抄録
【要旨】
親鸞が念仏者として阿弥陀仏信仰をもっていたことは言うまでもないが、また親鸞は聖徳太子信仰の持ち主でもあった。親鸞の聖徳太子信仰は法然門下に入る以前からあったと思われ、法然門下に入る際にもそれが大きく関係し、また晩年に至るまで一生続き、親鸞は太子に強い思慕の念を抱いていた。親鸞の聖徳太子信仰は四天王寺における聖徳太子信仰と深い関係にあったと思われ、四天王寺に伝わる文書も四天王寺の本尊の仏像も親鸞の聖徳太子信仰に大きく関係していると思われる。親鸞にとって最晩年に至るまで聖徳太子信仰は一貫して重要な位置を占めており、阿弥陀仏信仰さらには本願思想に包摂される形をとりながら、親鸞の聖徳太子信仰は四天王寺における聖徳太子信仰と深い関係をもちつつ親鸞自身を導いていたことがうかがわれるのである。