2020 年 12 巻 1 号 p. 99-102
症例の概要:患者は38歳男性.外観不良を主訴に来院した.咬頭干渉を伴う広汎型重度侵襲性歯周炎,前歯部歯冠形態不良・空隙歯列による審美障害と診断された.不良補綴装置を除去,暫間冠を装着した.歯周基本治療,歯内治療後に歯周組織再生療法を実施した.部分的矯正治療とプロビジョナルレストレーションで咬合平面と咬合様式を修正して最終補綴歯科治療を行い,良好な経過を得た.
考察:本症例では動機づけと歯周治療,機能圧の適正な分配が重要であったと考えられた.
結論:審美障害,咬合干渉および歯周疾患を有する患者に対して,歯周治療後に矯正治療と補綴歯科治療を行ったことで,その状態を長期的に維持できたと考えられた.