障害科学研究
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東京教育大学教育学部附属桐が丘養護学校の養護・訓練における動作訓練導入過程
—研究紀要の分析
丹野 傑史
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2017 年 41 巻 1 号 p. 69-80

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抄録

東京教育大学教育学部附属桐が丘養護学校の研究紀要を分析し、桐が丘における動作訓練の導入過程について検討した。桐が丘では、1963( 昭和38) 年版学習指導要領における機能訓練の内容が医学的訓練に偏っていることに対する疑問を呈した。その上で、医学関係者のいない(少ない) 単独型養護学校における機能訓練について、動作訓練を通じた動作学習の重要性を提起し、機能訓練の一環として動作訓練を開始した。その流れは、1971(昭和 46) 年学習指導要領改訂による養護・訓練創設後も続き、事例研究を通じて動作訓練の有効性を検証していた。一方で、桐が丘の養護・訓練に関する研究は動作訓練に偏っており、養護・訓練の指導方法としての動作訓練のあり方は議論されていない。また、一部の研究を除き、養護・訓練で示された「C 運動機能の向上」以外の指導内容との関係、学校教育活動を通じた養護・訓練との関係を論じた研究は見られなかった。

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