抄録
本研究では,対話型鑑賞に関する研究の現状と課題を調査するため,Visual Thinking Strategies に関する実証研究のレビューを行った。200件の文献が該当し,除外基準に基づく検討により,最終的に43件の文献が抽出された。これらを対象に,研究デザインおよび研究領域・研究対象に着目して分析した。結果として,医療・看護の分野で実証研究が増加している一方で美術教育の研究は多くないこと,多くの研究が1 ~ 2 回の単発介入に焦点を当てていること,鑑賞作品や対話の内容についての報告が不足していること,ファシリテーターに関する研究が不足していることが見出された。今後はVTSの長期的な効果,作品と対話内容,ファシリテーターなどの学習環境に着目した研究が必要である。