2019 年 11 巻 4 号 p. 399-402
症例の概要:患者は59歳,男性.上顎義歯の不適合による咀嚼障害を主訴に来院した.臼歯部の咬合支持がないため,下顎前歯の突き上げによる上顎義歯の矢状面回転が発現していた.上顎に二重構造フレームワークを適用した金属構造義歯,下顎は硬質レジン歯を適用した金属床義歯による補綴を行った.
考察:硬質レジン歯の適用と剛性の高い義歯を装着したことで,患者は審美性と機能性に非常に満足した.
結論:すれ違い咬合に対し,適切な前処置と設計を行うことにより,義歯の支持,把持が向上し,良好な咬合機能の回復が図れた.