糖尿病学の進歩プログラム・講演要旨
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セッションID: ES-2-1
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イブニングセミナー2 早期インスリン導入における障害の克服
インスリン導入の際の服薬指導の留意点、注入器選択のポイント
*厚田 幸一郎
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抄録
 2002年度の糖尿病実態調査による本邦の糖尿病患者数は年々増加の一途をたどっており、必然的にインスリン治療患者数についても増加しつつある。しかしながら、いまだインスリン投与は注射によらざるを得ないものであるため、患者の受け入れには大きな抵抗があり、医療従事者においてさえもインスリン導入に対する躊躇が認められているのが現状である。 こうした中、インスリン療法を取り巻く環境は大きく変化してきている。なかでも、糖尿病を治療するための「武器」の増加、すなわち、インスリンアナログ製剤の登場やインスリン注入器(デバイス)の種類の増加は、その重要な側面の1つである。 これらの新しいインスリン製剤やデバイスを活用し、患者の受け入れの抵抗を少しでも改善すること、また医療従事者がこれらの利点や注意点を理解し、適切に指導していくことは、真に必要なインスリン治療をすすめていくために大きな力となると考えられる。 そこで、当院での経験を踏まえた上で、インスリン導入の際の服薬指導における留意点および注入器選択のポイントを提示したい。 まず、インスリン導入については、医師より十分な説明が行われているが、一度の説明ではインスリン療法を受け入れられない患者も散見される。そこで、薬剤師の立場からもインスリン治療の必要性を説明することが求められる。当院では、下記の項目について説明することを心掛けている。(1) インスリン治療は、決して難しくない(こわい)治療法ではない(2) インスリン治療は、決してめずらしい(はずかしい)治療法ではない(3) インスリンは、正確な手技であればほとんど痛みを伴わない。(4) インスリンの種類は多く、患者個々に対応した治療法が選択できる また、視力障害のある患者への導入指導は、「どの程度の視力があるか」などをきちんと把握した服薬指導と、注入器の選択が非常に重要になる。針の脱着や懸濁製剤の攪拌もちょっとした工夫が必要である。  さらに、定期的にインスリン自己注射手技を確認することや保管方法の重要性について、また、デバイスの選択では、長期的な試用と患者のライフスタイルにあわせることの重要性などについて提示したい。
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© 2005 日本糖尿病学会
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