2020 年 12 巻 1 号 p. 87-90
症例の概要:患者は63歳女性.鋳造クラスプによる審美障害および咬舌による咀嚼障害を主訴に来院した.クラスプが目立つことに対する訴えが大きかったため,上顎は全部床義歯,下顎は陶材焼付冠および歯冠外アタッチメントを利用した部分床義歯を製作することとした.
考察:下顎臼歯部欠損に対する補綴処置にはさまざまな方法が存在するが,患者の主訴を改善可能である歯冠外アタッチメントの設計を考慮し,製作および装着することができた.
結論:本症例は前歯部残存歯に歯冠外アタッチメントを利用したことで,審美的改善および義歯の維持安定に繋がり,良好な術後経過を得られた.