日本補綴歯科学会誌
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認定医症例報告
フレンジテクニックを用いた総義歯の12年経過症例
大沼 智之
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2009 年 1 巻 3 号 p. 303-306

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抄録
症例の概要:患者は62歳の女性無歯顎者であり,歌唱時に下顎の総義歯がゆるくなるような感じがあるとのことを主訴に来院した.機能時の維持安定の向上を目的にフレンジテクニックを応用した下顎総義歯を製作した.
考察:フレンジテクニックを応用することにより主訴であった歌唱時の義歯の維持安定の不良を改善できたと考えられる.また本症例で咬合関係が長期に安定していたことは,耐摩耗性に優れる硬質レジン歯を使用したことが一因である考えられる.
結論:本症例においては,下顎総義歯にフレンジテクニックを応用することで,歌唱時などの機能時における義歯の維持安定を向上することができ,12年間良好に経過した.
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© 2009 社団法人日本補綴歯科学会
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