稿種別: 報告
    論文ID: NSKKK-D-23-00085
    発行日: 2023年
    [早期公開] 公開日: 2023/12/26
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    本研究では, ニラの冷凍保存によるメチイン含量の変化を調査するために, 4種類の包装方法を検討した. その結果, ニラ葉の表面の乾燥を防ぐ方法, フリーザーバックやラップではニラを密閉・密着して保存することができるため, 冷凍後のニラのメチイン含量に影響はないことがわかった. 一方で, 新聞紙を用いた場合, 包装時の厚みにより, メチイン含量に影響が見られた. これはニラを薄く新聞紙で包んだ際に, ニラからの水分蒸発が新聞紙外の空気まで移動したことで乾燥が進み, それに伴いニラの組織や細胞が劣化したことで, エタノールによるメチインの抽出効率が向上したのではないかと考えられる.

  • 大野 智生, 蒲野 悟史, 古田 真優, 三島 周平, 岩橋 均
    原稿種別: 報文
    論文ID: NSKKK-D-23-00093
    発行日: 2023年
    [早期公開] 公開日: 2023/12/25
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    深部発酵法米酢における細菌群集構造の変化を, 発酵開始から終了まで調査した. 細菌組成の調査により, 酸度の異なる2種類の深部発酵米酢の両方において, エタノール濃度が減少し始めるタイミングにおけるKomagataeibacter属酢酸菌割合の急激な増加, 増加後の高割合での優占の維持が確認された. また, 植菌源に対するメタゲノム解析の結果から, 深部発酵米酢において発酵を行う酢酸菌については, 深部発酵で一般的にみられ, 高酢酸濃度に対する耐性を持つ, Komagataeibacter europaeusであることが示唆された. また, この菌株はヨーロッパで生産される深部発酵酢から分離された株と近縁であると推定された. これらの結果から, 深部発酵による米酢醸造における微生物組成の安定性が確認され, 発酵において主要な働きをする細菌が他の深部発酵酢と同様であることが示唆された. 本研究は米酢深部発酵の微生物に関する基礎的な情報を提供するものであり, 米酢醸造における発酵過程の最適化に役立つ可能性がある.

  • 山﨑 有美, 河野 愛未, 松本 朋子, 大島 達也, 山﨑 正夫
    原稿種別: 報文
    論文ID: NSKKK-D-23-00084
    発行日: 2023年
    [早期公開] 公開日: 2023/11/22
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    きんかんを加工し機能性成分である-クリプトキサンチンの含有量を比較したところ, ペーストにより多くのβ-クリプトキサンチンが含まれ, ペーストと麹菌発酵乳飲料を混合しても, -クリプトキサンチン含有量は変化しなかった. また, きんかんペースト添加麹菌発酵乳飲料を65°C 及び 85°Cで殺菌処理したところ, 65°C試験区において多くのβ-クリプトキサンチンが残存することが示された. きんかん由来β-クリプトキサンチン-麹菌発酵乳飲料混合物のβ-クリプトキサンチン腸管吸収能を評価した結果, β-クリプトキサンチン単独区と比較し, 麹菌発酵乳飲料混合区の腸管吸収量は約14倍に上昇することが明らかとなった.

  • 甲斐 彰, 斎藤 幸雄
    原稿種別: 研究ノート
    論文ID: NSKKK-D-23-00055
    発行日: 2023年
    [早期公開] 公開日: 2023/10/31
    ジャーナル 認証あり 早期公開

    炊飯米から製造するペーストについて, 一般的な高速せん断加工とは異なる押出加工による製造方法を試みた. 従来は困難であった加工直後の米ゲルの物性評価に, 塗装や油脂の調整などで用いる簡易的な工業計測の適用を試みた. そして, 次の結果が得られた. (1) ポートホールダイスを用いて均質なペーストを短時間に得ることができる. (2) ポートチャンバー部で剪断力を与えることにより, 炊飯米の硬い部分もクリアランスより小さい粒子に破砕することができる. (3) コンテナ径およびダイスの仕様により, 人力によるペースト加工が可能となる. (4) 必要荷重が大きくなるが, 硬めに炊飯した米でもペースト加工が可能である. (5) ペーストに含まれている粒子の大きさの評価にグラインドゲージが利用でき, 加工直後の高温条件であっても迅速に評価ができる. (6) ペーストの柔らかさの評価にちょう度計が利用でき, 加工直後の高温条件であっても迅速に評価ができる. (7) 炊飯米から加工したペーストには肉眼で判別可能な白い塊が見られ, これは触感では粒状には感じない程度に容易に塑性変形する.

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