2017 年 24 巻 1 号 p. 1_27-1_52
本研究の目的は、製品のパッケージ・デザインと消費者の感情が製品選択行動に及ぼす影響を明らかにすることである。そのために飲料水のボトルを用いた実証実験を行い、パッケージ形状の非凡性と消費者の感情の覚醒水準が、購買時の容量判断、製品選択に及ぼす影響を検証した。本研究でも過去の研究と同様に、パッケージ形状の非凡性が高くなると、消費者はパッケージの容量を実際よりも大きく知覚し、その誤った容量判断のもとで、容量を大きく知覚した製品を選択することが確認された。さらに本研究では、消費者の感情の覚醒水準に着目し、覚醒水準が高い消費者は、パッケージ形状の非凡性に左右されず、パッケージの容量を正確に知覚し、その正確な容量判断のもとで、非凡性の高い形状の製品を選択することが明らかになった。