日本食品科学工学会誌
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加工用微粉抹茶の製造と性質
原口 康弘今田 幸男沢村 信一
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2003 年 50 巻 10 号 p. 468-473

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抄録
(1) 種々の抹茶の粒度分布を測定し,抹茶の粒度域が1∼100μmと広いことが判明した.抹茶を食品加工用として使用する場合には,生地の膨らみの悪さ・飲料では沈降性・練り物には色付けの悪さなどの問題があり,これが大きな粒度域の抹茶に起因するのではないかと思われた.
(2) 微粉抹茶を2通りの方法で作成した.分級による方法と,ジェットミルによる方法である.両方法で調整した微粉抹茶の粒度域は1∼20μmと狭く,均一度が高かった.この微粉抹茶を用い,水への懸濁性・そばきり・ヨーグルト・パンへ添加し,沈降量・測色値・生地の膨らみ度合などを比較した.
(3) 微粉抹茶は,沈降量の少なさ・測色値の向上・生地の膨らみにおいて加工用抹茶より優れていた.微粉抹茶は,食品への添加原料として優れたものであることが判明した.
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© 社団法人 日本食品科学工学会

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