抄録
黄砂発生とは強風によって土壌粒子が舞い上がる現象であり、砂漠化の一形態である風食と言い換えることができる。黄砂発生は、侵食能(風食を引き起こす風の能力)と受食性(風食に対する土壌・地表面の侵食のされやすさ)の2つに依存する。本発表では、1990年代(1990-1999)と2000年代(2000-2009)の東アジアにおける4月の黄砂発生頻度、強風発生頻度、臨界風速(土壌が舞い上がり始める風速)の5パーセンタイルを見積もり、黄砂発生頻度の変化に対する侵食能と受食性の貢献を強風発生頻度と臨界風速5パーセンタイルから議論する。この解析から、領域の多くが放牧地帯か耕作地帯であるモンゴル、内モンゴル東部、中国東北地方の多くの気象台において、黄砂発生頻度が増加し、特にモンゴルにおける増加が著しく大きかったことが分かった。また、これらの地域の黄砂多発化の原因は受食性の変化(砂漠化)にあったことが分かった。