理学療法学Supplement
Vol.30 Suppl. No.2 (第38回日本理学療法学術大会 抄録集)
セッションID: NP732
会議情報

測定・評価
ハンドヘルドダイナモメーターによる等尺性外転筋力の測定
ベルト固定方法の違いが測定値に与える影響
*畑山 聡加藤 宗規奥 壽郎小山 理惠子西島 智子内藤 郁奈伊藤 公一海野 広美
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抄録
【目的】等尺性股関節外転筋力の測定において、ハンドヘルドダイナモメーターに固定用ベルトを装着することにより測定値に高い再現性が得られることは諸家により報告されている。しかし、先行研究における固定方法は異なっており、測定値の相互互換が可能であるか否かは検討されていない。本研究では、ベルト固定方法の違いが測定値に与える影響について検討した。【対象と方法】対象は本研究の目的を説明し同意を得た健常成人20名(男性7名、女性13名)、年齢29.4±8.6歳、身長163.8±10.0cm、体重57.0±8.4kgの両下肢、計 40脚である。股関節の整形外科的疾患や股関節痛を有する脚はなかった。測定はアニマ社製徒手筋力測定器μTasMT-1を使用した。測定に際しては、介護用ベッド上背臥位において股関節内外転中間位をとらせ、ベルトを取り付けたセンサーパッドを面ファスナーで大腿遠位部外側に装着した。そして、以下の3通りの方法でベルト固定し、等尺性股関節外転筋力を測定した。すなわち、対側のベッド柵へ連結しての固定(以下、ベッド柵固定)、検者の足で踏みつけることによる固定(以下、検者下肢固定)、被検者の対側の大腿部をベルトの輪の中に通すことによる固定(以下、被検者大腿固定)を用いた。約5秒間の最大努力による股外転運動を行わせ、その中での最大値を採用した。測定は30秒以上の間隔をあけて2回行い、最大値を採用した。また異なる設定の測定を行う際は、30分以上の休憩を設けるか、日を改めて行った。分析方法としては、一元配置分散分析、およびピアソンの相関係数を用いて検討し、危険率5%を有意とした。【結果】等尺性外転筋力測定値は、ベッド柵固定21.56±4.6kg、検者下肢固定23.05±3.6kg、被検者大腿固定24.15±4.5kgであった。被検者大腿固定が最も高値を示し、被検者大腿固定とベッド柵固定の間で有意差を認めた(p<0.01)。各固定方法間における相関係数は、ベッド柵固定と検者下肢固定間0.72、ベッド柵固定と被検者大腿固定間0.84、検者下肢固定と被検者大腿固定間で0.71であった。 【考察】測定方法間での相関係数はベッド柵固定_-_被検者大腿固定間において最も高い相関を示した。しかし、両者の間では被検者大腿固定が有意に高値を示しており、両者の測定値の比較には問題があるものと考えられた。また、その他の組み合わせにおいては、測定値に有意な差は認められないものの、相関係数はやや低い値を示したことから、異なる固定方法間での検討には問題を有すると考えられた。以上のことより等尺性股関節外転筋力の測定においてハンドヘルドダイナモメーターを用いる場合、固定用ベルトを用いたとしても固定方法により測定値は異なり、測定値を多施設間などで比較する際には、固定方法の統一が必要と考えられた。
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© 2003 by the Sience Technology Information Society of Japan
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