アジア民族造形学会誌
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日本に遺存する一山一寧禪師墨蹟とその編年稿
髙津 久仁枝
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2022 年 18 巻 01 号 p. 44-54

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抄録
<はじめに> わたくしは一山の墨蹟と禅宗史に関わってこれまでよりより立体的な一山像と日本禅宗史全体の中で一山が日本に与えた影響で何か提言することはできないかと思いそれを目的に研究をすすめている。その方法としては一山の年譜と墨蹟表をつくり、そして日本禅宗史とのつながり、また一山がどのような人とかかわりがありそれが墨蹟にどのように反映しているかなどを今後の課題として研究をしてゆきたい。 また最終的には一山の墨蹟の書法について論究することができたらと思っている。 一山一寧( 1247~1317)の行状を知るうえで最も基本的な史料として考えられるのは次であろう。 これまでの研究で今わかる範囲では、伝一山一寧墨蹟といわれるものは90種以上あることがわかってきた。それを指定、時代、歳、所蔵、形状、法量、品質、出典がわかりやすい墨蹟表を作りそれを基にして一山の紀年のない墨蹟をも一つひとつ入れるとともに、年譜の中には紀年のわかっている墨蹟を落とし込んでいく作業を行っている。今回は紀年のある一山の墨蹟を年代順に紹介したいと思う。
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2022 アジア民族造形学会
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